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勇者15

 次のインセントの相手はわが校コープラスト

 この試合はリゲル君が非常に頑張ってくれた

 コルナちゃんとカノンナさんはあっという間に倒し、あの強かったフォスフェルタさんをも倒してしまったのだ

 見えない斬撃のようなもの、それを彼女が構えた瞬間に一気に間合いを詰めることで制止し、さらに彼女が武器を抜き放つ前にそのみぞおちに攻撃して鎧を砕いた

 あらわになった下着姿だったが、彼女は臆さず武器を抜いて馬を走らせる

 残る部位は腰元だけ

 リゲル君はそれを全身全霊で迎え撃って、あのフォスフェルタさんを一瞬で倒してしまった

 リゲル君、あんなに強くなってたのか

 彼は取り出した布をフォスフェルタさんに渡す

「あ、ありがとう…」

「ごめんね、辱めちゃって」

「いや、このくらいどうということはないです。それに、私なんて、筋肉ばっかりで、魅力なんてないし」

「そんなことないよ。君は魅力的な女性だよ」

 フォスフェルタさんはリゲル君の言葉を聞いて顔を赤らめ、キラキラとした目でリゲル君を見ている

 確かに筋肉質だけど、こうして見るとすごく乙女らしい

 そして今まで戦っていない彼女が、顔に鎧をまとったクレアさんだ

 二メートル強はあるその巨体、屈強な鎧、身の丈ほどもある巨大な槍に大きな馬

 あの馬はクレアさん自身が育てた馬らしく、速さよりも強靭さに秀でていそうなほど大きくて足が太い

 嘶きも力強いね

「なんという、覇気なんだろうか…。立っているだけで気おされそうだね」

「・・・」

「何も、語ってはくれないんだね。戦いで語りあおうってことかな?」

 クレアさんはガチャリと鎧を鳴らし、構えた

「来なさい」

 兜で声がこもっててまるで男性のような声が聞こえた

 クレアさん、声結構低いんだ

「じゃぁ、こっちから行かせてもらうよ」

 リゲル君が馬を走らせて仕掛けた

「後手の極み」

 リゲル君の攻撃を軽くいなして巨大な槍でついて来る

 それ途轍もない速度でだ

「は、速い!」

 素早く突き出し、引いて、また突き出す

 あまりにも速く、リゲル君の鎧があっという間に変色していく

「く、せめて一撃だけでも!」

 リゲル君は馬の背から腹に足で捕まると馬を走らせてクレアさんの下に潜り込んで、そこから武器を突き上げた

 彼女の顔の鎧が飛ぶと同時にリゲル君の鎧の最後に一か所が変色した

「く、でも一か所だけでも打て…」

 彼女の顔があらわになり、会場が息を飲んだ

 そこから出てきたのは絶世の美少女の顔

「あ、うう、み、見ないで」

 そんな可愛らしい声の後、彼女は自分で顔を隠すとそのまま馬を降りて奥へ引っ込んでしまった

 クレアさんがそのまま棄権してしまったため、試合はコープラストの勝利となった

 あっという間の出来事に皆空いた口が塞がらない

 あの鎧、どうなってるんだろう?

 彼女の顔のサイズからするとそこまでの大きさはないはず

 その謎は後で解けることになった


 最後はインセントとベイクルンバルとの戦い

 こっちは本当に大接戦だった

 まずコルナちゃんとプラムちゃんの戦い

 プラムちゃんが一瞬でコルナちゃんを落馬させて勝利した

 次の試合ではプラムちゃんとがカノンナさんに鎧をすべて突かれて敗北した

 そしてカノンナさんとマスカーとの戦いなんだけど、なんとマスカーとカノンナさんの実力は拮抗していた

 二人がクロスするように攻撃をし、同時に鎧の全てが染まり切った

 相打ち

 次に出てきたのフォスフェルタさんとバイオレットちゃん

 バイオレットちゃんは紫の鎧を身に着けてて髪の色によく似あっている

 このバイオレットちゃんの実力も相当なものだったんだ

 フォスフェルタさんの飛ぶ斬撃をハンマーのような武器で防いだり撃ち返したりしてうまく躱している

 しかも打ち返した斬撃も攻撃手段になっていてフォスフェルタさんはうまく戦えないみたいだ

 相性が悪いんだこれ

「はぅうう、怖いですぅ」

 発言は弱気なのに攻撃は強気という矛盾

 怖いって言いながらハンマーでガンガンフォスフェルタさんを攻めて追いつめ、そして彼女の頭にハンマーを当てて気絶させた

「うう、怖かったですぅ」

 目に涙を浮かべてる。演技なのか本気なのかわからないな

 

 インセントは最後の一人、クレアさんだ

 顔の鎧が変わってる

 本当に恥ずかしがり屋だったらしく、顔を人に見られるのが極端に嫌なんだそうだ

 だからさっきもあの美しい顔を晒されて逃げてしまったというわけだ

 そんなクレアさんは顔が出ていないと本調子になるみたいで、バイオレットちゃんを簡単に倒してしまった

 そして最後のカルタちゃん

 彼女はやっぱりベイクルンバルの隠し玉だったみたいだ

 クレアさんは彼女の自在な動きの翻弄されてなかなかに攻めあぐねている

 でもカルタちゃんはスタミナがなく、疲れて速度が遅くなったところを一突きにされて馬から落とされた

 これでインセントの総当たりは終わりか

 次はウェイドーナの総当たりになる

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