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生まれたけど何か変なんですが33

 大きなラッパのような音が響いて一斉にスタート

 空を飛べる者は空を飛んで、飛べない者は走る

 私は飛ぶ魔法を覚えていないアディリアを抱えて、ガルダ君がジュセリーナを抱える

 これなら走らなくていいし、二人の指示で動けば迎撃もうまくいくはず

 飛行しながらフィールドにある岩々の隙間を縫って、着実に相手の的を破壊していく

 先輩に聞いたんだけど、前半は一気に攻めてから後半に二人を守りに置いて、残った二人が攻めに回るのがいいらしい

 前半の的がいっぱいあるうちは確かに全員で攻めた方がいいかも

 的の数はヴィジョンで確認できるし、危なそうだったら戻って守ろう

 まずはファルマ校が一斉に狙われていた

 確かに魔法に特化した学校だから、みんな叩きたいはずだね

 でもどうやらその考えは見透かされてたみたいで、守りの自動迎撃魔法がところどころに設置してあった

 岩盤から発射される岩石の塊、それを打ち落としながら的に近づこうとするんだけど、この迎撃魔法結構激しくてなかなか的まで行けない

「ああまだるっこい! アスティラ! ちょっとジュセリーナを頼む!」

「あ、え?」

 ガルダ君はジュセリーナをこっちに投げてよこす

「ひゃぁあああ!」

 空を飛べないジュセリーナの悲鳴が上がったけど、アディリアが見事にキャッチ

「ア、アディリア様、ありがとうございます」

「こらガルダ! 私の親友を投げるなんていい度胸ね!」

「ああもううるさいな! お前らなら絶対受けれるとおもったんだよ! ちょっとそこで黙ってみてろ!」

 ガルダ君は魔力を溜めると、体に帯電し始めた

 帯電はどんどん大きくなって、周囲に雷が落ちる

「よしいくぞ! サンディラブラスティラ!」

 まるでミサイルか爆撃のように激しい音をたてながら強大な雷が周囲に落ちる

 その姿は正に雷の神のようだ

 あっという間に迎撃魔法が仕込まれた場所が崩れ落ちて、迎撃が止まった

 そうなると一斉に的への攻撃が始まる

 でもそこで黙ってるファルマの生徒たちじゃない

 かくいうファルセポナちゃんが攻撃に来た生徒たちの前に来ると

「ふん、その程度で我らの的を射れると思うなよ! アークダクノイド!」

 闇の、魔法?

 周囲が暗くなって、空間が裂けるとそこから真っ黒な竜が出て来た

「フハハハハ! 我が得意とするは召喚魔法! 闇竜ゼブの力、特と見よ! おっと、ゼブ、殺すのはなしだ」

「グルルルラァ!!」

 よく、言うことを聞く竜ですね

「げぇ、あんなの隠し持ってるのかよ! くそ、一時撤退だ! アスティラ!」

「ガルダ君、二人をお願いします」

「何言ってんだ! あんなの相手にできるわけ」

「いいから!」

「わ、わかったよ、怒るなよぉ」

 二人をガルダ君に渡すと、私は光魔法の展開を始めた

 闇属性なら、光に弱いはず

 あの竜は魔力の感じからするとそこまで強くはないはず。とは言ってもここにいる生徒たちで勝てるのは、私とアルタイルくらいだけどね

「ふぅ、一気に倒させてもらいますよ!」

「出来るものならやってみぃ!」

 ファルセポナちゃんとゼブの前まで来るとそう言い放った

 そしてすでに撃ち込む準備を済ませていた光魔法を解き放つ

「アフルラライティリア」

 一瞬でゼブの体が消滅した

 やりすぎたかも

 ファルセポナちゃんは開いた口が塞がらなくて、その場で白くなっていた

「今です!」

 すでに私の後ろにまで来ていたガルダ君からアディリアを渡してもらってキャッチし、そのまま的まで飛んだ

「ファイア! ファイア! ファイア!」

「ウォータ! ウォータ! ウォータ!」

 アディリアとジュセリーナ、それに他校の生徒たちによってどんどん的が落とされていく

 そこでハッと我に返ったファルセポナちゃんが再び動き始める

「く、守りに徹しておったがやめだ! 我の本気を見せる!」

 本気になってファルセポナちゃんは鬼気迫る勢いで、的を狙う生徒たちをどんどん撃ち落としていった

 攻撃魔法や気絶させる補助魔法を使われた生徒たちはそのまま地面に落下

 怪我くらいはするけど、魔族はそこまでやわじゃないからこのくらいの高さなら落ちでも大丈夫

 で、標的がこっちに向いたから私達はそれ以上深追いはせずに離脱した

 追って来ようとしてたみたいだけど、すぐに的の方へ戻って行ってしまった

 あれだけ怒ってた割には冷静ね

 それにしても、私は多分あの子に目をつけられたわね

 ものすごーく睨んでたし

「次はウェイドーナを狙うぞ!」

「待って、そろそろ戻らないと、ほら」

「おっとそうだな。俺とジュセリーナは戻るからあとは頼んだぜ、二人とも!」

「はい!」

「あんたに言われなくても分かってるわよ」

 戻って行く二人を尻目に私達は次のターゲットをウェイナードに定めた

 アディリアと私のコンビネーションがさえわたっとこともあって、ウェイナードはあっという間に的の数を減らして、この試合最初の脱落校となってしまった

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