本登録
これ、前世の記憶ネタも移さないといけないかも・・・
「ありがとうございました。いってきます」
宿屋をでたボクは、冒険者ギルドへ向かい、待ちに待った登録を!
「おはようございます!アイシャさん。登録に来ました!」
朝の挨拶は大事ですよね?でも、そうは思ってない人が多かったようです。
「なんだぁ?ガキが何の用だ?」
「今登録とか言ってなかったか?」
「おいおい、お前も冗談が言える年になったのか?こんなガキが登録だってぇ?」
「冗談はやめてくれよ。こんなガキが冒険者になれるなんて、舐められちまうぞ?」
「ハイハイ、おこちゃまはかえってママのおっぱいでもしゃぶってな」
「オイ!俺のアイシャちゃんに話しかけてんじゃねぇぞ!」
「誰がお前のだ!俺のアイシャちゃんだぞ!」
「なにぉ~?」
「坊主、冒険者にならずおじさんといいことしないか?」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「はーい、アイシャは別件で忙しいから、登録なら私が受け付けるにゃ」
にゃ?
「私は受付のメイリーンだにゃ。よろしくにゃ・・・えーっと」
「ボクはショウといいます。よろしくお願いします」
猫耳さんだ・・・きれいってよりかわいい?
「はい、ショウ様ですね。それで登録のお話ですが、内容説明は聞かれますか?」
「先日来た時にアイシャさんから大体の事は聞いてます。簡単な試験があるって」
「そうにゃ。ショウ様には今から奥の訓練場で模擬戦をしてもらうにゃ。
別に勝つ必要はないにゃ。
どれだけ動けるかの判断材料として、そこからランクを決めるのにゃ。
試験官はその時々によって変わるかけど、それも運にゃ。
冒険者に運は大事にゃ」
「はい。大丈夫です」
「そのあとでこちらに戻ってから、ランクの説明とギルド証の発行をして終わりにゃ。ぁそうそう、ギルド証の発行には銀貨が一枚必要となりますが、よろしいですかにゃ?」
「はい、聞いてますし、大丈夫です」
「ではこちらの記入をよろしくお願いします。代筆しますか?」
「結構です。・・・・・・記入終わりました」
「はい。ではあちらのドアからお入りください。担当の者は中で準備しておりますので」
「ありがとうございました」
さて、やらかさないようにだけ注意しなきゃ・・・
「すみませーん、登録試験お願いします」
「おう、坊主が今日の・・・得意な武器はなんだ?」
「この腰に下げてるのがメインとなりますが、木剣がいいですか?」
「いや、その腰ので大丈夫だ。それに馴染んでない武器では試験の意味がないからな。そりゃ、今まで武器を持ったことがないって話なら、ここに用意してある武器から選んでもらうけどな」
「なるほど。刃引きはされてませんが、大丈夫ですか?」
「そんな心配はいらないよ。俺に当てるつもりなのか?俺はBランクだぞ?」
「それは失礼しました。では、その胸お借りします」
腰の剣を抜き、飛び込んだ!
◇◆◇
身体強化などせず、純粋な身体能力で接近し、大上段から振り下ろす。
当然軽々と避けられる。その際相手の後ろに倒れこむように転がると、笑われた。
が、それは作戦で、そこから起き上がりながら身体強化発動!そして余裕をもって背後から相手の首筋に刃先を当てると
「まいった」
「ありがとうございました」
「なぁ?実はエルフですっごい年上で、戦闘経験もかなり積んでるとかじゃないのか?」
「いえ?ボクは今日登録に来たヒト族で、十二歳ですよ?まぁ、戦闘経験はそれこそ三歳のころから半ば強制的に積まされてますけど」
「三歳からか・・・」
実際は三歳~五歳までは基礎体力向上がメインで、記憶が混入してからは前世の知識内の動きに身体がついていけるよう、スキル等で追いついていった感じだけど。
「基本的に山奥で数日前まで鍛えてましたが、対人戦は今のが初めてですね」
「!初対人戦だと!?」
「もちろん、対魔物戦と対動物戦は経験済みです」
「こりゃ文句なしだな。魔物はどこまで戦ってるんだ?」
「一応先日討伐した魔物は解体も含めてギルドのハッサンさんにお願いしてあるのが全部ですが」
ゴブリンシリーズがいっぱいね
「数日前・・・って(; ・`д・´)まさかゴブリンシリーズか!?」
「そうそれです。さすがにゴブリンは数が多かったので、討伐部位の剥ぎ取りはしませんでしたが」
四〇〇以上いたと思うからね・・・
「・・・わかった。俺の試験は以上だ。結果は受付に伝えておくから、戻っていいぞ」
「ありがとうございました!」
☆試験官の戸惑い☆
なんだったんだありゃ・・・対峙したときは背伸びして登録に来た坊主にしか思えなかったが、結果から考えると、あれも全部演技だったってことだよな?
