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INFELD -G-

作者: 凛音

「せんぱーいっ」


女の子の明るい声がする。思わず振り返ると、そこにはショートヘアの可愛い女の子が立っていた。確か、フルートパートの一年生じゃなかっただろうか。どうして私に用? と思いながら、それでも半ば嬉しくて返事をしようと口を開きかけた瞬間、気づいた。その子の見ている先は明らかに私ではなかった。


「沙弥、もう持って来てくれたの? ありがと!」


私の背後から、同級生の橋本琴音の声が聞こえてきた。琴音は私の横を通り過ぎて、一年生の元へ駆け寄っていった。一年生は琴音に薄い包みを渡し、それを受け取った琴音は嬉しそうに何か話している。

私は彼女たちから目を逸らすと、席に着いてヴァイオリンを脇に抱え、ぼんやりと客席の方を見た。もう練習が始まる時間だというのに、まだトロンボーンとチューバの男の子たちはトランプをしている。ステージの上で真面目に練習している人は少ししかいない。ふと木管楽器の方に目を向けると、ただ一人真剣な顔でオーボエを吹いている香山君の姿が目に入った。


「ほらほら、みんな、始めるわよー」


その姿をきちんと視界に収める間もなく、音楽監督の島田先生のふわふわした声が聞こえてきた。ふくよかな体型で柔らかい物腰の島田先生は、いつもは優しい中年女性だが、怒るとすごい事になるらしい。幸い私はまだ、彼女のそういうところを見たところはないけれど、でも想像は何となくつく。のんびりした喋り方なのに、どこか学生にナメさせない雰囲気があるのだ。


客席側にいた子たちが、楽器を持ってどやどやとステージに上がってきた。それと同時に、私の左隣に琴音が座るのが解った。

琴音は薄い包みを大切そうにパイプ椅子の下に置くと、楽器を持って席に着いた。私がちらりと椅子の下を見ると、それは黄色い袋に入っていた。すると私の視線に気づいたのか、琴音はにこっと笑って言った。


「沙弥が貸してくれたCD。梨花ちゃん、ボゥディーズって知ってる?」


私は咄嗟に言われたその英単語らしきものを脳内変換できず、曖昧な表情で笑った。すると彼女はそれをどう受け取ったのか、慌てて言った。


「あ、ごめん。何か聞かれてもないのにべらべら喋っちゃって」


まだ私が何も言っていないのに、琴音はそのまま前を向いてしまった。私は仕方なく楽譜を譜面台に置き、弓にせっせと松脂を塗り始めた琴音から目を逸らした。


――私は、この橋本琴音が苦手だった。



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同じ大学の同じ学部の同級生で、同じサークルの同じヴァイオリンパートで、ファーストとセカンドという違いはあれど、偶然にもオケの席まで琴音と私は隣だ。しかし、私たちは何もかもが異なっている。


明るく社交的な琴音は、同学年はもちろんのこと、仲の良い先輩や後輩の数がとても多い。その範囲は弦楽器に限らず、管や打楽器の子達とも気軽に飲み会に行く仲らしい。あっけらかんとした性格ながら実はしっかりしていて、特に低弦と金管の後輩からは異常に慕われている。


容姿について言えば、彼女は美人というカテゴリーには入らないが、どことなく可愛くて愛嬌のある顔をしていることは確かだ。二重瞼の大きな瞳に、ちょっと強気そうなつんとした唇。茶色く染めた髪をくるくると巻き、それが彼女の白い顔を柔らかく縁取っている。練習の時はいつもそれを頭の上で無造作に一つにまとめているし、着ている物もいつも無造作な印象を受ける。あまり女の子らしい服を着ないのだ。この三年間私は、琴音が膝より上の脚を露出しているところを見たことがない。


友好的な琴音に対して、私は消極的で引っ込み思案だ。同学年とは普通に喋れるし、大学に入ってからは男の子とも喋れるようになった。でも先輩は無理だ。ましてや後輩など無理に決まっている。後輩のあの恐れを知らない感じが、私は怖い。


私はよく人から美人だと言われる。自分ではそこまでとは思っていないが、友達はよく褒めてくれる。一応容姿には気を使っているつもりなので、その言葉は嬉しい。少なくとも琴音のように、朝練にノーメイク同然で来たり、左右で色が違う靴下を履いてくるなどということは決してしない。


しかし、私は今まで彼氏がいたことはない。友人は「梨花は綺麗過ぎて男が近寄って来ないんだよ」と茶化してくれるが、本当はそうでないことは自分で解っている。

一方の琴音には、一年生の頃から付き合っている彼氏がいる。先ほどのオーボエの香山君だ。中学・高校と吹奏楽部に所属していたと言う彼は、本当にオーボエが上手い。オーボエの音の出し方をきちんと心得ている。長年楽器をやっていても、そういう基礎が全くなっていない人もたくさんいるが、彼は違う。今の四年生のパートリーダーとは、技術力も音色もそれこそ雲泥の差だ。



