プロローグ
はじめまして、この作品をどうぞ暖かい目で
見てください。よろしくです!
プロローグ
青春。
ヤな単語だ。
オレにはいらないものだ。
手に入れまいとしてきたものだ。
スポーツでの[全国大会優勝]だとか。
学業での[学年一に]だとか。
友情。愛情。
くだらない。
季節は冬。
もうすぐ修学旅行が迫っている。
高校生活最高のイベントと言ってもいい。
の、だが…気が進まない。
世間はやれクリスマスだの、やれ大晦日だので
忙しい。
でも、まあ、自分には関係のないことだ。
ホントにくだらない。
私立城平高校2ーB 16歳。槙岳楓。
それがオレ。
自分は今、職員室で担任の竹口教師に説教されて
いた。
なぜか。
それは…
「おい、槙岳お前だけなんだぞまだ出していないの
分かっているのか!?」
「はあ…」
竹口は同じことを何度も言う。
それは…まだ進路調査標を出していないからだ。
ついにこの時がやって来たかと思った。
一番面倒で一番考えていたくないもの。
みんなよく書けるよな、こんなもの。
と、心の中で思ってみたり。
ああ、イヤだ。
ヤダ。ヤダ。
夢なんてこれっぽちもない。
将来になんて希望を持てない。
持てるわけがない。
上には上がいる。
壁の向こうにはまた壁がある。
届きたくても届かないものがある。
それを知っているから。
知ってしまったから。
だからこそ何かを見つけようともするのだが。
………時間、か。