第12話:模擬戦(2)
それからはさらに苛烈さが増したと言っても過言じゃないだろう。俺の売りはあくまで魔術であって剣技じゃないのだから。
大量に剣を生成し、飛ばす。これだけでどんどん地面が針山のようになっている。それにプラスして俺の剣技まで襲ってくるんだから、相手としてはたまった物じゃないだろう。
「いやあ、流石ですね。こんだけやってまだ倒れないとかどんだけですか」
「はあ、はあ。……あなたこそよくそれだけやって、魔力が持ちますね」
「俺の魔力総量は異常だって神様に言われるぐらいですから。
さてそろそろ終わりにさせてもらいますよ」
「私はまだ行けます!」
「俺が終わらせるだけですよ。さあ、全ての剣よ。今我が下に還り来たれ」
俺が飛ばしまくった剣、総数六百三十五本の剣が俺の周りに集まり俺を囲んだ。
「王と共にありし剣が砕けた時、汝はその姿を現す。顕現せよ。『聖皇剣!』
俺の周りに浮かんでいた剣達が一斉に砕け散った。そしてその身に内包していた波動を俺が持っている一本に集約させた。
総ての波動を取り込んだとき、聖魔剣は新たな領域に進化した。そう、あらゆる聖剣の王、聖皇剣へと。
はっきり言えば荘厳の一言に尽きる。どんな聖剣もこのような波動を放つ事は出来ないだろう。
「聖皇剣……だと?」
「真なる聖剣<エクスカリバー>には劣りますが、それでもほとんどの聖剣を凌駕した力ですよ」
「確かにな。その波動はとてつもない。だが!我が剣<ガラチン>も劣りはしない!」
「これだと俺が反則みたいな物だから、貴方にはこのハンデを差し上げます。
汝は剣の華。さあ、今この場所に大輪を咲かせよ!<剣世界>!」
これが俺が唯一使える固有結界。<剣世界>だ。久しぶりに使ったけど、これは結構力を消費するんだよな。
その能力は簡単だ。この場に何百何千という剣を出現させる事。しかも自分が考えた通りの形状、そして概念を纏わせる。でも、この剣の前には無意味だ。
「剣だらけだな。取っても構わないか?」
「どうぞどうぞ。これらには全て使用者が望む形状を取り、概念を纏わせる事が出来ます」
「それは便利な事だな。だが、私には概念などいらない。この力だけで勝つ!」
それから十分後、結果的にいえば俺が勝った。なんせ俺が作った固有結界の剣は聖皇剣の前には一撃で砕け散るからだ。
俺達は試合終了後、固い握手をして別れた。観客達には温かい拍手をもらった。両者をねぎらう様な拍手を。そして俺は部屋に戻り、また正装に着替えさせられる羽目になった。眠いんだがな。




