生まれたけど何か変なんですが35
馬術の試合が終わったわね
点数は、勝った回数かける10点で、ファルマが10点、インセントが30点、ウェイナードが0点、コープラストが30点、ベイクルンバルも30点
それぞれの合計点が、ベイクルンバル80点、コープラスト60点、ファルマが40点、インセントも40点、ウェイナードが、その…。0点
結果はこんな感じだけど、ウェイドーナもかなり頑張ってたのがよくわかるわ
次は各代表が戦う格闘戦か
それぞれの代表が現れて、というか私もだけど、各代表一名ずつの計五名が会場入りする
ベイクルンバルからはもちろん私、コープラストはアルタイル、か
それからファルマがメイソンという大柄の男で、インセントも大柄なバクスターという男、そしてウェイドーナはラカという小柄な女の子だ
この世界では体格差ってあってないようなものだからね、小さな女の子に見えても大柄な男に勝つこともあるから、この子が大男と戦うのも別におかしくない訳であって
うん、多分だけどこの子はかなり強いと思う
雰囲気が、たたずまいが、達人っぽいもん
私以外の四人を見てみるけど、アルタイル緊張してる
第一試合は私とメイソン
近くまで来るとかなり大きいなこの人
でも負ける気はしない
「ふん、こんな少女が俺の相手か? 弱そうな、小さな小さな女の子が? 棄権した方がいいんじゃないか?」
「棄権はしません。正々堂々と戦いましょう」
握手しようと手を出したけど、彼は手を取ってくれなかった
「まぁいい、そのすんだ面をボコボコにして分からせてやるだけだ」
走ってくるメイソンの顎辺りに拳で一発
それで彼はばたりとだらしなく白目をむいて倒れた
「あれま、かなり手加減したんですけど、大きな男の子はおねんねの時間みたいですねぇ」
メイソンはそのまま運ばれていったので、今のあざけりを聞いていたかは分からない
さて次はバクスターとラカの戦い
これはさっきの私とメイソンよりも体格差があるわね
大人と子供というより象と蟻くらいの差かな
でも試合は一方的だった
ラカは速さで翻弄、速すぎてバクスターはまったく追えていないみたい
格闘技に関してはすごいはずのバクスターも当てられなければどうにもできない
バクスターはあっという間に急所を数か所拳で打たれ、動きを大きく阻害されて、最後にはみぞおちに重い一撃を撃ち込まれて倒れた
つ、つよーい
彼女は意気揚々と戻って行った
次の対戦はアルタイルと私
正直勝つ気満々の私だけど、アルタイルの緊張具合から見てかれは本気を出せないかもしれない
「あの、アルタイル?」
「あああああ、アスティラ、緊張、してるみたいだね。ぼぼ僕も、だよ」
「大丈夫? いつもみたいに戦えばいいんだよ?」
「わ、分かってるよ。本気で、戦うから」
「うん、大丈夫ならいいんだけど」
「ほ、ほら、試合開始だ」
「ええ、構えて!」
「ああ!」
私が構えてと言った瞬間にアルタイルの表情が落ち着いた
これはいつも私とアルタイルが模擬戦を始める時にするルーティンみたいなもので、これで気持ちを切り替えるの
お互いに構えるのは同じ構え
流派が一緒なのは同じ師匠に習ってたからかな
そう、お姉ちゃんにね
あの人、武術家としても達人だからね
「行くよアスティラ。今日こそは僕が勝つ」
「負けません!」
互いに拳を打ち合わせると戦いを始めた
鋼鉄同士がぶつかるかのような拳のぶつかり合いの音に会場が震える
お互いに一歩も引かず、傷つくのも気にせずにおよそ30分は戦い続けた
その直後、私の拳が思いっきりアルタイルのみぞおちに入って、彼は会場の壁に叩きつけられた
そこをすかさず近づいて、拳を彼の前に突き出した
「いたたた、参ったよアスティラ、くぅ、一回も勝てない」
「今回はいい動きでしたよ。鍛錬もちゃんと続けているんですね」
「当り前さ。君と共にあり、いつでも君を守れるようにね」
イチャイチャしていると先生に早く戻るように言われた
私はとりあえずこの場に残らないと
決勝戦があるもの
彼の後ろ姿を見送って、元の位置に戻った
その後ラカがてこてこ歩いて出て来る
ラカの感覚は研ぎ澄まされているみたいで、表情は落ち着いている
武人そのものの雰囲気ね
「小さいからって、僕を甘く見るようなやつはボッコボコにしてやるのだ」
「甘く見ていません。あなたは本当の武人です」
「分かればいいのだ。正々堂々、激しく戦うのだ」
「ええ!」
試合開始になって、私はいきなり目の前に来たラカに驚いた
速すぎる
「これで終わりなのだ!」
「それはどうですかね!」
ラカの拳を手のひらで防いでから拳を掴み、投げ飛ばした
「ぐぅ!」
一瞬で勝負はついた
彼女はどうやらスタミナとかはあるけど、体力って言うのかな、衝撃に弱いみたい
今ので目を回してしまった
この試合は優勝者の学園のみが10点を与えられる