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自分でこれだけは琴音に勝っていると確信しているのは、ヴァイオリンだ。

私は三歳の頃からヴァイオリンを習い始めた。父親がプロのオーケストラのヴィオラ奏者で、私は父に厳しく教え込まれた。毎日練習を三時間はやらされた。私はヴァイオリンが大好きだったので、父に叱られながらも懸命に練習した。


高校に入ってから、私は音大に進むつもりでより一層練習した。しかしそこで初めて出たコンクールで、自分の才能の限界に気づかされた。

全国から二十歳以下の参加者が集まってきて行われるそのコンクールでは、私とは比べ物にならないぐらい上手な子達がごまんといた。私より三つも下なのに、課題曲のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を完璧に弾きこなしている子もいた。そしてそれを聴いて完全に緊張してしまった私は、本番で見事に失敗した。楽譜が頭からすっかり飛び、中間部を丸々抜かしてしまったのだ。


泣いて悔しがる私を、父は珍しく慰めてくれた。まだいくらでもチャンスはある。ちっぽけなミスじゃないか、これで今までの努力を水の泡にしてしまうのか――しかし、私は自分ではっきり解っていた。私には音楽家を目指すほどの天分はないのだ。技術力ももちろんそうだが、私は元々深刻なあがり症だった。


子供の頃から何度も出ている発表会でも、私は毎回ものすごく緊張した。小学一年生で初めて出た時には、弾き始める前に舞台から降りて母親の元へ駆け寄ってしまったほどだ。毎年発表会はあるので、さすがに小学校高学年ぐらいになると、お辞儀を忘れたりピアニストへの合図を忘れたりすることはなくなった。しかし、脚はがくがく震えるし、顔は火照るし、指は縺れるしで、舞台上では普段の実力の半分も出せない。もう発表会には出たくないと先生に泣きついたこともあったが、音大を目指すならこれぐらい我慢しなさいと言われ、仕方なく毎年出た。


しかしそのコンクールで、私は演奏家を目指すのが不可能なことを悟った。それ以前に、音大に入る入学試験の段階で既に無理だった。当然私は落ち込み、しばらくはヴァイオリンなど見たくも聴きたくもなかった。この楽器を一番の親友だと思って生きてきたのに、それだけが人生の目標だったのに、私の将来から「ヴァイオリニストになる」という夢は完全に消えうせたのだ。



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ようやくそれから立ち直れたのは、いやいやながら普通の大学へ進学することを考え始めた頃だった。私は既に二ヶ月ヴァイオリンから離れていた。そんな私を見た父は時々何か言いたげな素振りを見せたが、いつも途中で諦めて何も言わなかった。私は父を失望させた自分に苛立ち、また何とかしてヴァイオリンを弾き、何らかの形で父を喜ばせてあげたいと思うようになった。

大学のパンフレットをぼんやり眺めていた私の目に「管弦楽サークル」の文字が飛び込んできたのは、そのときだった。

その瞬間、これしかない、と思った。それまでソリストにしか興味がなかった私だったが、それからオーケストラのことを少しずつ勉強し始めた。そして、「コンサートミストレス」という栄誉ある座のことを知った。


これを目指そうと私は決意した。オケで弾く分には、私は観客の方を見なくて済む。演奏中もし失敗しても、ちょっとしたミスならバレることはない。私の技術があれば、大学のオケのコンミスぐらい簡単になれる――そう考えた。あまりに不純な動機に、今考えて見れば呆れてしまう。自惚れており、完全に高をくくって、コンサートミストレスというものを甘く見ていたのだ。


無事第一志望に合格した私は、予想していた以上に激しい新入生の勧誘に戸惑いながらも、迷わず管弦楽団に入った。そこで楽器経験者だけ島田先生の前に集められ、一人ずつ演奏させられた。そこに琴音もいた。私と琴音の他に五、六人経験者がいたが、私は正直に言うと琴音しか意識していなかった。


最初彼女の演奏を聴いたときには、さすがに緊張した。私は元は音大を目指していた身なのだから、私より上手な人などいないだろうと確信していたのだ。でも、琴音は上手だった。いや上手というより、彼女の音には聴き手を引き込ませる光があった。音程が狂うことは時々あったが、そんなことなど気にならないほど、琴音の奏でる音は華やかで明るく、今思えば彼女の性格を顕著に表していたのだ。



