表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/130

いざ異世界へ5

 私達の話を真面目に聞く三姉妹と白狐のハクちゃん、それからこの家の持ち主である三人家族

 三人家族は母親がエルフ、父親が人間、娘がハーフエルフらしいわ

 この世界では異種族同士での結婚は当然のように行われていて、寿命が違うっていう問題もこの世界にはない

 なにせこの世界には魔力が一切ないわけだから、もともと長命な種族もそれに合わせて体が変化したってわけ。だからエルフも人間も寿命が変わらないのよね

 まあ医学は発展したみたいで、百年生きる人も結構いるみたいだけどね

「なるほど、それではあの子はやはりかつてこの世界にいたという魔族最後の生き残りなのですね」

「それは私達も申していましたが?」

「あ、そうだね。ごめん、正直半信半疑だったんだよ」

 ゼアちゃんが少しむくれている。どうやらこの眠っている子が魔族って言う話はとっくにしてあったみたいで、この家の家主である人間のおじさんトレインさんは、その話を完全に信じてたわけじゃなかったらしい

 でもまあ魔族がおとぎ話となってるこの世界じゃ仕方ないのかも

 私達という異世界から来た魔族がいたおかげでようやく信じれたってとこじゃないのかな?

 それにこっちには本物の神様もいるしね

「ところであんたたち、この世界の神はどこにいるのよ? そいつがこの子を産んだんでしょう?」

「それは、私達にも分かりかねます」

「僕らはただセラビシア様を守るため生まれた存在だからねぇ」

「分からないんです~」

 なるほど、三姉妹はまったく知らないのね。でもこの子達だってその女神から生まれてるのよね? 何か手掛かりってないのかしら

 何故女神の話になったのかと言うと、一応魔王セラビシアちゃんに宝珠は埋め込まれたんだけど、どうやらその女神様が目覚めるためのカギを握っているらしいのよね

 つまり女神に起動してもらわないとセラビシアちゃんは目覚めないってことかな?

「はぁ、仕方ないわね。お姉ちゃん、マキナお姉ちゃんに連絡しよ」

「そうね。マキナ姉さんなら恐らくその女神のことを知っているはずだから」

「あの、マキナ様と言うのは?」

「えっとですね、マキナ姉さんは機械と電子の女神、あなたの力にある機械の力を司る者です。彼女は情報に長けているので…。待ってください。ルニア、もしかしたらマキナ姉さんに伝えなくても見つけれるんじゃ」

「あそっか! そういえばそうだね。ねえアルタイル、あなたやってみなさい」

「え、僕ですか?」

「そうよ。言ったじゃない。あなたの力は多次元的なもので全てを本を読むかのように認識できる。つまりはこの世界の女神も簡単に見つけれるはずよ」

 アルタイルの力ってそこまで万能なんだ…。なんだかすごく先に行かれたような気がするわ

「やってみます。少し待ってもらえますか?」

 アルタイルは目をつむって力を使い始めた。その場にいるだけで込められている力の量が分かるわ

 今までの私達じゃ考えられないほどの力の流れ。私もアルタイルと同じ位置に並び立てるのかしら?

「何? 不安そうね。アルタイルに先に行かれて悔しいんでしょ?」

「な、いえ、そんなことは」

「隠さなくてもいいのよ。見てれば分かるもの。私も同じだったから」

 ルニア様はかつて起こった戦いの中姉のサニア様との力の差が埋まらないことに落ち込んでいた

 別にサニア様が憎いとか悔しいとかじゃなくて、お姉さんである彼女の役に立てない自分が不甲斐なかったからなのね

 でもルニア様はサニア様を守るため必死になって力を高めてきた。大事な人をもう失いたくないから

 そっか、私といっしょなんだ。私だって大切な人達をもう二度と失いたくない

 そうね、簡単なことだったわ。強くないなら強くなればいい

 私もアルタイルに追いつけるよう努力すればいいのよ

「そうよそれでいい。あなたは悩むにはまだ若すぎる。まっすぐ進みなさいな。でも気を張りすぎずにね」

「はい、ありがとうございます」

 初めてであった時は冷酷そうな女神様だと思ってたけど、ルニア様は本当はすごく面倒見がいい

 だから私は安心してこの女神様に教えを乞おうと思ったわ

「よし捕らえたよ!」

 びっくりした。急にアルタイルったら大声をあげるんだもの

「なんだ、ずっとそこにいたのか。みつけたよ、この世界の女神」

 アルタイルは手をセラビシアちゃんの胸元にかざすと、そこから空間に手を入れて女性を引きずり出した

「キャッ!」

 可愛らしい声をあげて出てきたのはポワンとした垂目の女性とセラビシアちゃんによく似た女性

「ああよかった、ようやくここから出ることができました。あの、上位の女神様ですよね? ありがとうございました!」

 その女神様の名前はクレフィア様と言って、この世界を見守る女神だったらしいんだけど、あの兵器が発動した際自分の産んだあの三姉妹のさらに上にいる姉、ディスと言う子に守られるように魔王の中に封じられたみたい

 そしてもう一人出てきた女性はなんとセラビシアちゃんのお姉さんらしい

 この世界で死を迎えた彼女はクレフィア様の元に魂だけ戻ったんだけど、やはり一緒にセラビシアちゃんの中に封じられてたんだって

 何はともあれこれでセラビシアちゃんも目を覚ますはずね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