なんせBランクの俺がアッサリだったからな・・・しかも?先日の依頼でゴブリンの集落の調査で見つけたアソコを壊滅したってことだしな。
たまたま調査に行けるような冒険者が不在だったため、ランク的には無理だったがゴブリンの繁殖力は驚異的で、万が一の危険性から俺が受けたが、結局は大部隊を率いなければいけないような集落・・・町だな?に大きくなっていた。急いでギルドに報告した時にはすでに討伐されて、解体部屋に積んであったからな・・・俺はちょっとした道化だったよ・・・
それがまさかさっきの坊主の仕業だったんだからなぁ・・・俺、もっと修練積まないとな!
☆受付メイリーン☆
え?試験もう終わったんですかにゃ?あ~やっぱあの少年じゃ早すぎたんですかにゃ?採取依頼とかもむz・・え?今なんて?負けた?瞬殺された?どういうことですかにゃ?貴方限りなくAランクに近いBランクですよにゃ?ゴブリンの町を発見して無事戻ってき・・・
ランク査定はギルマスに投げた?わかりましたにゃ。あの少年・・・ショウ君が戻ったら諸々の手続きの後で一緒にギルマスに会いに行きますにゃ。
「お帰りなさいませ、ショウ君。ランクに関してはちょっと後回しになるけど、試験自体は合格との報告がありました」
ランク以外?
「まずランクやギルドに関して説明をしますにゃ・・・(説明中)・・・
以上です。何か質問はありますかにゃ?」
「大丈夫です。もしわからないことがあったらまた聞きに来ます」
ギルドのランクとか規約は概ねどこも似たり寄ったりだったから、大丈夫
「それとショウ君は登録前に魔物の討伐を行ってて、ギルドに持ち込まれてますにゃ?それらはさすがに依頼達成扱いには出来かねますのをご了承くださいにゃ」
「大丈夫です」
「その際に当時の担当者が素材の引取り金額を登録前のマイナス査定でなく、登録後の正規の査定額で支払うような話をしてるのも覚えてらっしゃいますかにゃ?」
「はい、アイシャさんからそう伺ってます」
「はい、情報の確認ができましたので、先に買い取り金をお渡ししますにゃ・・・えっと・・・」
さて、幾らになるかな~
「買取価格は・・・三万二千五百四十八イェン・・・え?」
えー?あれだけの大物を狩っても3万円?
この世界の通貨はこんな感じで「イェン」という
鉄貨 10イェン
銅貨 100イェン
銀貨 1000イェン
金貨 10000イェン
大金貨 100000イェン
白貨 1000000イェン
虹貨 10000000イェン
そしてめったに見えることができないのが王貨で100000000イェン
壱億円ですよ!
そう考えていると周りの冒険者が
「あんなガキが買取報酬で三万だとよ」
「ズルか?」
「ズルに決まってるじゃねぇか」
「ならそんなずるいことした金は俺たちが有効に使ってやらねぇとな」
「そうだそうだ!」
「不正は見逃しちゃいけないよな」
なんてことを言ってるんだけど・・・聞こえちゃったよ?
「メイリーンさん?」
「この額本当なの・・・」
「メイクイーンさん!」
「誰がジャガイモかぁぁぁ!って、あら?私としたことが・・・」
語尾の『にゃ』も消えてる上に、なんでその品種知ってるの?あるの?
「申し訳ありません。先ほどの買取金額は間違いでしたにゃ」
「え?」
「本当の金額は、・・三万二千五百四十八枚でしたにゃ」
え?今なんて言ったの?最初の方が聞こえなかったんだけど・・・
「メイリーンさん?最初の方がよく聞こえなかったのと、枚って何ですか?イェンじゃないんですか?」
するとメイリーンさんはプルプルしながらこう叫んだ(叫んじゃダメでしょ!)
