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ヴァロンド・グランツェル  作者: えるあ
帰還
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げぼげぼ

あれが対策都市……確かに3年前の知識とは全く違う姿を見せている。西東京と言えば確かに東よりも栄えては居ないイメージであったがそれがどうだ?ヘリから見る景色は一部であるもののかなり栄えていると言っていい。


ヘリはどんどん中心部へと向かって行く。


「少年、ついたぞ。あそこが目的地だ」


「学校?」


「そうあそこが我々のそしてこれからお前も所属する桜ヶ丘学院だ」


あれが桜ヶ丘学院か。これから俺が通う学校。でも俺ってば中学も1年しか行ってないし卒業してないんじゃね?


そんな疑問を残しつつ、ヘリは学校のグランドへと着陸した。


先に降りた小里先生の後に続きヘリから降りる。


「そうそう。星乃の小娘、貴様はそこの少年を部屋に連れて行った後に私の部屋にこい」


彼女はそういう時くるりと周り再び歩み出した。


そう言われた張本人である愛華は顔色が悪くなりどこか死んだ魚の目をしていた。

深く聞くのはやめておこうと決めて愛華の後に続く。


「これから私の家に案内するわ」


「え?いいのか?両親とかいるんじゃ無いのか?」


「大丈夫よ。私は寮に住んでいるからというかこの都市に住む学生は殆どが親元を離れているのよ」


「なんか余計にダメな気がして来たぞ」


つまりは寮とは言え彼女は一人暮らし、そんなところに住んでいいのだろうか?

グルグル頭の中を駆け回るほど考えていると彼女の方から理由を教えてくれた。


「あんたがこの都市に滞在する条件としてあの人が出した条件が24時間私が監視することだったのよ。あの人この街の議会の議員だから住民の一人や二人簡単に増やしたり、減らしたり出来るのよね」


あのちっこいのこの街のお偉いさんなのか。なんで教師なんてやってんだ?


「まぁ理由は一応分かったよ。大変なんだな」


「そう思うなら騒ぎ起こさないでよね」


「おぅ、まかせろ」


そんな会話をしつつ寮へ向かう愛華の後に続く。


「少しコンビニに寄るわよ。部屋を開けていたからご飯がないのよ」


「了解、お供します」


昔からあるエイテンのコンビニに到着する。客はいないようで定員はあくびを一つしている。


「いらっしゃいませ~」


ちゃんと接待はする気があるらしい。


2000時

都会に置いての裏路地らしき場所になぜコンビニがあるのだろうか?もっと大通りにあるほうが客入りもいいだろうに。


「あんたも好きなもの入れなさいよ」


「いいのか?」


「いいわよ。まぁお金は気にしなくていいから、コンビニなんてたかが知れてるし」


「ん。じゃ遠慮なく」


弁当ランチからは松坂牛飯に明太子のおにぎり、飲み物にオレンジジュースと桃水、味噌汁も飲みたいしインスタントの味噌汁あさりのやつかな。それにデザートも食べたいからモンブランのケーキっと。


じーー


後ろから視線が刺さる。


「えーと何か?」


「はぁーなんでもないわよ」


流石に買いすぎたかな?


愛華は自分の分をカゴの中に入れレジに行くように即して来る。


「150円が一点、100円が一点、1000円が一点。お弁当は温めますか? 「お願いします」 200円が一点……」


会計を済ませている間俺は後ろで待っていた。


「ありがとうございました~」


「お待たせ。さぁいきましょうか」


「ほら」


店を出て俺は手を出す。


「なんなのかしら?」


「持つってことだよ。」


「いいわよ別にこのくらい重くないから」


彼女は本気で言ってそうだけれどここで引き下がるわけがない。


「遠慮するなって。こう言うのは男に任せておけばいいんだよ」


「そう」


彼女は買い物袋を前に差し出してそれを俺は受け取る。


「おもっ」


俺は小声でつい漏らしながら愛華の後を再びついて行った。


「着いたわ。ここが桜ヶ丘の寮よ」


そこは10階建ほどのちょっとした高級マンションのようなというかそうなのだろう建物だ。オートロック式で防犯カメラもかなりある。エントランスを抜けエレベーターに乗り、10階のボタンを押した。最上階に部屋があるらしい。


「1001か」


部屋の番号の確認を済ませる。


「さぁ入りましょう。こんなところ誰かに見られでもしたら大変よ」


彼女の言葉に従い中に入る。


「お邪魔しまーす」


玄関から既に甘い匂いが漂っている。まさに女性の部屋って匂いだ。


ぼーと突っ立っている俺に愛華が声を掛けてくる。


「何してるの?早く気なさいよ」


催促されて禁足地の奥へと足を踏み入れる。


玄関ですらヤバかったのに部屋はさっき以上にやばい、何がやばいかなんて言えないけど、やばいもんはやばいんだな。


「何突っ立ってるのよ。早くご飯にしてしまいましょう。この後私は先生のところに行かなくちゃならないんだから」


早速テーブルにさっき買ってきた弁当たちが並ぶ。


目の前に置かれた松坂牛飯はタレの匂いが食欲を唆られる。


久しぶりの日本の食事に俺はコンビニながら馬鹿にできないと米を噛み締めていた。


まだ俺が食っていると愛華は食べ終わっていた。


「私先生のところに行ってくるわ。貴方はゆっくりしてなさい」


そう言ってやはり何処か苦手顔をしながら部屋を出て行った。

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