九つ目の世界4
トロッコに揺られ一日が経った
このトロッコは非常に快適で、食事も美味しかった
多分あの虫なんだろうけど、慣れてしまえばどうということはないわ。エビよエビ。高級なエビ料理
アルタイルも女神様も慣れたみたいで、もう何も言わずに食べてる
それからトイレとお風呂も完備
トイレは何とお尻を洗ってくれる装置までついていた
これってもしかしてって思ったけど、どうやら異世界の技術じゃないくてこの世界で研究されて生まれた技術みたい
お風呂もシャワーまであって快適
もうこのトロッコに住んじゃいたいくらい
そして何事もなく始まりの街レドラに到着した
ここでもまた歓迎の嵐で、トロッコから降りた瞬間に国賓のように扱われた
異世界人は様々な言葉や旅の話、技術をもたらせてくれるから、この世界では誰しもが歓迎されるみたい
それで今までに悪い人に騙されたことはなかったのか聞いてみたら、悪い人はそもそも街に入れないみたいね
どうやら悪意を持った人が街に入ろうとするとセキュリティーが反応しては入れなくなるみたい
で、そんな人間は別の世界に移動するか、移動できなければ洞窟内で野垂れ死に・・・
あの虫に襲われることはないけど、他にも危険生物がわんさかいるみたいね
トロッコにはそういった生物が襲ってこないよう嫌いな音波とかを出して避けている
技術が進んでるから色々と対策が練られてるのね
「ようこそおいでくださいました。私がこの街を納めるジャルタイと申します」
ジャルタイというおじさんは鼻の下の髭を長く伸ばした仙人のような人で、目がキリッとしてて若いころはかなりカッコよかったんだろうことがうかがえる
それとその娘のアーキジェさんはリザードマンに近い種族とは思えないほどに人間に近い顔で、とても可愛らしい顔をしてる
アルタイルも見惚れるかとおもったけど、彼は私だけを愛してくれてるのか全然彼女を異性として見てないみたい
ほっと安心しつつ私達はジャルタイさんの後ろに付いて案内された宿へと向かった
宿は無料で提供してくれるみたい
それから赤い子供に付いて聞いてみたらしばらくこの宿で待つように言われた
言われた通りに待ってるとものの数分でへやがノックされてジャルタイさんと、体色が血のように赤い女の子が入って来た
「この子があなた方の探しておられる子ですね?」
その子は目の色、髪の色、体色、着ているものまですべてが真っ赤で、名前をアンニナといった
あまりしゃべらないけど、感情はしっかりと表現していて、こちらに輝くような笑顔を向けてくれた
「私、アンニナ。炎の神様の加護をもらったんだよ」
アンニナはそう言うと手のひらに小さな日の塊を灯した
「これは、魔法?」
「魔法ってなに?」
驚いた、この世界には魔法の概念がないのね・・・
でも魔力を使ってる辺りこれは間違いなく魔法ね
「あら、この子本当に炎の女神の祝福を受けてるわ。アレルフお姉ちゃんの加護を感じる」
そう言えばルニア様とサニア様は女神だったわ。炎の女神アレルフ様はアンニナちゃんに本当に加護を与えてるみたい
その加護って言うのは、炎によるダメージの無効、炎で再生、体の一部を自由に炎化、炎攻撃強化などなど、まさに炎の女神の寵愛を受けてるとしか思えないほどの加護の数々
「この子のご両親は?」
「それが、母親はいないのです。父親であるアストーがある日突然連れていたのです」
「父親は何と?」
「はい、娘だと一言いうだけでそれ以上は何も語りません」
母親がいないのに生まれるはずがない。多分そのアストーさんが拾ってきた子ってことかな?
そう思っているとルニア様が何か言いたそうに私のそでを引っ張った
「あの子、ハーフゴッデスよ」
「え、なんですって?」
小声で話してくるからちょっと聞き取りづらかった
「ハーフゴッデスよ。女神と彼らのハーフ。それとそのアストーって男の娘なのは間違いなさそうね。今お姉ちゃんが鑑定してみたら、アストーとアラルフの娘って出てるの。お姉ちゃんどうやらアストーさんと子供を作ってたみたい・・・。そりゃあ自分の娘だもの。あれだけの加護を与えるはずよ」
ルニア様の言葉に驚いたけど、だったら納得がいくわ
この子から神力を感じるもの
「うーんでもこの子、連れてはいけそうにないわね。フィリアより小さいんだもの」
そう、この子まだ五歳くらいなのよね。とてもじゃないけど危険な戦いになんて連れ出せないわ
「ありがとうジャルタイさん。可愛い子ね。ほら、飴をあげるわ」
ルニア様が懐から可愛いペロペロキャンディを渡す
「ありがとう怖い顔のお姉ちゃん!」
「なっ! 怖くないわよ!」
ずっとムスッとした顔のせいかルニア様って結構勘違いされがちなのよね
でも本当は面倒見のいい優しい女神様ってことを私は知ってる
この世界での新世代探しは空振りに終わった
確かにアンニナちゃんは新世代だったけど、戦いにつれて行けないほど小さかったもの
私達はこの街を色々と見て回り、次の日にはまた新しい世界へと旅立つことになった




