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ヴァロンド・グランツェル  作者: えるあ
帰還
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4

がばりし

他にも色々とあるだろうがその日はそれだけにして眠ることにした。生憎とベットは一つしかないため、愛華にベットは譲り俺はソファーで寝ることにした。

その際愛華は何か言おうとしていたが俺は強引に押し込み、おやすみというとおやすみと返して大人しく眠りについた。


夜が明け、日が昇る。


おはようと声をかけ朝食にしいただきますと同時に言う。日本にいた頃は当たり前で気にしてなかった動作もこの3年間相手がいなかった身としてはとても新鮮でどこが心に空いた穴が満たされていくようだ。


朝食を食べ終わってから今後の方針について話し合うことになった。


「それであんたは日本への帰り方わかるの?」


「ん?分からんよ?わかってたらとっくに帰ってるに決まってるじゃん。」


「そうよね・・・」


沈黙が重たい。帰れないかもというか事実が彼女には苦しいのだろう。


「・・ねぇ。」


愛華の方が先に口を開く。


「コンパスってある?」


「コンパスか?確かあったと思うよ。」


「本当?それなら帰れるわ!」


その事実に愛華は先ほどと変わって元気に声を上げる。


ぱーっと開かせる笑顔はまさに一輪の花のようであった。


「それでコンパスで方位でも調べるってわけ?」


「そうよ。昔日本を中心にした場合、ハワイはちょうど東の真ん中にあるとみたことがあるわ。なら話は簡単でしょ?」


なるほど確かに簡単なことだ。


「西の真ん中に行けばいい」


「そう、その通りよ。」


その知識さえ有れば俺はもっと早くに日本に帰ることが出来ていたのだろうか?まぁ彼女に会うこともなかったのだろうけど。


愛華と共に部屋にあったリュックサックに必要と思われる物を詰め込んでいく。

懐中電灯に、いざって時に取っておいた缶詰、ミネラルウォーター、コンパスに着替え。それらをまとめあげだ。


サバァーン


少し遠くから大きな波打つ音が聞こえて来る。

それはお客さんが来た合図でもあった。


「ねぇ今のってまさか。」


愛華も気付いたのだろう。お互いに荷物を持って外に出る。


その怪物ビュランはすぐそばまで来ていた。


「愛華。「あ?」愛華さんちょっと離れてて貰ってもいい?あいつここでやっとかないと行けないと思うし。」


俺は愛華を遠ざけるためにいう。

愛華は自分が邪魔になるかもしれないと分かったのだろう。素直にその場を離れていった。


そうしている間にも四足歩行の魚のようなビュランはこちらに近づいて来ている。


「ヴァロンド!」


俺は高らかに能力を発動した。


ヴァロンドノーマルモード。

最初の巨人を喰らった時に芽生えた最初の力。巨人のようでありメカのようである見た目はかの人造人間のようである。


ぎゃルゥルゥ!


ビュランが雄叫びを上げたかと思うと口から勢いよく水を吐き出して来る。

おそらくこのビュランの能力は水を操る能力なのだろう。


「がぁーあ!」


こちらも雄叫びを上げ回避、そのままビュランに接近する。


バビュン、バビュンバビュンとビュランはこちらに狙いを定めて次々と水の塊を打つがそれを身体機能を駆使して全て避けていく。


そしてついにビュランを射程圏内に捉えることが出来た。


0距離からの最後の抵抗とばかりに水を放つ。


一瞬の攻防、ゆあも避けるも微かに当たり、左腕にダメージを負うもそのままの勢いで右手を振り下ろしビュランを叩きつけた。


一発、二発、三発とその殴り続ける様はまさに鬼の形相であった。


完全に沈黙したことを確認してゆあはヴァロンドを解除する。


そして愛華が寄って来るその間にビュランの肉の一部を切り落とす作業を始めた。


「あんた何してんの?」


愛華はかわいそうな物を見るような目で問いかける。


「何って、食料確保?ほら無くなったら嫌でしょ?それにビュランの肉は腐らないしね。」


そうビュランの肉は腐らないのだ。毒素がなくうまいしかも腐らない、どう考えてもビュランの肉は食用として最適だと思うのだけれどそれは俺だけなのだろうか?


「まぁいいわ。それよりも家壊れたみたいよ?」


「え?」


家の方を見るとそこには無残にも破壊されたハワイ唯一の建物の跡地があった。

おそらくビュランの流れ弾が当たったこの建物はもうどうしようもないほどにボロボロになっていた。


ちょうどいいのだろう。日本に帰ると決めたばかりであるからきっと後押しとばかりに家も見送ってくれているのだろうな。


「今までありがとな。」


俺は家に別れを告げて日本へと歩み始めた。


「ヴァロンド」


巨人になり手の中に愛華を乗せる。

海を凍らせて西へ西へと進み始めた。

感想お待ちしています。ダメ出し、アドバイスも待ってますよ。


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