超越するものの家庭環境
これは遥か昔のギリシャの神々オリュンポスの神が栄華を極めていた時代である・・・
その昔プロメテウスは奪われていた火を人間たちに返したのだがゼウスに罰を受ける。しかしプロメテウスは予言を残した・・・最高神の座を危うくする運命の秘密を知っていると・・・
「何が最高神の座を危うくする運命だと・・・そんなものあるはずない。お、そこにいるのはテティスだ。子孫を広げることは必要だ・・・」
そうしてゼウスはまた子供を作ってしまった。それが自分を脅かす運命の子になるとも知らずに・・・
俺の名前はメタ、意味は超えるとか超越するという意味らしいけど名前は母さんがつけてくれたんだ。
実は俺の父さんはゼウスで母さんも女神という結構血筋のある子どもなんだよね。でも父さんは当然だけど日々の政治とかあって母さんのところにはめったに来ない・・・まぁ俺もオリュンポス山に来ないから当たり前だけど・・・
「相変わらず釣りを楽しんでるのね。メタ。」
「はい、地上を走り回るよりかはこうして海でのんびりと糸を垂らしてる方が良いです。」
こういったらなんだけど釣りの腕に関しては他の神より頭一つ抜けてると思う。
というか他の神様はあんまり釣りしないから比較できないんだよな・・・
ちなみに祖父のネレウスを除けば我が家に出入りするのはヘパイストスくらいだ。
「テティス様、メタ様。今日も椅子を作ってまいりました。」
今日もウチの家具を作って来てくれた。まぁヘラ様に捨てられたところを母さんが育てたし慕われるのは当然か・・・
「いつもありがとう。たまにはヘラさまにも作って差し上げたら?」
「あんな人いいですよ。私はテティス様に育てられたようなものですしメタ様だって実の兄弟の様に可愛いですから。」
けど母親のことこじらせてるのは勘弁してほしい・・・
「あー・・・実は俺も机を作ってみたんだけどどうかな?」
俺は作って見せた机を二人にみせる。
「まぁ、ヘパイストスの椅子と組み合わせたらさらに美しくなったわ!」
「ここまで上手いとは・・・まさに名前の通り教えたらそれを超越する能力ですね。」
そ、そんなにですか・・・?
「そうだわ、机はヘラ様に献上しましょう。きっと喜んで山に出入りを許してくれるわ。」
「・・・そうですね。」
母さん、ヘパイストス様の地雷を天然で踏むのやめて・・・
そうして俺は机を献上してお目通りしたんだけど・・・
「この机は貴方が作ったのね・・・まさに超越した一品。いいわ、あの人の浮気した子でもここまでの腕前、山への出入りを大神の妃として許します。」
あっさりと許可がおりてしまった・・・政治に興味ないのに・・・
「まさに私の子だな。これからもオリュンポス神族のために頑張るように!」
父さん・・・そもそも浮気しないでくれよ・・・
見てよこの無感情な場の雰囲気を・・・