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17 魔王の資格②

「ミコトさまに対する無礼な物言い、今すぐ口を慎みなさい!」


 シラネが激昂したように、テーブルをバンと両手で叩く。


「薄味の嬢チャンは黙ってな。弱いヤツには従わない、これはこの世界の当然のルールだ」


「鬼族風情が、何を言うか」


「まあまあシラネ、落ち着いて」


 正に一触即発のその瞬間、宝来尊ほうらいみことは後ろからシラネの両肩を掴むと、クルリと自分の方に振り返らせた。


「ミ、ミコトさま…?」


 唐突に毒気を抜かれたシラネは、ポカンとした顔で宝来尊を見上げる。


「ちなみに試すって、どーやって?」


「漢なら、当然タイマンだ」


 赤鬼はポキリと爪楊枝を半分に折ると、ヒョイと席から立ち上がった。


 〜〜〜


「ミコトさまへの無礼な振る舞い、本当に腹が立って仕方ありません」


 地下の演習場に向かう途中、シラネはひたすらに赤鬼への悪態を吐き続けた。どうやら相当にご立腹のようだ。


「まあまあ、先先代の魔王は随分と規格外だったみたいだからさ、見劣りするのは仕方がないよ」


 宝来尊は振り返って、後ろを歩くシラネに、若干の苦笑いを見せた。


「それに彼より俺の方が弱かったら、俺が魔王をやる意味も確かに無いしな」


「あの様な者にミコトさまが負ける事など、万に一つもございません!」


 何処からその自信がくるのかは分からないが、シラネの瞳には一点の曇りもない。


(こんなを向けられたら、負けちゃいましたじゃ済まされないな)


 宝来尊は右頬をポリポリと掻く。


 それから演習場への扉を開けると、先行していた赤鬼が両腕を組んで仁王立ち姿で待っていた。

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