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旅の始まり4

 オークは腕を伸ばして私を掴もうとしたのでその手を剣で切り落として魔法で頭を吹き飛ばした

 倒れ込むオークを避けてその後ろで斧を振りかぶっているオークを魔法で貫く

「アイシクラバレドナ!」

 氷で出来た弾をガトリングのように打ち出すことで私の前にいたオークを一掃する

 振り向いてアルタイルの方を見ると、女性を掴もうとしていたオークを粉みじんに切り刻んで続けざまに別のオークの首を切り落とした

 敵わないと見たオークはプギャーと悲鳴をあげながら逃げていく

 普段森に住んでいるオークが街道まで来るということはオークが森であぶれて餌が無いのかもしれない

 ここで逃がしてしまえばまた馬車や旅人が襲われるかもしれないとアルタイルと私は素早く回り込んで、残りのオークを殲滅した

「ふぅ、皆さん怪我はありませんか?」

「すまない、うちの娘が足をくじいてしまったようで」

「診せてください」

 私はその女の子の左足に手を添えて回復魔法をかける

 幸い折れてはいなかったみたいですぐに完治したわ

「あ、ありがとうお姉ちゃん。もういたくないよ」

「うん、ほら立てる?」

 女の子の手を引いて立たせると、オークによって壊された馬車を修復し始めた

 先ほどよりも頑丈にね

 これは前に死んだとき手にいれた“機械”の力を使って修復したの

 この力、ただ単に機械を作り出したり操ったりするだけじゃなくて、こういった修復にも使えるのよね

 より強固になった馬車にまた乗り込んで一路エレンドの町を目指した

 御者さんは軽快に馬を走らせて予定より早く町についたみたい

「アルタイル、ここからってまだ遠そう?」

「うーん、地図によるとここからさらに十二キロか。走ったらすぐ着くんじゃないか?」

「そうね。でも今日は一旦この街で休みましょう。もうすぐ日が暮れるわ」

「そうだね。宿は…。確かあそこの一軒だけみたいだ。旅人で埋まってなきゃいいけど」

「埋まってたら?」

「野宿かな」

「うう」

 宿には泊まりたいなぁ

 あとお風呂がついてれば最高なんだけど、そんな贅沢は言ってられないよね


 宿を取ると私達は晩御飯を食べるために食堂を探した

 食堂は意外と多くて、その中でもにぎわっている大衆食堂に行ってみることに

 入ると様々な料理のいい匂いがしてお腹がクゥーとなった

 思わぬことに顔を赤らめるとアルタイルは笑ってる

「恥ずかしいんだけど」

「いいもの聞けてよかったよ」

 くぅ、恥ずかしい

 アルタイルを軽く小突いて空いてる席に座った

 冒険者と思われるお兄さんと相席になったけど、お兄さんは微笑んで相席を了承してくれた

「やぁ、君たちも冒険者みたいだね。やっぱり祠まで行くのかい?」

「はい、そのつもりです」

「そっか、だったら明日の早朝に出るといいよ。多分込むからね」

「込む?」

「ああ、この依頼簡単な割に報酬がいいからね。ただの調査にこんな報酬が出るなんて少し訳ありだと思うけどね」

「ですよね。えっと」

「あ、ごめんね、自己紹介してなかったね。僕はダスティン、こう見えてもBランクの冒険者だよ」

「私はアスティラ、こっちはアルタイルです」

「よろしくね。どうだろう、明日の早朝一緒に行かないかい? 君たち新人だろう? 色々と教えるよ」

「それは助かります! ぜひお願いします!」

「じゃ、明日街の東口で待ってるよ」

「はい!」

 ダスティンさんは食べ終えた食器をカウンターまで運んで勘定を置いてから行ってしまった

 その直後に私達が頼んだ料理が運ばれてきた

 お肉と野菜がたっぷり入った定食ね

 味も最高ですぐ食べ終わっちゃった


 宿に戻るとすっかり暗くなってて、私達は寝ることにした

 でも問題が…。ベッドが一つしかない!

 どうしよう

「僕は床で寝るからアスティラはベッドで寝なよ」

「え、でも」

「いいから。毛布だけもらうね」

「だめよ。今の時期冷えるわ。ほらこっち」

 アルタイルが風邪を引いちゃいけないと思ってつい手を引っ張ってベッドに一緒に入ってしまった

「あ、アスティラ!?」

「いいの! ほらもっと近づいて」

 アルタイルを傍に寄らせて一緒に布団をかぶる

 心臓がどきどきして、眠れなくなっちゃいそう

 アルタイルの方からも心臓の音が聞こえてくる

 お互い緊張してるけど、まだ私達はフィアンセと言うだけだから、その先には絶対進まない

 そうこうしているうちにいつの間にか二人とも眠ってしまった


「おはようアスティラ」

 すでに顔を洗って歯を磨いたのか、すっきりした顔のアルタイルが私を起こした

「ん、んんん、おはようアルタイル」

 伸びをしながらアルタイルに挨拶をして、私はすぐ下に降りて備え付けの井戸で顔と歯を磨いた

 その後は宿で朝食のパンとスクランブルエッグ、それと果物のジュースをいただいて待ち合わせ場所に向かった

 東の出入り口にはすでにダスティンさんが立って待ってるみたいね

「すいませんお待たせしました」

「いや、僕もさっき来たばかりだからそんなに待ってないよ。じゃあ行こうか」

「はい!」

 ダスティンさんについて私達は猫森の祠を目指して歩き出した

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