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学園サバイバル  作者: 白戸黒
1章 学園パニック
2/2

1-1

 歴史あるダンウィッチ学園には、日本だけでなく世界各国よりさまざまな人が集まってくる。四年制過程という特殊な学年編成に加え、勉強する科目の多さから学生数は多い。遠方から通う学生のために寮を借りることもでき、その寮は学園内に存在する。そのため、学園の敷地の大きさは半端ではなく、多くの学生がこの学園で勉学に勤しんでいた。

 しかし、今ではもうそんな学園は存在しない。

 存在するのは、モンスターが園内を闊歩する異界だけだ。



「おい憲二、ネット繋がんねえぞ。これじゃあ大事な部活動ができないじゃないか」

「大したこともやってねえくせに・・・。てか俺に言われても知らねえよ」

 コンピュータ部である俺は、いつものように部室でネットサーフィンをするだけの部活動を行っていた。しかし、十分程前からインターネットに繋がらなくなり大事な活動は現在中止せざるを得ない状況になっていた。

「なあ、もう十分経ったぞ。こりゃ学校のサーバーが落ちたんじゃねえか?」

「まあLAN関連はさっき確認したからなぁ。プロキシの問題か、サーバーかもな」

 俺と佐藤はお互いにため息をつく。インターネットができないのであれば活動もできない。

 昨年まではまだこの部にも先輩がいて、その人たちが中心にいろいろな活動をしていた。ゲームを作成したこともあれば、意味もなく在庫管理システムを作成したり自作パソコン作成講座などをして、コンピュータ部の名に恥じない活動を行っていた。しかし、その先輩たちは皆当時四年生であり、卒業していなくなった。残された部員は俺と佐藤だけであり、取り立ててパソコンに詳しいわけではない俺たちが二年生になった今、インターネットをするぐらいしか活動していなかった。

「帰るか?」

「なあ佐藤、そろそろ俺たち真面目に―――うわっ!なんだ!」

 耳をつんざくかのような大きな破裂音がしたと同時に窓の奥が少し光った。

「な、なんだ、地震か!?」

「いや、違う・・・。なんだ?」

 俺は外の異変に気づき、恐る恐る窓の外を見てみた。

 俺たちのいる部室は部室棟の二階にある。その窓からは図書館や資料室がある図書棟とその奥にある体育館しか見えない。光るものなどあるわけがないのだが、俺は確かに何かが光るのが見えていた。

「おい佐藤、さっき外で何か光ったよな?」

「いや、わかんねぇ。つかここから見えるものなんてほとんど図書棟だけじゃん。何が光るっていうんだよ」

「いや、分かんねえから確認したんじゃん・・・」

 何か嫌な予感がしているのを実感していた。園内にいて破裂音が聞こえるなど、正常ではない。何かが起きているのには違いないのだ。

「俺、ちょっと気になるから見てくるわ」

「おいおい、どこにだよ。てか、火事とかだったらどうすんだよ。危なえじゃん」

「そういうのだったらもう放送があるだろ」

「ちょ、待てって!俺も行く!ネット繋がらねぇこの部室に一人でいても寂しいだろが」


 職員室は大混乱を極めていた。

 授業が終わってまだそれほどの時間が経ってない今、職員室にいる教師は多く、そこを突いてきたかのように、突如職員室に現れた”モンスター”達は瞬く間に教師の半数以上を殺害し、職員室を占拠しようとしていた。

「まだ動ける先生は急いで武装してください!そうでない先生はこの階にある緊急用の放送室まで行って生徒の避難誘導を早急にお願いします!」

 生き残った教師達は職員棟の地下二階に避難していた。

 地下二階は、”もしものことを想定し”武器庫となっている。そこには多くの銃器や弾薬、剣やナイフなどといった物も保管されている。

 突然襲われた教師達は戦々恐々としており、もはや気が気でない者も少なくない。惨たらしく人が殺される様を初めて見た彼らは、思い出し吐き出す者もいれば怯えて泣き喚く者もいた。

 しかし、それでもこのままこの地下室に篭っているわけにはいかない。彼ら教師には生徒を守る義務がある。

 先生の指揮は、先祖代々この学園で教師をやってきた大門と古金が取っていた。

「大門先生、動ける先生方は八人だけです。私たちを含めて十人ですよ。これではここを守るので精一杯です」

「えぇ分かっています」

 古金は難しい顔をした。

「彼らは動けるだけで戦えるわけではありませんよ」

「分かっています。突破は私一人で行ってきます。他の先生方にはここの防衛をお願いするんです。ここの指揮は古金先生にお願いします」

 古金は驚いた様子で大門に詰め寄った。

「正気ですか!?そんなことしたら死にますよ」

 モンスターの数は把握できず、敵の戦力は未知数だ。情報もない場所に一人で飛び込むなど自殺行為に等しく、唯一状況を把握できている大門が死ぬかもしれないという状況を古金は良しとしなかった。

「あれは確実にモンスターです。誰かがネクロノミコンの封印を解いたに違いないんです。この状況を今ここで理解しているのは、私と大門先生だけなんですよ。あなたが死ぬのを看過できるわけないじゃないですか」

「しかし、私たちは教師です。生徒を放っておくわけにはいきません。状況を把握しているからこそ、この状況で生徒を助けることができるのは私と古金先生だけなのです」

 大門はそう言うとドラムバッグに銃器と弾薬を詰め、持てうる限りの武器を集め始めた。

「もし四時間経っても戻ってこなかった場合は、古金先生達でネクロノミコンの攻略に向かってください」

「四時間ももつかどうか・・・。必ず帰ってきてくださいよ」

「えぇ、そのつもりです」

 大門は満面の笑みを古金に向けた後、集めた武器を持って地下一階へと上がっていった。

書いてる本人が思ってしまうぐらいには、読みづらいかも。

セリフ多めになってしまったことは反省すべきだと思います・・・。ぐぬぬ。

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