「買取金額は、金貨三万二千五百四十八枚にゃーーーー!」
「シーン」
「「~「「ハァァァァァァァァ!!!???」」~」」
◇◆◇
「どういうことだよ!」
「知らねぇよ!」
「俺たち勝ち組じゃね?」
「そうだよ!今言った金が俺たちのモノになるんだぜ?」
「今日はなんていい日なんだ」
「碌な依頼がなかったけど、神様は見てるもんなんだな」
「よし、どこで声かけるか?」
ゲスいなぁ・・・いや、クズか
「金貨三万二千五百四十八枚って、三億二千五百四十八万イェンってことですか?」
「ハイですにゃ・・・先ほどは叫んだりしてごめんなさいですにゃ」
「そうですね。ギルド内のスキル云々の守秘義務違反に抵触するんじゃないですか?減俸?最悪クビですか?」
個人の保有スキルがバレるだけでも、冒険者にとっては命取りだ。ましてや今の金額暴露なんて・・・処断されてもおかしくないレベルだ(金額が金額だけに)
「しょ・・・しょんにゃー」
「はいはい、少し言いすぎましたが、後でギルマスのところに行ったときに一緒に減刑してもらえるよう頼んであげますから」
なんだろう、最初会ったときは元気な成猫だったのに、今は道端の段ボールにはいった仔猫のようだ
「それと、さっきの聞きたいことができたんですけど、冒険者同士の喧嘩はどんな感じになってますか?」
「ぐすん(´;ω;`)・・・ギルドホール内での喧嘩は喧嘩両成敗にゃ。街中では知ったこっちゃにゃいけど、周辺被害が出た時は、衛兵のお世話になるにゃ。ましてや城壁外はもはや管轄外にゃ」
なら、周辺被害が出ないように街中で・・・いや、登録証もって門番のところに行かなきゃいけないからその時ついでに城壁外で・・・
「とりあえずランクが決まらないとギルド証つくれにゃいから、一度ギルマスに会いに行くにゃ」
にゃ?の位置が微妙にずれてたようにゃ・・・
「はい、ご案内よろしくお願いしますにゃ」
「ショウ君・・・?」
「今ので少しは落ち着きましたか?無理そうなら・・・
精神安静魔法
どうですか?」
「こんな魔法聞いたことないにゃ・・・でも、ありがとうにゃ」
/////惚れてまうやろぉぉぉ/////
コンコン「ショウ君をお連れしました」
「入れ。メイリーン、君も一緒にな」
ぁ、メイリーンさん涙目にゃ・・・
「「失礼します(にゃ)」」
部屋の中央奥の窓際には、大きな机が置いてあり、右手壁面の机の上には書類が山のように積んであって、一生懸命サインをしてる男性がいた。
左手壁面は簡易キッチンになってるようで、やかんが音を立てていた。
中央の机の女性が
「ようこそ、私がサブマスターです」
へ?
「サブマスターさんですか?」
あれ?ボクギルマスに呼ばれたんだよね?なんでサブマスが・・・そもそもそんな席になんでサブマスが座ってるの?ギルマスはどこ?会ったことないけど
「あなたがショウ君ね。
登録試験も見せてもらいました。とても優秀ですね」
え?見られてたの?
「その顔は見られてたことの驚きかしら?この席からなら、中庭の様子が丸見えなのよ」
どうやら背後の窓から見ていたようだ。気配を感じなかったから、油断してたな
「大丈夫よ、口外するつもりはないし、何より守秘義務というものが発生しますからね?メイリーンちゃーん?」
情報はえぇなぁ・・・隣のメイリーンさんがプルプルしだしたよ
「それで、ボクはギルマスさんに呼ばれたはずなんですけど、なぜサブマスさんが対応してるのでしょうか?・・・帰ってもいいですか?」
ちょっとだけ殺気と威圧を漏らしたら、右手の机の上の書類の山の一部がザザーっと崩れた
「今のは全力かしら?」
「いえ、全開のうちの無意識程度ですが、本気がどれくらいか試してみてもいいですか?」
隣のメイリーンさん震えが治まったな・・・って、立ったまま気絶してるよ!サブマスに断りを入れて、メイリーンさんをそっと部屋の隅に横たえて
「そろそろいいですか?」
「そうね、悪ふざけが過ぎたわ。メイリーンにもね」
サブマスは席から立ち上がるとこちらに向かってきて
「私がこの王都冒険者ギルドのサブマスです。この度はゴブリン集落討伐ありがとうございました」
サブマスなのは本当なんかーい!
