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15 もうひとりの配下②

「小僧、お前らは何者だ?」


 赤鬼がスポーツタオルで頬の汗を拭きながら、ギロリと鋭い視線を宝来尊ほうらいみことに突き刺す。


 するとシラネが、キリッと凛々しい視線で宝来尊の前に立ち塞がった。


「こちらは新生魔王のミコトさまです。失礼な態度は控えてください」


「コイツが魔王だ⁉︎ 冗談を言うな。我が主人あるじはもっと強大で尊大なお方だ」


「…恐らくアナタの仰る魔王さまは、三百年前にご崩御されています」


「な…に⁉︎」


 それからシラネが、かくかくしかじか、これまでの経緯を説明していく。


「馬鹿な…儂は三億年も、部屋に閉じこもっておったのか?」


「気付いてなかったのか?」


 そのとき宝来尊が、呆れた様子で問いかけた。


「そう言えば、えらく腹が減ってるな」


 言いながら赤鬼は、自分のお腹をさすり回す。


「……でしょうね」


 宝来尊は苦笑いを浮かべると、シラネの方に向き直った。


「悪いけどシラネ、食事の用意を頼めるか?」


「ミコトさまのご命令とあらば従いますが、其れについては条件があります」


「…え、何?」


 シラネの強く真剣な瞳に見つめられ、宝来尊は思わずゴクリと息を飲んだ。


「わたくしが食事の準備をしている間に、その方には必ず、お風呂に入るよう申し付けてください!」


「あ、あー分かった。必ず入って貰う」


宝来尊は何度も頷き、シラネの視線の呪縛から解放される刻を待つ。


「…それでは一時間後に、三階大食堂にいらしてください」


 漸くシラネは視線を外すと、踵を返して転送魔法陣へと去っていった。

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