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勇者11

 最初の試合はウェイドーナのアイドルっぽい四人組とファルマの四人

 まずはイズが先方で出るみたいだ

 ファルマの方はいきなりファルセポナちゃんか

 二人は馬に騎乗して位置に着くと、それぞれの武器を構える

 武器はもちろん木製だ

 イズの方は長めの刀のようなもので、それを背中に担いで特殊な抜刀のような構えをしている

 対するファルセポナちゃんは重たそうな槍をどや顔で構えている

 大丈夫なのかな? なんか手がプルプルしてるけど…

 両者の準備が整ったところで試合開始のラッパが鳴った

 そのとたんに馬を一斉に走らせ…

 ん? ファルセポナちゃん!?

 なんとファルセポナちゃんはすぐに落馬して尻もちをつき、痛そうにお尻をさすっていた

「イタタタ、くぅ、我ならいけるとふんだのであったが、初めてで馬には乗れぬのか…」

 何をしてるんだあの子は…

 落馬したため何の勝負もすることなくイズが勝利した

 彼女はこのまま次の戦いに進む

 ファルマはファルセポナちゃんが負けたため次鋒のポルクラちゃんが出て来た

 彼女は大剣を使うみたいで、その小さな体に見合わないほどに巨大な剣を右手だけで持っている

 あの体のどこにあそこまでの怪力が備わってるんだろう?

 イズは何もしていなかったためすでに元のスタート位置に戻っている

 ポルクラちゃんが位置に着いたところで試合開始のラッパが再び鳴り響いた

 実質これが第一試合みたいになってしまったね

「テリャァアアアアアア!」

 ポルクラちゃんの大きな声が会場に響くと、大剣を軽々振り回し始めた

 その剣先がイズの鎧兜の額辺りをかすめる

 この競技、気絶させても勝利することができるんだけど、そっちの方がポイントが高いらしい

 ポルクラちゃんはどうやらそれを狙っているみたいだ

「セイ! この! テリャァ!」

 激しく攻めるポルクラちゃんに対して、イズは冷静に状況を見て躱したり、反撃したりしている

 そのせいかポルクラちゃんの鎧は既に幾部位かの色が白から赤に変わっている

 あと二か所攻撃されてしまえばその時点で負けが決まる

 対してイズの方はまったく攻撃が当たっておらず無傷

 と思っていたらポルクラちゃんの動きが変わった

 大振りの攻撃をやめ、スーッと息を吐きだした

「ふひゅ、なかなか当たらないに。ファルセポナ、本気出していいかに?」

「うむ、ガツンとかましてやるがよい!」

「ふひゅひゅ、了解」

 そういうと彼女は大剣を左手に持ち替えて構え直した

「ふひゅー、こっちの方がしっくりくるに」

 ポルクラちゃんはイズに近づくと、大剣を振り下ろした

 また大振り、当然のようにイズは少し右に体をそらして躱した、かに見えたんだけど、いきなり大剣の軌道が変わってイズの胴体に強烈な一撃が放たれ、馬から転げ落ちて動かなくなった

 突然のことすぎて会場が一瞬静寂に包まれる

「ふひゅ、あたいの勝ちに」

 急いで医療班が駆け付けてイズの鎧を脱がせると、その場で検査を始めた

 どうやら気絶していただけみたいで、大剣をぶち当てられたお腹も打ち身程度だったみたいだ

 会場の全員がホッと胸をなでおろす

「ふひゅひゅ、いきなり本気を見せることになるとは思わなかったに。この子、相当出来るに」


 ウェイドーナの次鋒レマが出て来た

 彼女は顔だけ出ている鎧を着こんでいる

 その顔は自身に満ち溢れていて、ポルクラちゃんを討ち取る算段をすでにつけているようだった

「その鼻っ柱、叩き折って差し上げるですよ」

 レマはポルクラちゃんにそう言って構えた

「折られるのは果たしてどっちなのかに?」

 ポルクラちゃんも自信たっぷりだ。もしかしてまだ奥の手が?

 そう思っていたけど、レマの双剣による怒涛の攻撃であっという間にポルクラちゃんの鎧は赤く染まって勝負が決まった

 両チーム一進一退の攻防でなかなかにいい試合だ


 ファルマの三番手ビートが出て来る

 彼はニコニコと微笑んでレマを見ている

「ヘラヘラと、わたしの双剣の錆にするですよ」

 ビートの武器は普通の剣

 それを構えた瞬間ビートの雰囲気が変わった

 あれだけ温和そうだったビートは今や鬼神のようだ

「はったりですよ。わたしに指一本触れることなく負けさせてやるですよ」

 レマの怒涛の双剣攻撃が始まった

 ビートの方を見ると、何と馬上に彼の姿が無いじゃないか

 ファルセポナちゃんのように落馬したのかと思ったけど、地面にも彼の姿はない

「な! いつの間に!? ですよ」

 レマの声が上がってそちらの方を見ると、レマの後ろ、馬のお尻あたりにビートが立っていた

「ごめんね」

 ビートは優しくレマに声をかけると、首元に手刀を入れて気絶させた

 一瞬、一瞬の出来事

 ビートはレマを優しく抱え上げて地面に降り立つと、医療班に彼女を渡した

 恐るべきビートの実力に会場は息を飲む。彼はいわゆる天才ってやつなのかもしれない

 この僕でもその動きが見えなかったんだもの


 続くウェイドーナの三番手、大将も、ビートくんに同じ要領で瞬殺、もとい気絶させられていた

 これは、波乱が巻き起こるかもしれない

 次はファルマとインセントの戦いとなるけど、騎士学校相手にどう戦うのだろう

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