第二十部
少々短いですがよろしくお願いします。
フィルセシルは幸の薄そうな表情でもう一度ため息をつくと、淡々と話を進めるベレイクの顔を見る。
黄土色のふんわりした髪に、スっとのびた鼻筋。
まだ20代前半で、王の側近になるにはまだまだ若い気もするが、頭は確かなこの男。
「レディナルス、リアドリルとの戦争がいつ開始されるかわからない今、陛下の私生活も強化的に警備させて頂きます」
「え、僕毎日見張られて過ごすの?」
「はい」
「肯定するんだ…………」
ガックリとうな垂れるフィルセシル。
それを気に留める様子も無く、ベレイクは続けた。
「早めに手を打たないと、危ないかもしれません」
「なに? どんな凄腕が敵にいるわけ?」
軽い気持ちで問う王に、ベレイクは苦笑した。
「両国とも、ほぼ均一の力です。
それにより、どうにか早急に片付けられる手をうたない限り、かなり長引くかもしれません」
それに、フィルセシルは考え込むようなしぐさをする。
それから、彼は大きな窓から見えるシンガータ国の景色を眺めた。
活気のある城下町。
幼い頃方慣れ親しんできた、我が国。
言わば、この国は家だ。
そして、この国の民は自分の家族。
一人一人が愛おしい、大切な家族なのだ。
だが、そこが現在の状況では戦場になる可能性があるという。
この場が戦場になるかもしれないと思うと………。
そこまで考えて、フィルセシルは思考を止めた。今はそれよりも、この場が戦場にならない方法を探さなければならない。
視線を書類の山に落とし、そのシンガータ国文字に目を通す。
そこには、こう記されていた。
『レイフォント大国
十貴族、八番目の次期当主がレイフォント大国に反乱を起こす模様。
理由等は不明。
詳しい詳細も未だつかめず』
その記された文字列を見て、フィルセシルは微笑する。
気だるそうに、しかし意味深に。
「なぁんか面白そうなことがレイフォントで起こってるなぁ」
「はぁ」
ベレイクが相槌をうつ。
ベレイクは不思議そうにフィルセシルを見つめると、数秒の間を空けてから、言葉をつなげた。
「まさか、この貴族の息子を使おうとか思ってませんよね?」
その疑問に、フィルセシルは答えない。
ただ、天を仰ぐように上を見つめると、呟くのだった。
「こんな汚い不条理なんて、さっさと滅びればいいのになぁ」
もう一部ほど、フィルセシル側の話を書きます。
誤字、脱字、感想などありましたら、よろしくお願いします。