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第23話:評価

「……とまあ、こんな訳だ」

「はあ、ハードな四日間だったんだな。しかし俺の半年がお前の四日とはな」

「……向こうじゃ半年も経ってたのか。まあ、時間の流れが違うんだろうな。この後は王との面会をした後、ギルド登録。だな」

「面倒だな。話を聞いた限りじゃ、いきなり斬りかかってくるんだろ?嫌だな」

「子供みたいな事を言うな。とっとと会ってこい。精々きれないようにな」

「覚悟だけはしておくよ」


 そう言いながら歩を進めるアキの顔は、結構晴れ渡っていた。多分異世界に渡った事で、見る物全部が新鮮なんだろう。ほとんど俺達の世界じゃご無沙汰な物ばっかりだからな。


「あれが英雄殿かい?」

「ランスロットさん。……そんな所で一体なにをしてるんですか?」


 ランスロットさんは木にぶら下がっていた。逆立ちみたいな状態で。


「え?いやあ、料理室から食材をちょろまかしたらそれがばれてね。こんな事になった。結構苦しいし、そろそろやめようかな」


 そう言うと足に括りつけられていた縄に手を当てて、一気に振り払った。すると、縄が一気にぶちっと引きちぎれた。


「あの英雄君も強そうだね。手合わせ願いたい物だ」

「あいつは体術だけなら、多分俺を凌駕しますよ」

「ふうん?それはまたどうして?」


「それは簡単ですよ。あいつが馬鹿だからです」


「馬鹿って……。君ってたまにひどいよね?」


 む、それは心外だな。事実、あいつは本当の馬鹿なんだから仕方がないじゃないか。


「とにかく!あいつは体を動かす事に長けてる。それぐらいは神様だって分かってるはずだ。だとするならば――――」

「体術を徹底的に鍛えあげる、か。なるほどね。理にかなった答えだ」

「それにあいつには魔術は使えませんよ。勉学が何より苦手な奴ですから。とても使えるとは思えない」

「あはは。それはまあ、別に構わないよ。それじゃあ、僕は行くよ」


 そう言うと、手を振りながら颯爽と去っていった。なんか格好つけてるけど、向こうの方に料理長が見えるから逃げただけだよ、あの人。

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