Ex.魔王視点
「あれはばれてる、かな?」
「どうかされたのですか?魔王様」
ここは魔王領の俺の城、夜帝国にあるグラザナリア城だ。
俺はここで魔王としての任を与えられたグラズ・バルアだ。そんで今話しかけてきたのは、幹部で俺の秘書の『十天星』レグナリウス・ドルナスだ。
「いや、さっきまで昨日感じた強力な波動の場所を調べたら、なんとあのセイバーと勇者の闘いがやってたんだよ」
「なんと!あの聖騎士の<剣>ですか?」
「そっ。でも、問題はそこじゃない。なんと今回の勇者は魔物を使役できるらしい」
「それは問題ですか?」
「問題だよ。使役してたのが『黒竜ヴリトラ』ともなればね」
「ヴリトラ殿を……ですか!?」
「そう、あの竜神の一体に数えられるヴリトラ殿だ。八大竜王すらも従える存在だ。それを従えるともなれば……半端じゃないな」
これは楽しくなりそうだ。こんな時に政務なんかしてられるか!俺は急いで部屋を飛び出た。
「ちょっと、魔王様!?」
「悪いな、レグ!俺はちょっと勇者殿に会いに行ってくるわ!」
「ええ!?」
そのまま走っていると、ちょうど俺が妹のように可愛がっているシャルナが現れた。
「あれ?お兄様、どこか行かれるのですか?」
「ああ、ちょっと人間界まで。お前も付いてくるか?」
「え?いいんですか!?」
「構わねえよ!ついてきな!」
「はい!」
俺達はそのまま走って、中庭に着いた。もちろん途中で旅行に必要な金は集めてきたが。
「来い!優鉢羅、摩那斯!」
俺の前に八大竜王の二体が表れた。そしてそれら一体ずつに乗り込んだ。そして用件を口にした。
「頼む、俺達を人間界まで運んでくれ!」
「いいだろう。ここ最近我らも暇だったしな」
「その代わり我らも同行しても構わんな?」
「おう、俺はOKだ。旅は多い方が楽しいからな!」
そして俺達の人間界行きの旅は始まった。さて、会えるといいな?勇者殿?
はい、実にフットワークの軽い魔王でした。この二体は実在します。某ラノベから引っ張ってきました。