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それでも私は、あのコンクールのときのように打ちのめされたりはしなかった。技術は私のほうが遥かに上回っていたし、曲としての難易度にも完成度にも自信があった。緊張をせずに弾き切れたおかげで、先生の反応は上々に見えた。

果たして私はファーストヴァイオリンに選ばれ、琴音はセカンドヴァイオリンになった。私は琴音も希望をファーストヴァイオリンに出していたことを知っていたので、そこで何とも意地の悪い勝利感を味わった。ファーストとセカンドが技術の優劣で決められるなど思い違いも甚だしかったが、私は琴音に勝ったと思って内心喜んでいたのだ。


その後の大学生活で私は、嫌というほど琴音に対する敗北感を味わうことになった。

友人が多く、どこに行っても親しそうに声を掛けられる彼女。

時折飛ばす冗談が絶妙で、常に他人を笑わせている彼女。

――そして、オケに入って半年経った頃には香山君と付き合い始めていた彼女。


私は優しい性格の香山君に淡い想いを抱いていたが、もちろん行動に出られる筈もなく、気がついたら彼らは付き合っていた。

二人が一緒にいるのはとても自然だった。公衆の面前でイチャついたり他人に惚気たりということはないが、二人でいる時の彼らの楽しそうな様子と言ったらなかった。それが私をより苛立たせた。


私はますます琴音が苦手になった。憎んだのではない。苦手になっていったのだ。



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練習が終わったのは、午後の八時を回った頃だった。

四年生が出る最後の舞台である今度の定期演奏会では、ショスタコーヴィチの交響曲第五番を演奏する。今日はどうもトロンボーンパートの調子が悪かったらしく、練習の終盤で島田先生はコツコツと指揮棒でせわしなく譜面台を叩き始めた。表情が柔和なままだから解りにくいが、先生が苛立っている証拠だ。

触らぬ神に祟りなしと、皆はさっさと楽器を片付け始めた。私も松脂を拭き取り始めたが、琴音はヴァイオリンを脇に抱えたまま立ち上がると、ケースと楽譜とCDを持ってどこかへ立ち去ろうとした。


「どこへ行くの?」


私が聴くと、琴音はぎょっとしたような顔をした。そしてそれを取り繕うようにへへへと情けなく笑うと、言った。


「これから練習。昨日バイトで練習できなかったからさ」

「そう……でももう八時よ」

「まあ十時ぐらいに帰れば大丈夫だから。じゃあ、また明日ね」


琴音はそう言うなり、そそくさと部室の方へ行ってしまった。その背の高い後ろ姿を見送りながら、私の頭に閃くものがあった。


――そういえば、土曜日はコンミスを決めるオーディションだった。


そう考えた瞬間、琴音の後ろ姿が急に小さく見えた。私はまた意地悪な気持ちになりそうになるのを抑え、自己嫌悪を感じながら楽譜を片付け始めた。



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それから三日後の土曜日の朝、島田先生や大学OBの先生方の前で、私たちはバッハの無伴奏パルティータ第三番のプレリュードを弾かされた。

プレリュードは、私が中学生の時に発表会で弾いた曲だ。無伴奏ソナタは文字通り伴奏がないので、そのヴァイオリニストの奏でる音の全てが観客に聴こえてしまう。音程の小さな狂いも、弓の毛が引っ掛かる音も、耳障りな金属音も含めて、全てだ。まさに実力が試される曲であり、どんなごまかしも妥協も許されないところと、バッハによって緻密に積み上げられた和音の宗教的な美しさが、私はとても好きだった。


私の後に琴音が弾くことになっていた。島田先生が集めたのはヴァイオリンパートの新四年生である七人全員だったが、私は新入生だったあの時と同じく琴音しか気にしていなかった。夜遅くまで残って熱心に練習している琴音の左の鎖骨に、痛々しい赤い擦り傷が出来ているのを私は知っていた。その朝改めてちらっと見てみると、琴音はいつもはほとんどしない当て布を肩に付けていた。

琴音は何だかいつもより更にだらしない格好をしていた。くたびれたサンダルから覗くペディキュアは剥がれかけているし、服はTシャツにダメージドジーンズで、オーディション向きの格好とは到底言えない。茶色い巻き毛は寝癖だらけで、まさに今起きたばかりという姿だった。もちろん化粧はしていない。


そそくさとチューニングをしている彼女の横で、私は今部屋の中にいる田山さんの演奏をぼんやりと聴いていた。田山さんは上手だけれど、琴音のような音に宿るきらめきは皆無だ。優等生のような、型にぴったりと嵌った弾き方しかしない。練習中、よくつまらなそうに弦をぽろぽろと弾いている姿を見かけるが、実際ヴァイオリンもオケもつまらないのだろうと思う。


