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第34話:昼食

「パーティー?また?」

「ええ……。すいません。皇帝陛下が立案したようでして……」

「それは構いませんが……。何時から?」


「えーと、5~6時間(べルフェン)程度だそうです」


「うーん。了解。行きますって皇帝陛下に伝えておいて」

「分かりました。それでは、失礼します」


 セイバーさんはそう言うと、皇帝陛下の部屋に向かって歩き出した。


「なあ、アリシア。腹減ってない?」

「え?お腹は減っていますが……それが何か?」

「いや、俺起きたばっかじゃん?一緒に昼食を食べに行かないかな、と思って」

「ご一緒させていただいてもいいのですか?」

「俺は誘ってる側だぜ?決めるのはアリシアだよ」

「……行きます!」


 アリシアは嬉しそうな顔をしていた。さっきの契約の場面からなんか不機嫌そうな顔をしていたんだが、よかった。大丈夫そうだな。

 俺達は折り合えず食事をもらいに厨房に行った。そこには昔の知り合いがいたんだが、その辺は割愛させてもらう。

 俺達は中庭でゆったりと会話しながら、食事をつづけた。どうやら、俺が倒れた事は思っていた以上にアリシアに負担をかけていたようだ。凄く話しかけてくる。


「アリシア。君がどう思ったかは分からない。俺が契約した事、俺が魔王の力を持っていた事。訊きたい事も多いだろう。でも俺を信じてくれるか?」

「どうしてそんな事を?」

「俺はさ、家族がいないんだよ。血の繋がった家族は、もういない。そんな俺にとっての唯一の家族。それが君だ。正直な話、訊かれれば答えない訳にはいかない。でも――――」


「別にいいですよ。無理に話す必要はありません。私はあなたの事を信用していますから」


「……ありがとう。本当に、ありがとう」


 俺は泣きながら、そうつぶやいた。そんな俺を見て、アリシアは優しそうな表情を浮かべながら俺の頭を撫でてくれた。そう、まるで慈愛にあふれた母親のように。

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