第27話:野宿(1)
俺はそのまま走って行ったんだが、結局目的に村に着く事も出来なかったのでその辺の魔獣を狩ってその肉が晩飯になった。
「いやあ、いいねえ。このワイルド感。俺は嫌いじゃないな。王城の料理は堅苦しくって」
「そうですか?」
「ああ。あれは平民である俺にはきつい物があった。まあ、なんとか礼儀作法身につけてたから大丈夫だったけど」
そんな事を喋りながら、肉を焼いていた。その焼く状態は例えて言うならモン〇ンの肉焼きの光景のようだった!ちなみにセイバーさんは黙々と食っている。
俺がふと空を見上げてみると、そこには月の明かりが無かった。そうか。今日は新月なんだな。
「ごちそうさまでした。クロ、感謝します」
「はいはい、お粗末さま。さて、俺が起きてるからさ。二人は早く寝なよ。遅くまで起きてると体に毒だよ?」
「はい、それは良いんですが……」
「うん?ああ、寝る道具がない?そっか、野宿は初めてか」
俺は影に手を突っ込んでとある物を取りだした。
「それは?」
「俺の世界の寝袋だ。これに入って寝なよ」
「ありがとうございます」
「感謝します。でも、本当にいいんですか?」
「あんまりグダグダ言うと、強制的に寝かしつけるぞ?俺は聞き分けのいい人の方が好きだな」
「分かりました。もう何も言いません」
そして二人が寝付いたのを確認すると、俺は森の中に入っていった。




