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転生の糸使い [820万PV突破・400万字、900話以上の大ボリューム!]  作者: 青浦鋭二
第1部 教会の孤児編 (襲撃・修行・エルフの里・黒骸王・巡回の旅・王都攻防戦)
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第0.5話 ある冒険者の追憶と現在

こちらも第0話と同じくネタバレを含むので読まずに一話へ進んでも差し障りありませんが、スロースターターな拙作へ早めに興味を持っていただきたく、また人間関係や主人公のキャラクターなどを含めた内容の紹介として、こちらに追加いたしました。


エピソード的には本編の28話と29話の間の28.5話とも言うべき内容を、498話頃の主人公が思い出して語るお話です。


雰囲気としてはこれを書いた時点のほぼ最新の状態ですので、作品全体の空気はこんな感じだと思っていただき、これがお気に召したなら楽しんでいただけるかと思います( ´∀`)

 その日は朝から天気が良かったが、前日の疲れが抜けない僕はパンにスープという簡単な朝食を、他の皆より少し遅れて食べていた。

 教会に併設された孤児院の朝は早い。毎日の訓練があるお陰で僕はここでの仕事のほとんどを免除されているが、成人したシスターや神父以外にも見習いや小さい子供たちまでもが、既に食事の後片付けを終えて各々の仕事に取りかかり始める頃だ。


「おはよう、ジグ。今日はいつもより起きるのが遅かったわね? 姿が見えないって、さっき神父様が捜してたわよ」


 まだ眠気を感じつつ固めのパンを咀嚼(そしゃく)していると、シスター服に身を包んだアマリアが綺麗な赤髪を揺らしながらやって来て、僕の頭から所々飛び出ていた寝癖を直しながら言う。


「おはよう、アマリア。朝からどうしたんだろう? これを食べ終わったら、モルド神父の所に行ってみるよ」


「ふふっ、そうね。それがいいわ」


 微笑むアマリアは何か知っているのか、僕に伝えるべき事を伝えると整えたばかりの僕の頭をポンポンと軽く叩いて、足どり軽く去っていく。


 師匠による剣の訓練は午前、神父による体術の訓練は午後からのはずだけど、朝から一体どうしたのだろう……。

 そんな事を考えながら僕は急いで食事を済ませると、神父のいる執務室へ向かった。


「そういえば、あれからもう半年近く経つのかぁ……」


 この世界に転生して12年が経ったある日、突然起きたあの事件の後。僕は元軍人のモルド神父と現役の騎士であるラジク師匠による、戦闘のための訓練を受けている。

 それぞれが剣術と体術のスペシャリストで、僕はそんな二人に毎日しごかれているのだが、こうしてたまに朝から呼ばれるときは普段より大変な目に遭う事が多いと、この数か月で学習していた。


「アマリアから、神父が僕を捜していたと聞いたんですけど」


 執務室のドアをノックして中に入ると、長身で筋骨隆々な体つきをしたモルド神父は、全く神父になど見えないその体に対して少し狭そうな机と椅子に座り、何やら書類に目を通していた。


「うむ……今日の訓練内容に変更があるので、それを伝えようと思ってな」


 やっぱり。午後を担当している神父からの話となると、午前中の剣術訓練が無くなったという事だろうか。それとも……。


「今日はラジク殿について行き、王都の北の鉱山に出たモンスターの狩りを手伝うように。

 戻るのは恐らく夕暮れ時になるだろうから、午後の体術訓練は無しだ……どうした?」


「いえ、てっきり師匠の方が無くなったのかと思ってたので」


「本来ならラジク殿からお前に伝えるべき話だが、今日は準備があるから少し来るのが遅れると、昨夜の時点で言われていてな。

 お前はその時には既に眠っていたので、こうして俺が代わりに伝えただけだ」


「あはは、昨日は疲れ果ててましたからね……。まぁ、そういうことなら分かりました。それで師匠は?」


「そろそろ来る頃だろうから、お前もそれまでに準備をしておけ。それと出発前にアマリアから、二人の分の弁当を受け取るように」


 どうやら先ほどのアマリアが笑顔を浮かべていたのは、これが理由らしい。モルド神父に頼み事をされて、朝からご機嫌だったのだろう。


 そうして僕は師匠から贈られた剣と神父から貰った防具を身に着け、アマリアからお昼に食べるサンドイッチを受け取ると、タイミングよくやって来た師匠と教会の前で合流した。


