第46話:あり得ない出会い
俺達が村に戻ってみるとやけに村が騒がしかった。いや、まあ元々騒がしかったんだけど。それ以上というか。
「あの、どうかしたんですか?」
「おお、これは勇者様。いえね、わが村の天使様が帰還なさったんですよ」
「天使?」
「ええ。ちょうどあなた様と同じ、黒髪黒目でしてね。我らが危機を救って下さったんですよ。ほら、あそこに見えるでしょう?」
「ん?あれ?」
俺の視線の先にはたくさんの人だかりの中で、笑っている女性がいた。しかもその姿が俺の知っている人と酷似していた。その笑顔、その仕草。総てが似ていた。
でも、そんなことはあり得ない。だってその人は――――もうすでに死んでしまっているんだから。
「嘘、だろ?」
「クロ?どうかしたんですか?」
「大丈夫ですか?お加減でも?」
「え……?」
その女性は俺達の目の前に現れた。もうここまで行くと間違えようがない。この人は――――
「姉さん……?」
「もしかしてあなたは、黒谷なの?」
「そんなどうして、確かに姉さんは死んでいたはずなのに。どうしてこんな所にいるんだよ!?」
「……どういう事?それよりもどうしてあんたがこの世界にいるの?」
「あの、取り敢えず移動しません?ここだと迷惑でしょうし」
「あら、カリアちゃん。お久しぶり」
「お久しぶりです。ここだと色々目立ちますので、取り敢えず我が家に」
その後、俺は少し怯えながらもカリアさんの家にお邪魔して椅子に座った。そして色々と話し合ったんだけど、どうにも埒が明かない。そう思っていた所に意外な人物が現れた。
「二人の疑問には私が答えちゃうよ!」
「神様」
そう、神様の登場でした。……この場は収拾着くんだろうか?




