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第十八部





 フェラル・リルチルドを主とする戦力。


それは弓矢……つまり、中、長距離型の攻撃戦力ができたと思っていいだろう。


フレイアは徐々に出来上がってくる戦力と、増える同胞に口角を上げた。


おそらくライトリークの剣術に敵う敵など、そう簡単にはでてこない。

よって、少人数に対する勢力としては十分に備わっている。


だが、まだ世界に変革を及ぼすには果てしなく遠い。





 ライトリークはこれからたくさんの命と罪を背負い、生きていくことになる。


フレイアはもとよりそのつもりでライトリークを誘ったのだし、ライトリークも馬鹿ではあるものの、そのようなこともわからない鈍感ではないだろう。



「さて、何十人という仲間も増えたことだし、そろそろ次に行ってみるか」



フェラル・リルチルドとの交渉を終了した今、ここに長らく残る必要はない。



「何十人?」



当然の問を返してくれるのが、このライトリークばかだ。

彼は不思議そうにフレイアを見て、なんのことだ? と疑問を呼びかける。



「ああ、言い忘れていたな。この村の住民は、皆我々の仲間になったのだよ」


「へぇー……って、はぁああああああ!? いつだよ!? いつ仲間にしたんだよ!?」


「たったさっきだ。お前がフェラル達と話をしている間に、村人達にも話をしておいた。

さすがにしぶっていたが、最後は私たちの仲間として立ち上がってくれると言った。

この村の住民は何か、国に対する怒りがあるようだな。

国というよりも、薄汚い権力者への不満か」



後半、独り言のように呟くと、すぐに顔を上げ、フレイアは言う。



「さすがに何十人もつれて歩くことなど出来ない。

ここの村人達には今後もこの村に国住民として生活してもらう。

東で何かあったときはこの村を頼ることになるだろう。すぐに女子供を逃がせる準備と、体を鍛えることを忘れないように伝えておいた」


フレイアはそれだけ告げると、メリアのほうへと寄り、何かを耳打ちする。


ライトリークはただそれを見て、やはりフレイアは頭がいいなと思い直す。

自分なんかよりも頭の回転が速く、状況をしっかりと飲み込み、それを自分の有利な方向へと運べる力がある。

それがあったから、彼はフレイアと手を組むことに最終的な決断を下したのだろう。


こんな無謀な行いでも、もしかしたら、世界を変えることができるかもしれない。



このとき、確かにライトリークはそう思った。













   ▼▼▼












「さて、と」



フレイアが呟くように言うと、ライトリークとフェラル、カリナは彼女の方を見た。


数分前にメリアは、フレイアの指示で村人の集まるほうへと足を運んでしまったため、今は不在だ。

フレイアがどんな指示をだしたのか。

それはこの場にいる者、誰一人として想像をつけることができなかった。


だが、フレイアにはフレイアの考えがあると、ライトリークは得に気に留める様もなく、フレイアに問うた。



「これからどうするんだ? フェラル達が仲間になったことで戦力も増えたけど、さすがに王都に喧嘩売れるような人数じゃないし……。

もっと仲間を集めないといけないんじゃないのか?」



ライトリークにしてはまともな意見だな、と、フレイアは嘲笑気味に笑う。

それにライトリークは叫んだ。



「俺でもそれぐらいは理解できる!」


「簡単な計算もできないような馬鹿がよく思いついたなと褒めたのだが?」


「すごくけなされている気分だ!」



まぁそう怒るな、と、フレイアは微笑しながらライトリークを宥めた。

ライトリークは不服そうに口をつぐむ。



「まぁ、ライトリークが言ったとおり、私たちは戦争を仕掛けるのはおろか、国内で反乱を起こすのも難しい状況にある。そこで……」



この場にいる全員がフレイアの言葉に耳を傾け、真剣に聞き入る。

ライトリークがゴクリと、生唾を飲み込んだ。



「そろそろ、国程度の勢力が欲しいなぁ、と思っている」



「………………っ国!?」



いち早く言葉を理解したフェラルが、虚を疲れたように声をあげた。

それも当然だろう。


国程度といえば、少なくとも今の何百倍の人間が必要になる。

その言葉をフレイアは、なにくわぬ表情で言ってのけた。


まるで、近未来に国程度の勢力が手に入ることをわかっているかのように。








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