「おはようございます……って、随分と楽しそうですね?」


「ふっふっふ、わかるか。久々の討伐任務だからな! お前も楽しみだろう?」


 僕の師匠である中級騎士ラジクは騎士鎧を身に着け、薄らとヒゲの生えた顎をさすりながら、それはもう嬉しそうに言うと僕にも同意を求める。

 戦うのが好きなこの人は、こうして隙あらば剣を振るう機会を求めてはいるが、別に血に飢えているわけではない。


 単に自分を鍛えたり強くなるのが趣味で、モルド神父にもその傾向があり、そんな二人に鍛えられている僕も当然同じだと思っているだけだ。

 うん、まぁ血に飢えてはいないけど、よく考え……なくてもやっぱり変な人だ。


「それで、今日は具体的に何をするんですか?」


「モルド殿から多少は聞いていると思うが、今日は鉱山に出没したスライムを狩るぞ。なぁに、それほど強いモンスターではないから安心しろ。訓練相手としてもうってつけというやつだ」


「あ~、まぁ確かにスライムなら前に、イスフォレの森でも倒しましたね」


 本格的な訓練を始めて半年。これまでに野生動物や何種類かのモンスターと戦ってきた僕には、既にスライムとの戦闘経験もある。

 まぁ、僕の安全については神父も師匠も充分に気を付けてくれているので、そこまで心配する必要も無いか……無いよね?


 そうして僕たちは現場がどういう状況だとか、現地についたらどうするとか、村々へ結界を張りに行ってたシスターたちが帰ってきたとか、アマリアのお弁当はいつも美味しいなどなど……。

 色々と話しながら教会のある丘を下り、王都を抜け、川を渡って坂道を上り、目的地である王都近くの鉱山へとやって来た。


 すると幾つも掘られた穴のうちの一つ、ひときわ大きな坑道にスライムは湧いているとのことで、他の坑道で鉱夫たちが作業するなか僕たちはスライムのいる穴へと入っていく。


「スライムの倒し方は分かっているな?」


「はい。ジェル状の体に普通の攻撃は効かないので、体内にある核を直接狙って破壊するか、スライムそのものを丸ごと魔法で吹き飛ばします」


「うむ。覚えていたのは偉いが、場所によってはそれも変わってくる。

 この前みたいな森ならどちらを採用しても構わんが、こんな狭いところで魔法を使うと周りの天井や壁が崩れかねん。だから今回は核への直接攻撃のみにしぼって、魔法による遠距離からの攻撃は禁止だ。

 あっ、魔法剣なら構わんぞ。ただし、派手に振り回して支柱を切断しないようにな」


「なるほど……確かに僕も生き埋めは嫌ですね。わかりました」


 基本的には自由にやらせてくれる師匠だけど、こういう時は事前にしっかりと危険なことを教えてくれる。

 教会の警備任務中に子供たちと遊んだり、シスターの手伝いをしてる姿がよく見られるので忘れがちだが、こういう時にはやはり騎士なんだなぁと実感する。


「坑道内にはあらかじめ灯りを設置してあるが、もしスライムによってそれが消されるような場合には、視力強化で敵の姿を確認するように。

 それと俺が危ないと判断したら下がるように指示を出すから、頭に血が昇ってもそれだけはちゃんと聞けよ?」


「わ、わかってますよ。この前はフォレストモンキーにフンをぶつけられてカッとしちゃいましたけど、今回は気を付けます」


 先日の失敗を引き合いに出された僕は、その直後に酷い目に遭ったのを思い出して頷くと、剣を抜いて先へと進む。

 師匠はそんな僕の後ろからついてきては、まだ未熟な僕を見守りつつ背後を固めてくれている。


「では、思う存分やるといい」


「はいっ!」


 坑道を進んだ僕たちはその途中で少し広い空間に出た。すると周りの地面や壁、頭上の天井部分にもスライムがいて、こちらに気づいた個体から青かった体を警戒色の赤に変えていった。

 そんな光景を見た僕は手始めに近くのスライムへ剣を突き立てると、ジェル状の体に形を与えていた核を砕かれたスライムは、その場にバシャリという水音を立てて崩れた。


「はあぁっっ!」


 一気に戦闘態勢に入ったスライムたちも、負けじとこちらに向けて酸性の液体を飛ばしてくる。

 それに対して剣に魔力を注ぎ、風を纏わせた僕は液体を薙ぎ払うと、両足に魔力を集めて強く地面を蹴って高く跳び、着地しては再び斬りかかっては頭上にいるスライムを先に片づけていった。


