休息
燦燦と照り付ける太陽がまぶしい
そして子供達の水着も眩しい!
皆はしゃぎまわって海にすぐ入ろうとしたので慌てて止めた
「待って! ちゃんと準備運動をしなきゃ溺れちゃうわ」
「じゅんびうんどう?ってなーにお姉ちゃん」
「突然冷たい海に入って心臓がびっくりしないようにしたり、足がつったりしないようにするための運動よ。みんな私の真似をしてね」
「「はーい」」
いい返事
子供達は私がやる準備運動、ようはラジオ体操を一所懸命真似してしっかりと準備運動をした
これで万端と私は真っ先に海に飛び込んだ
「あ、お姉ちゃんずるい!」
その後に続いてみんな一斉に海に走って飛び込んだ
あれ、レナが波打ち際で止まっちゃってる
「どうしたのレナ? 泳がないの?」
「し、死んだりしない?」
「私がいるから大丈夫よ。さぁおいで」
「うん!」
レナはまだ少し怖がりながらも足を海水に浸けてゆっくり体を入れていった
そのままふぃ~と肩まで浸かって気持ちよさそうに座り込んでいる
君は温泉にでも浸かってるのかな?
「レナ、泳ぎ方を教えるからこっちにおいで」
「お姉ちゃん、私も泳げないよ」
「わ、私も、です」
「ワタシはある程度およげますよ。こう見えて精霊ですからね」
どうやらセラルタ以外は泳ぎ方が全く分からないみたい
よし、今日は皆が泳げるようになるよう特訓ね
「それじゃぁセラルタ、泳ぎ方をアイとエヴァに教えてあげてくれる? レナは顔を水に浸けるのも怖いみたいだから私が見てあげようかと思うの」
「分かりました。ワタシに任せて下さいな」
アイとエヴァはセラルタにちょっとコツを教えてもらうとすぐに泳げるようになっていた
アイなんて蜘蛛型の手足をうまく使ってパシャパシャと泳いでる。というか速度、すごく速いわね
エヴァは普通に泳いでる
結構器用なのねこの子達
「お、お姉ちゃん、顔を浸けたらいいの?」
「うん、まずはそこから始めましょう。大丈夫、私がしっかり見てるから怖くないよ」
「分かった、頑張るね」
レナは目をギュッとつぶって恐る恐る顔を浸けた
「ぷはぁ!」
あ、すぐ上げちゃった
それで君すっごい顔こするね。なんて愛らしいんでしょう
「ふぇええ、目が痛いよぉ」
「大丈夫、大丈夫よレナ、海水って目に染みるものだから変なことにはなってないよ。ほらそんなにゴシゴシしちゃ駄目」
目を思いっきりこすりすぎて真っ赤になってるので私はかなり弱い水魔法、生活魔法と呼ばれるただ水を出すだけの魔法でレナの顔を洗ってあげた
「ほらもう痛くないでしょ?」
「うん、でももう顔浸けるの怖いよぉ」
「そっか、それじゃあ今度はこれを使ってみましょうか」
「これは?」
「顔を浸けなくても泳げる道具よ」
私が取り出したのは軽い木製のビート版
それで泳ぐお手本を見せてからレナにビート版を渡した
「どう? 顔を浸けなくても大丈夫でしょう?」
「うん! 私泳げてる! ありがとうお姉ちゃん!」
「そのうちビート版なしでも泳げるようになろうね」
「が、頑張る!」
子供達の飲み込みは早いもので、レナ以外はクロールで泳げるようになっていた
まぁ遊びだから別に絶対泳げるようにならなくちゃ駄目ってこともないんだけど、やっぱり泳げた方がいざというとき役に立つものね
沖に行かないよう言ってしばらく自由に泳がせた後、砂浜に上がって砂浜での楽しみ方を教えた
貝殻を拾ったり、砂山を作ったり、その砂山にトンネルを掘ったり、顔以外を埋めて砂風呂のようにしたり
みんな思い思いに楽しんでくれたみたい
私はというと少し疲れたので私達を見守ってくれてるお母様の横に来て座った
「楽しそうねあの子達。あなたの小さなころを思い出すわぁ」
「私もよくああやって遊んでましたものね」
「ええ、本当に可愛かったわ。あ、今でも私の可愛いレディよ」
「えへへ、照れますね」
「あら、あの子達戻って来たわね」
「どうしたのみんな? まだ遊んでていいのよ?」
「お姉ちゃん、これ」
「みんなで作ったの」
「れ、レナとアイが貝殻を集めて、わ、私がひもを通したの」
「ワタシがそれに精霊の加護を付与しておきました」
なんと、四人の合作、貝殻のネックレスを私とお母様にくれたのだ
なんて、なんて嬉しいんでしょう…
お母様なんて泣いてるし
「ありがとう皆、大事にするね」
私とお母様はさっそくそのネックレスを付けた
真ん中にはピンク色の綺麗な貝殻が太陽に照らされて光ってる
どんな宝石をもらうよりもこういうものの方が嬉しいじゃない
それからも泳いだり砂浜で遊んだりしてあっという間に日は暮れていった
子供達を呼んで今日は海岸のすぐ近くにある別荘へと引き上げた
子供達とも遊べたし、有意義な休日だったな
アルタイルの方は今頃何をしてるのかしら?




