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第5章 第1話:屋上での対峙
ジン・ライチは高層ビルの屋上で、向かいに立つデュオを見据えた。雨に濡れたコートが風に揺れ、夜の都市の光が二人の影を長く引き伸ばす。
「……やっと会えたな」
デュオは無表情のまま銃を構え、その視線は鋭く冷たい。互いの呼吸が聞こえるほど近く、緊張感が静かに張り詰める。
ジンは背中の銃を握りしめ、瞬時に状況を分析する。屋上の狭いスペース、足元の濡れた床、雨に反射する光――すべてが次の行動に影響する要素だ。
過去の情報と戦術を頭の中で整理し、敵の動きを予測する。心臓は早鐘のように打つが、冷静さは失わない。
「ここで負けるわけにはいかない……」
一瞬の油断が命取りになることを知るジンは、視線をデュオに固定した。
都市の夜景が背景となり、二人の運命的な対峙が今、静かに幕を開ける。雨音と風の音が張り詰めた空気をさらに際立たせる中、次の瞬間の動きにすべてを賭ける覚悟を決めた。