「おっと……もう少し周りに注意しないと、一対多の戦いではすぐに隙を突かれるぞ」


「はぁ、はぁ、す、すみませんっ!」


 背後から酸をかけられそうになったところに師匠が割って入り、用意していた盾で防いでくれた。

 慣れない空間と数だけは多いスライムを相手に、少し疲労が出ていた僕はそこで一呼吸おくと、スライムの中に全く攻撃してこない個体がいるのに気が付いた。


「師匠、もしかしてスライムにもボスの概念があったりします……?」


「ふむ……俺はその辺に詳しくは無いのだが、群れを形成して共に争わずにいるなら有り得なくもないな」


「よし……それなら!」


 僕が尋ねると師匠は自信なさげに答えるが、可能性があるらしいとの話とスライムの行動を照らし合わせた僕は、手の平に魔力を集めるとすかさず行動に出る。


「うわっ、ちょっと待て、さっきの話を聞いてたか!?」


「威力は抑えてますから大丈夫ですよ!

『ウインド・カッター!』」


 突然魔法を放とうとし始めた弟子を見て慌てた師匠だったが、すぐにこちらの意図に気付いた。

 そして放たれた風の刃が奥にいる少し大きめのスライムにせまった直後、周りのスライムたちがその盾になるように風の刃に身を晒した。


「ほらほら師匠、やっぱりあれは群れのボスなんですよ! しかも周りのスライムたちはそれを守ろうとするから、ボスに攻撃すればこっちから動かなくても楽に狩れ……んんっ!?」


「おいジグ、これはマズいぞ」


 僕は調子に乗って風の刃を放ち続け、かなり一方的にスライムの数を減らしていると、やがて核を破壊されて散らばったスライムの亡骸というか、体液というか。

 とにかく坑道に飛び散ったそれらがボスのところに集まって、どんどん巨大化していった。しかもその体からは、先ほどまで無かった触手のようなものまで生えている。


「お、大きくなってもスライムは柔らかいのに変わりないはず……はあぁぁっ!『ウインド・カッター!』」


 ビタンビタンと触手を打ち鳴らして近づいてくる巨大スライムに対して、僕は渾身の魔力を注いだ剣を振り下ろし、風の刃を放つ。

 するとスライムはその触手を幾重にも重ねて風の刃の威力を減らし、防ぎきると同時に反撃とばかりに勢い良く酸を飛ばしてきた。


「うわっ!?」


「……ふむ、今日はここまでだな」


 僕は盾魔法を展開するべく魔力を高めるも、先ほどまで小さなスライムが飛ばしてきたものより数段早いそれには間に合わず、あっという間に迫る酸に全身を溶かされそうになったところで、師匠が前に出た。

