生まれたけど何か変なんですが32
一日目、この日は魔法による的当て合戦で、ファルマ魔法学校に有利そうだけど、一応どの学校でも魔法は教えている
的当てだからちょっとした魔法さえ使えれば参加できるのよね
私達の学園からはもちろん私、それからアディリア、ジュセリーナ、そしてガルダ君が出場する
そう言えばジュセリーナって私の魔法の授業をかなり真面目にやってたから、魔法に関してはアディリアと同じくらいの上達度になってる
それからガルダ君
もともとあった才能に加えてコツコツと努力を重ねた結果、なんと雷魔法に至ってはすでに魔導兵団の最上級兵レベルに達してしまった
かくいう私に至っては全ての魔法を最上位レベルで扱えるし、これならファルマ魔法学園にも勝てるかもしれない
そして各校の参加者なんだけど、まずはアルタイルのいるコープラスト魔導学園
アルタイルは光魔法と回復魔法くらいしか使えないから今回はパスみたいね
で、代わりにアンタレスちゃんとアークトゥルス君、それからベテルギウスって言う男の子とアルヘナちゃんって言う女の子
ベテルギウス君は目の半分が髪に隠れている
なんでも右目が生まれつき無いそうで、それで隠してるんだと思ってたら違ってた
無いは無いんだけど、危険に見舞われた時に邪眼が発動して、周囲を呪ってしまうらしい
使いこなせてないから巻き込むと大変ってことで、邪眼を封じるための眼帯もつけてるみたい
中二病、のようだけど、こっちは正真正銘だから仕方ない
それからアルヘナちゃんは左腕が異様に大きい
これはアルヘナちゃんが巨人族と魔族のハーフだかららしいんだけど、左腕だけに巨人因子が反映された結果みたいね
巨人因子って言うのは遺伝子みたいなものだと思う
普通は体全体が大きくなるんだけど、ごくまれに一部分だけが巨大化することもあるみたい
アルヘナちゃんは土魔法が得意で、どんな魔法を使って見せるのか興味があるわね
次にファルマ魔法学校の生徒なんだけど、当然の如くファルセポナちゃんが参加、それからロポレトスという男の子とアイサランドラという女の子の双子。で、カポデラという女の子
ロポレトス君とアイサランドラちゃんはちょっと不気味、どっちも顔が隠れるほど髪が長くて、そこから見える口元がずっと笑ってるんだよね
それからカポデラちゃんは普通の魔法使いの恰好なんだけど、手にはなぜか右半身が赤い猫で、左半身が青い犬のぬいぐるみを持っている
次はウェイドーナ都立学園
こっちは皆同じ服で統一されてて、髪型まで一緒
顔が違うから辛うじて個人識別ができる感じかな
名前もよくありそうな名前で、トム、サム、サラ、エマという四人
特徴が特にないから今シャッフルされて名前を言えって言われても分からないよ
最後にインセント騎士学校
あの甲冑姿の女性はいなくて、それぞれ甲冑を纏った人たちで、青色のパラディンのような甲冑のイケメン、アラルドさん、黄色い甲冑で金色の髪と白い角が特徴的なヴァレスティアさん、小さいけれど覇気があるセスタちゃん、あの甲冑女性と同じくらいの大きさの女性、フォスフェルタさんの四人か
それぞれ四人組で、敵陣地に設置された的を撃ち落とすのがこの種目の目的
敵に対する妨害魔法はオッケーだけど、死ぬような魔法は禁止
的を全て撃ち落とされたチームはその時点で失格
的の数は100個で、動き回るみたい
ふふ、こういうの実は得意なんだよね
どんと来いって感じですよ
説明が終わって、それぞれが陣地のスタート地点に着いた
「アスティラ、絶対に勝つわよ!」
「もちろん!」
「アディリアは僕が守るよ」
「見ていてくれプラム、俺が勝利を飾って見せるところを!」
みんなやる気満々で既に魔力を溜めてる
ガルダ君何て稲妻がほとばしってた
「ちょ、ガルダ! 危ないからもっと抑えなさいよ!」
「ご、ごめん、プラムにいい所見せたくて」
「それなら始まってから見せないさいって。ほら、プラム応援してるじゃない」
アディリアの指す方向には観客席があって、私達の学校の生徒が座ってた
その二段目の列あたりにプラムやフレアちゃんたちが手を振っているのが見える
「プラムー! 君に勝利を捧げるよー!」
はぁ、ガルダ君は本当に変わったな。平民なんてゴミだ!みたいな感じの子だったのに、今ではその平民のプラムと恋仲なんだから
それにしてもすごい盛り上がり
まぁこんなにも大きな大会?なんだからそれもそっか
いやはや、こういった大衆の面前と言うのも慣れたと思ってたけど、やっぱりかなり緊張するなぁ
よし、ここは的を破壊することだけに集中しておこう
作戦は、私が中衛と前衛を任されて、あとはガルダ君が前衛で、アディリアとジュセリーナは後衛かな
私はどこからでも打ち込めるから本当は後衛でもいいんだけど、ちょっと魔法が使えすぎると目立つからね。もちろん本気では行かせてもらうよ
さぁ、もうすぐスタートだ




