The wolf met with Red riding hood
いきなり呼び止められ、赤ずきんは一瞬硬直した。
この森では動物も皆、喋れるという噂があったが誰も信じてはいない。
だが、赤ずきんは確実に誰かに今。呼び止められた。
誰なのか?もしかして、獣?
振り向くのが怖かった。振り向いたら大きな熊が両足で二足歩行しながら襲ってくるかもしれない。
じゃなかったら、狼が大きな口を開けて追いかけてくるかもしれない。
色々な事を考えている内にそいつがまた話しかけてきた。
「お嬢さん?聞こえる?」
聞こえてるよ。
こんなに普通に喋れてしまうものなのか。獣も。
どう聞いても人間にしかー
そうだっ!猟師さんかもしれない。
森を少し進んだところに住んでいるなら猟師さんだ。
赤ずきんはホッとして胸を撫で下ろした。
怖がっていた自分を笑うようにニコリとすると元気よく後ろを振り返った。
「お嬢さんって、あたしの事っ?」
そしてまた硬直してしまった。
赤ずきんの後ろに立って手を振っている男はどう見ても猟師には見えなかった。
ボサボサの茶色い髪の毛。くせ毛なのかところどころピンッとはねている。
黄色く鋭い瞳。瞳孔は黒くまるで猫のように細長かった。
少し痩せた頬をこちらに向けて笑っている。
肌は白っぽくも黒っぽくもなかった。
顔立ちはなかなか良く、立派な青年だ。
だが着ている服を見ると少し疑いは強まった。
何しろ銃やナイフなど、所持品は一切持っていなかった。
普通、猟師というものは銃を肩に担ぎ、弾などを入れるポーチぐらいは持っているはずだ。
この男は何も持っていない。
あたしのイメージが間違っているのかな?と自分に聞く。
「どこに行くの?」
男は優しそうな顔をしながら聞いてきた。
赤ずきんは答えられなかった。代わりにそいつの身なりを見直した。
フードつきのボロボロなパーカーのようなものをアウターにしていた。
白く、伸びたシャツに茶色いサスペンダーを着ていた。
ブーツの色はサスペンダーの茶色より少し浅い。
って、どうでもいいや。たぶんこの人は人間だ。
と自分に言い聞かせた。そしてやっと顔を上げて、こう答えた。
「おばあちゃんのお見舞いに行くのよっ!」
そいつが一瞬、ニヤッとしたのに赤ずきんは気づかなかった。
「そうなんだ。おばあちゃんってこの森に住んでる人?」
「そうだよ。病気で倒れたって手紙が来たからお見舞いに行くの。」
赤ずきんは(あなたは猟師さんなの?)と聞こうと思ったがそいつの一言が邪魔をした。
「だったら、おいらが付いていってあげるよ。」
赤ずきんはお母さんとの約束を思いだし、首を振ろうと思った。
でも、そこで考え直してみた。
知らない人だけれども、お母さんは猟師さんと行けって言ってたし。
この人がお母さんの言っていた猟師さんだと。
変な確信をした赤ずきんは首を縦に降った。
「いいんですか?ありがとうございます。」
そいつはさっきよりもニヤッとした。
そして二人は並んで歩き出した。
そいつの髪の毛の間から茶色い耳がちょこんと出てきたのに赤ずきんは気づかなかった。
To be continued...
短くてごめんなさい。