田山さんが部屋から出てくると、「片桐さーん」というのんびりした声が聞こえ、私は入れ替わりに入っていった。琴音はE線がなかなか合わないようで、苦労しながらまだ音を合わせていた。

後ろ手にドアを閉めると、島田先生がにこにこしながら「楽譜はいる?」と聞いてきた。私は結構ですと答えると、部屋の中央に立ってヴァイオリンを構えた。



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緊張することなく、いつも通り弾くことが出来た。普段親しんでいる顔ばかりだったせいもあるだろう。私は弾き終えると、一礼して部屋を出て行った。

部屋の外では、琴音が心ここにあらずといった感じで松脂を塗っていた。私に気づくと、琴音は顔をぱっと明るくして言った。


「めっちゃ綺麗だった」


私はその言葉にとても驚いた。そして、その言葉に対して浮かんできた喜びの大きさにも驚いた。

今まで私の演奏を「上手だ」「感動した」などと言ってくれる人はたくさんいたが、私の音を「綺麗だ」と評価してくれた人は初めてだった。私は技術よりも、音そのものを褒められたことが嬉しくて堪らなかった。

何と言っていいか解らず、私はただ曖昧に笑いながら琴音の肩を軽く叩いた。彼女が心から贈ってくれた賛辞に、どう感謝していいか解らなかったのだ。

今まで自分は、ただ琴音に対する対抗意識だけで彼女の音を聴いてきたのに、琴音は私の演奏を音楽として受け止めてくれている――名前を呼ばれて部屋へ入っていく琴音のだらしない後ろ姿は、もう小さくなど見えなかった。

どうして気づかなかったのだろう。本当に小さかったのは、彼女ではなく自分の方なのに。

その事実にまた心が痛んだ。私は小さい人間だ。琴音より上に立てることに未だに優越感を覚えていたのだから。


ちっとも変化のない成長しない私に比べて、琴音の表情はこの前とはすっかり変わっていた。ちらほらと見えていた焦燥感のようなものが全くない。相当熱心に練習していたから、きっと闘争心を露にしてくるだろうと思っていたのに、こっちが拍子抜けしてしまうぐらい彼女は淡々としていた。


一体何があったのだろう?――思案していると、私は角を勢いよく曲がってきた誰かとぶつかりそうになった。その相手は慌てて私を避けて止まると、「片桐、ごめん!」と叫び、再び廊下を脱兎の如く走っていった。

ちらりと見ただけでも、香山君の服装は琴音と同じぐらいだらしなかった。二人で示し合わせたのかと思うような、くたびれたTシャツにジーパン。髪の毛はわけのわからないことになっているし、スニーカーの踵を踏んでいる。朝相当時間がなかったのだろう。香山君が、琴音が今弾いている部屋の方へ走っていったのは明らかだった。彼女の演奏を聴くためにこんなに必死に走るなんて――私は思わずふっと笑うと、ゆっくりと部室へ向かった。



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発表は島田先生から直接行われた。コンミスは私になった。琴音はセカンドヴァイオリンの首席奏者になった。

コンミスとして重大な責任を担ったのだということを、私はまだ実感できなかった。皆が私に拍手を送ってくれたが、何だか気恥ずかしいしくすぐったいしでやめて欲しかった。


休憩に入った時、琴音が私のほうににじり寄って来た。琴音はにやっと笑うと、そっと言った。


「梨花ちゃん、これからもよろしくね。何かあったら、私でよければいつでも相談して。……まあ多分何の力にもならないと思うけど」

「そんなことないよ。……ありがとう」


私は、心からその言葉を言うことが出来た。何の力にもならないなんて、おかしな謙遜だ。琴音と話すだけで、どれだけ多くの人が笑いや癒しを貰っているかということを、彼女は知らないのだろうか。実際にあんなに短い賛辞で、私のささくれた醜い心を治してくれたというのに。


琴音はすごい人なのだ。私なんかよりもずっと。もしかしたら彼女の中でも、ヴァイオリンやコンミスへのわだかまりがあったかもしれない。でも彼女は間違いなくそれを克服し、心から音楽を感じることを知っている。技術など取るに足らないことだ。琴音こそが、本当はコンミスにふさわしいのだ。


だから、これだけは言っておかなければならない。


「……琴音が一緒なら、私は困ったことなんてなにもないよ」


私がそう言うと、琴音は少し赤くなり、照れたようにえへへと笑った。

そのゆるい笑い方がおかしくて、私もつられて一緒に笑った。今度は曖昧ではなかったという自信があった。


「やだなあ、梨花ちゃん。ストレートでこっちが照れるよ」


琴音は楽しそうにからからと笑った。

ファンデーションすらつけていないその顔は、今まで見てきたどんな表情よりも美しく見えた。
















                            Fin.


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