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第68話:出発

「何してんの?二人とも」

「私達も旅路にお付き合いしたいのです」

「は?この村で色々やりたい事があるんじゃないの?」


「話を聞いていて思ったんです。私は世界の事をもっと知りたいと」


「……そう、かい。それで姉さんは何で?」

「私はクロ君の安全の為にこの世界に来た。でも、クロ君が危険な事になるのが免れないなら近くで守った方がいいじゃない?だから」

「……もう何も言わないよ。それで、姉さんはどうやって付いてくるの?」


 俺達は馬に乗ってるし、カリアさんもその辺分かっていたのか馬に乗ってる。でも姉さんは普通に立ってるだけ。


 普通に考えたら、ついて行く事は出来ない。一体どうやって付いてくるつもりだったんだ?


「え、クロ君の後ろに――――」

「何言ってんの?そんな案は却下だよ」

「早っ!?ど、どうして?私達は姉弟でしょ?」

「……そうしたら、スピードがどうしても遅れるし。それに俺達の最終目的地は魔王領の主都。そこの城に住んでる『魔王』と面会するつもりなんだよ」

「それは……魔王を殺すという事?」


「な訳無いじゃん。俺とあいつは友達だよ?殺しになんか行く訳無いじゃん」


「へ?」


 まったく分かっていないな。俺は魔王領で色々と知識を蓄えたかっただけだってのに。それに人間の間では悪く言われてる魔族の事も知りたかったし。


「……まあ仕方ないか。姉さん、後ろに乗って」

「え?でもさっき却下だって……」

「ここで口論してた方が遅れる。早く俺は先に進みたいの」


 俺は姉さんの手を引いて後ろに乗せた。姉さんの顔がちょっとばっかし赤くなっていたけど……まあ、気にする事でも無いか。


「えへへ。やっぱりクロ君は優しいよね」

「もういいよ。それじゃ、行こうか。次の目的地は『獣人』の里だ」


 俺は馬の進路を、魔王から受け取っていた地図の通りに向けた。そして馬を進めさせた。

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