「ギルマスは昨日のお酒が抜けきってないので、溜まりに溜まった書類整理をしております」
サブマスが見た方向を見ると、先ほどの崩れた書類を掻き集めてる男性と目が合った
「・・・・」
「・・・・」
「ギルマス?いったん書類整理は止めて休憩しましょう。お茶の用意しますから、席に戻ってください。お二人・・・メイリーンもそろそろ起きて座りなさい?」
「バレてましたかにゃ・・・」
「はい、まだ起きないようでしたらショウ君にまたお姫様抱っこで運んでもらおうと思ってました」
/////(=・ω・=)にゃ~/////
「それでは改めて、ワシが王都冒険者ギルドのギルマスじゃ」
出会いオチが強すぎて、微塵も威厳が感じられません
「今日登録に来たショウといいます」
「おう、手っ取り早く話をまとめると、ショウのランクはCとする。
これは試験官の報告から、対人戦が今日初だったためだ。
理由は、Bランクに上がるためには盗賊の討伐依頼という決まりがあってな?これは要するに人を討伐できるか?ってことだ。動物と魔物。魔物と人。やはり心構え等も変わるからの」
たしかに、魔物は倒せるけど、人は倒せない。じゃ、その先のステージには進めないってことだよね。
「はい、ありがとうございます」
「次はメイリーン・・・」
「は、はいにゃ!」
◇◆◇
「メイリーン。なぜ叫んだ?」
「反省してますにゃ!orz!見たこともない金額だったので、叫んでしまったにゃ!ショウく・・・様には大変失礼なことをしてしまい、申し訳ありませんにゃ!orz!」
メイリーンはソファから立ち上がるとまずギルマスに土下座をし、次いでボクの方に向き直ると再度土下座をしたのだった
「メイリーンさん。謝罪は受け取りましたので、顔を上げて、ソファに戻ってください」
「でも」
「ソファに戻らないのであれば先ほどの謝罪は受け取らないこととします」
「ニャッ!」
ギルマスの方を見ると、小さく頷いていたので、メイリーンはソファに戻って,安堵の表情を浮かべていた
「だが、守秘義務違反の罰則は受けてもらうぞ?」
「勿論ですにゃ!」
「まず今月の給料の三割を徴収する。その中の半分をショウに渡すこととする。残りはギルドに収めることとする」
「はいにゃ!」
「それとショウ!先ほど受付でメイリーンが叫んだ買取金額には誤りがある」
ですよねー。あんな金額おかしいでしょ
「あの金額は、討伐依頼達成報酬であって、解体した素材の買取価格が含まれておらん。素材の買取価格はざっとニ倍になる。つまり此度の報酬は六億五千九十六万イェンとなる。ギルド証に貯金することができるから、この後メイリーンに手続きをしてもらうように」
へ?ろくおく・・・?
「以上!ワシは業務に戻る。後はサブマスと茶を飲んでからメイリーンも業務に戻るように」
◇◆◇
「はーいお茶ですよ。お話は終わったようね?」
サブマスがお茶を入れて来てくれたんだが、これがまた味がうっすい!白湯か!
「どうしたの?ショウ君、お口に合わないかしら?」
そうじゃないんです、合わないけど・・・
「サブマスさん、お湯いただいてもいいですか?」
「?どうぞ?」
「失礼します」
やかんのところに行き、お湯の残量を確認すると、無限収納から新しいカップと紅茶のティーバックを取り出し、準備を始めると、サブマスが目を見開きながら背後から覗き込んできた
「ショウ君?それは何なのかしら?」
「当然サブマス達はボクが収納庫を持ってることをご存知ですよね?その中にあるお茶セットをだしただけですよ」
再度お湯を沸騰させ、各カップにティーバックを入れてお湯を注ぐと、とてもいい香りが部屋の中を席巻した
「お茶請けは・・・クッキーでいっかな」
大皿に数種類のクッキーを盛り付けてテーブルの上に配置し、十分に抽出されたのを確認すると、ティーバックを取り除き、サブマスとギルマスとメイリーンと自分の分も用意したら
「ギルマスもご一緒しませんか?」
仲間外れは良くないよね?
「さ、どうぞ飲んでみてください」
ということでそろそろタイトルの回収を始めますね