 そして目にも止まらぬ速さで酸を薙ぎ払うと、気が付いたときには既に背後に回り込んだ師匠の剣によって、巨大スライムは真っ二つになっていた。


「さてと……では一旦外に出て、アマリア殿の弁当でも食べるか」


「は、はい……」


 朝も早かったし山道を歩いて腹減ったよなぁ……なんて言いながら、坑道から出た師匠は弁当の包みを開ける。

 そしてスライム討伐に失敗して凹んでた僕も一緒になって食べ始めると、やがて師匠は話し始めた。


「まぁ、その……ジグよ、お前はよくやっている。

 だから一度失敗したくらいでそんなに気にするな。焦る必要は無いし、同じ年頃の子ならそもそもここには来られない。

 今より強くなりたい気持ちは俺も同じだが、人間はある日から突然強くなったりは……あー、まぁ一部を除いては不可能だ。

 俺やモルド殿にも……それこそあのルナメキラにだって、弱かった頃というのは有るんだからな」


 低くて深い、落ち着く声。

 そのうえ渋さも持ち合わせたイケメンの騎士が、不器用ながらもわざわざ身分が全く違う僕を気遣ってくれているのがわかって、申し訳ないのと同時に嬉しくもなる。


「師匠が僕くらいの頃は、どんな感じだったんですか?」


「俺か? 俺はその頃だと……まぁ今のお前と変わらんな。騎士見習いを目指して日々修行だ。

 だが一つ違ったのは、俺はモテた。同じ騎士志望の女子から週に一度は恋文を貰ったものだぞ。ふっふっふ、羨ましいか?」


「ダウト。前半はともかく、後半は嘘ですね」


「何故バレたのだ!?」


 途中まで真面目に答えていたのに、急にイタズラを思いついた子供のような表情に変わったのを見て、僕は鋭く指摘する。

 すると驚いた師匠はサンドイッチを落としそうなって、慌ててそれを口に放り込んだ。


「まぁ、結局は地道に積み重ねるしか無いのだ。いくら他の者より魔力量が多かろうと、どれだけ志が高かろうと、な!」


「はいっ」


「よし、ではまだ生き残りがいないか探しに行くぞっ」


「はいっ!」


 サンドイッチを飲み込み、更に水で流し込んだ師匠は気合いを入れ直して立ち上がると、僕もそれに続いて再び坑道の中へと入っていったのだった。



 ◇◇◇◇◇◇


「……って感じで、修行を始めた頃にはこんな事もあったよ。それでその後、僕も師匠もスライムの酸で服を溶かされて、師匠は鎧がダメになって凹んでた。

 僕は……まぁズボンのお尻の所が溶けて、アマリアやヒルダに叱られたよ」


「ラジクさんは昔から変わらずなんですね~」


「ジグがここぞという時に少し迂闊なのも、昔からなのですね……」


「あのあのっ、他にも色んな話を聞きたいですっ」


 二年以上も前の思い出話に花が咲く冬の夜、海を渡る船の上。

 あの頃には予想もしていなかった異国への旅の途中、賭け事に負けた僕は罰ゲームとして、仲間たちに自分の恥ずかしい過去を話していた。

 ……気が付けばこの場にいない師匠も道連れだったけど。


「えぇぇ? だって罰ゲームは一回に一つのエピソードって言ったじゃん……」


「え~、でもジグさんの恥ずかしい話は聞いていて面白いですよ~?」


「そういう事でしたら、私としてはルミアの両親絡みの話もなかなか好みで……」


「ちょっ、イリトゥエルさん!? そ、それは反則ですよ~! そっちがその気なら私の方にも、ジグさんのさり気ない一言で腰砕けになったイリトゥエルさんの、あんな姿やこんな姿が記憶に……」


「ななな何を言っているのですかっ!? わた、私がいつそんな事にっ」


「良いのですか? ここで言っちゃっても良いのですか~?」


「あのあのっ、この際なのでジグ兄さんの話だけでなく、エル姉さんやミア姉さんの話も纏めて……」


「なんて欲張りな……そ、そう言うココロコさんにはその手の話が無いのですか~?」


「ええとええと……たぶん無いですっ」


「ココロコって案外えげつないですよね……」


「え、でもココロコちゃん、このまえおにくをいっぺんにたべすぎて、いきができなくなって、しにそうになってたよ。ご主人にもひみつっていってた」


「あぁっ! それは秘密と言ってニンジンをあげたのにぃっ」


「くふふ、まさに秘密って何、美味しいの?って感じでしたね~」


 三人と一頭の仲間たちが甲板の上できゃあきゃあと(はしゃ)ぐ姿を見て、僕は二度目の船旅の無事を願う。

 我が家に残る大切な家族と、そこを今も守ってくれている師匠のことを思い浮かべながら。


「いやぁ、ホント。事故に遭って死んでから、まさかこんな風になるなんて。あの頃の僕が知ったらどう思うんだろう」


 今でもたまに思う。

 現在のこの生活は、ただ長い夢を見てるだけんじゃないかって。

 でも苦しいことも楽しいことも、悲しいことや幸せなことだって、たくさんこの世界では経験してきたし、それが現実だってわかってる。


 全てはあそこから始まった。

 どこまでも広がる真っ青な大空と、白い床が眩しい一つの空間。

 そして、そこで待っていた風変わりな女神との出会いによって。

少し長めでしたが、どうだったでしょうか?

テコ入れとも少し違いますが、第0話と同じく本編の試し読みとして書いた閑話みたいなお話でした。


本当であれば序盤そのものにメスを入れるべきとは思うのですが、最新話の更新をしないと息が詰まるというか頭がそれで一杯になってしまうので、こうして新しく追加しております。


前書きにも書きましたがスロースターターなもので、物語が本格的に動き出すまでに3~4割くらいの方が離脱してしまうので、これで少しでも歯止めがかかればなと思ったり……。


こんな作者ですが作品を途中で放り投げる事だけはしないと思いますので、我が子たち共々僅かな時間を頂戴してお付き合いいただき、そのまま作品世界をお気に召していただければ幸いです。(2022年7月30日 青浦)

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