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黒の勇者と白の英雄  作者: あかつきいろ
バトルトーナメント編
106/158

第100話:VS先代『勇者』

 俺達は空中に飛び上がり、剣をぶつけあう。下手なアクション映画でもこんな事は出来ないだろうというスケールだ。


「アハハハハッ!こんなに楽しいのは何時ぶりかな!?」

「くっ!強過ぎだろ!?いくら先代とはいっても……こんなに差があるなんて」


 ぶっちゃけ相手が強過ぎだ。剣技も卓越している上に、この圧倒的な魔術。どれだけ修行を積めば、こんなに強くなるんだ!?


 俺はそんな事を考えながら、剣戟を放ち続ける。だが、観客席に張ってあるバリアに激突した。後ろのバリアにひびが入った。


「クロッ!」

「!」


 後ろを見ると、アリシアが心配そうな顔をしていた。他の皆も大体そんな感じだ。


「心配すんな。お前の男はこんなとこでへばるような奴じゃねえよ!」

「クロ!負けたら許さないからな!」

「上等だ!」


「まだそんなに気力があるんだ?」


「楽しみでしょう?」

「確かにね。さあ、次は何を見せてくれるの?」


「おいで。俺の愛しい精霊・マクスウェルよ」


 俺が手を振り上げると、指輪からマクスウェルが出てきた。


『やれやれ。今日はよく呼ばれる日だな?』

「すまんな。だが、今回は戦闘に参加してもらうぞ」

『分かった。相手はあの娘か?』

「ああ。先代の勇者様だそうだ。十分戦えるよな?」


『誰に訊いていると思っているのだ?当然だろう』


「上等!それじゃあ、力を貸してもらうぞ!『聖痕』最大駆動!」


 俺の上半身から七色の光が奔る。そして俺はそれが完全に温まった所で、俺は史上初の試みをした。


憑依装着(ユニゾン)。来い、マクスウェル!」


 『聖痕』が奔る俺の身体の中に、マクスウェルが入ってくる。そしてとんでもない力が流れ込んでくる。俺の身体でも受け止めきれるか分からない力が。


「ウオオォォォォォッ!」

「ば、馬鹿な……!?そんな事をすれば、体が持つ訳が無い!」

『無謀な試みもいい所だろう。すでに体に「龍神」の力を取りこんでいるというのに、さらに『始祖精霊』の力を取りこむ等……死ぬ気なのか?』


「無謀上等!俺の事を見ている大切な家族の為にも!そして何より俺の為に!こんな圧倒的な勝敗を受け入れてたまるかよぉぉぉぉっ!」


 俺の身体からとんでもない波動が流れた。そして俺の身体を包んだ七色の光は、さらにその光をより強めた。そしてその光が消えた頃には――――

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