第三章希望と絶望
オレは校庭でみんなと会った。
誠以外は緊張の面持ちだ。
まったく、あいつときたら。
話を進めるか。
「みんな、今からアルカディアに行く。嫌な者行かなくてもいい。どうする?」
「決まってる」
「未来を変えるためでしょ?」
「もちろん、行くわ」
「そうそう、いつでもいいぜ」
………ありがとう。
「分かった。行こう!アルカディアに!!!」
〇〇〇〇〇
時間が流れた。
場所は見慣れない森のなか。
ここがアルカディアなのか?
どうやら、チケットは本物らしい。
「たっく、暑いなぁ」
確かに、暑い。
おかしい、地域的にも安定した気候のはずだ。
アルカディアなのか?
「ねえ、これからどうするの?」
紫乃が心配そうにしている。
「まずは、村を探そう。隔離されていたとしても
村はあるはずだからな。」
「そうだな、そうしよう」
九鬼に賛成することにした。
●●●●●
「誰かいますかー」
「アー、疲れた」
みんなが必死に探しているのに一人だけダルそうにする誠。
まったく、あいつめ。
しかし、疲れてきたのは事実だ。
少し、休むか。
「みんな、だいぶ日も暮れてきた頃だし休むことにしようか。」
「賛成!!!」
元気な誠。
握り潰すぞ、この野郎。
「ねえ、何か聞こえない?」
真弓が声をあげる。
「あ?」
「何か獣みたいな」
「ははつ、まっさか~」
表情が曇る誠。
「いや、あり得る。木に登ることにしよう。」
〇〇〇〇〇
アオーン
走り去る狼。
「ふうー行ったか」
しかし、まさか狼に会うとは。まずいな、このままじゃ。
「おい、無事…!??」
「た、助けてくれ、楓!!!」
木に襟を捕まえられた誠。
あのバカ世話を焼かせやがって。
めんどいがら助けてやった。
今回だけだぞ。
「イヤー危ないところだったな!」
危なくなってたのはお前だけだ。
………大丈夫か、このままで。