7 雇用条件②
「次に、時給の計算ですが…」
シラネが次の説明に入ったので、宝来尊は慌てて顔を上げる。
「勿論、こちらにご滞在中は、全て計算させて頂きます」
「え⁉︎ 寝てる間も?」
「はい」
「ちなみに、1日何時間?」
「24時間です。可能な限り、時間の概念の近しい時空から選出させて頂きました」
(おいおい、ちょっと待てよ…)
宝来尊は「むむっ」と唸り声をあげた。
時給が千円だから、1日24千円。60日間なら…いくらだ? えーと…144万円⁉︎ 更に6ヶ月なら…よ、432万円⁉︎
お、落ち着け、俺…だからと言って、こんなステータスで……いや待てよ。スキル、スキルがあるじゃないか!
宝来尊は食い入るようにウインドウに顔を寄せると、「絶対防御」の項目をクリックする。
絶対防御:
自身を害する、あらゆる攻撃を遮断する
「おおっ」
思わず声が漏れた。ちょっとコレ、凄いんじゃなかろうか。言葉どおりと受け取るなら、絶対負けないと言う事だ。
(…逆に言えば、絶対勝てないと言う事か)
「いやいや違う」
宝来尊は画面を戻すと、2個目3個目のスキルへとカーソルを合わせていく。
「ハハハ、今から本気を見せてやる」:
ステータスが、四天王能力合計値の10倍に上昇する。効果時間15分間
「残念だが瞬殺だ」:
ステータスが、四天王能力合計値の100倍に上昇する。効果時間3分間
第六感:
生命の危機を事前に察知する
「なるほど…な」
宝来尊は「ふー」と息を吐くと、玉座の背もたれに身体を預けた。
かなり、リスキーな能力だ。
スキルの併用不可と言う事は、攻撃に転じて勝ち切れなかった時が、魔王唯一の弱点と言う事だ。しかもそれが5分間。
だがしかし、宝来尊の心は既に決まっていた。
現世の融通がきくと言うなら、やってやろうじゃないか! 待ってろよ、400万円!




