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三つ目の世界4

 それから出てきたのは普通の怪獣ばかり

 白が作り出しとと思われる人を素体とした怪獣は一切出てこなくなったので、本当に白はこの世界から去ったんだってわかったわ

 雨さんはもう自分達だけで大丈夫って言ってるし、私達もそう思うけど、どうにも何か不自然で気持ち悪い感じがするのよね

 これが一体何なのか分からないけど、まだこの世界を去るべきじゃないって気がして・・・

 私の中の警鐘が鳴ってる

「そう、ならもう少しだけここにいる? あたしたちは構わないわよ。ね?お姉ちゃん」

「ええ、あなたがそういうならもしかしたら何かがあるのかもしれません」

 ルニア様とサニア様の了解を得て私達はもうしばらくこの世界にいることにした

 何せずっと不安が拭い去れないんだもの

「アスティラは心配性だな。でもまぁ確かにちょっとおかしいかもね。僕は全面的にアスティラの勘を信じるよ」

 アルタイルもそう言ってくれてることだし、とりあえずは雨さんの家でお世話になることになった

 雨さんと雲君の両親はかつて怪獣に殺されていて、今は二人暮らしらしい

 二人は政府からの怪獣被害者補助金と言うもので暮らしているようで、さらに雨さんには防衛軍からも補助金が出ているため弟との二人暮らしができてるみたい

 家は小さいけれど綺麗な家で、二人っきりで暮らすなら十分な感じ

 でも私達がいると結構いっぱいいっぱいね

「ごめんなさい狭くて・・・」

「いえこちらこそ申し訳ないです。私達は雑魚寝でいいので気になさらないで下さい」

 サニア様の言う通り迷惑をかけてるのはこっちなわけだしね

「うぬぅ、我は別に野宿でも構わないんだが?」

「だ、だめよセラビシアちゃん。貴方みたいな可愛い子が外で寝てたら悪い人に襲われるよ!」

 雨さんが心配してるけど、この子多分その悪い人達よりはるかに強い

 むしろ危ないのはその悪い人達だと思う

 でもまあ女の子が一人で野宿っていうのは駄目だよ

 その日はもう日も暮れてたので女の子と男の子で部屋を分けて寝た

 ちなみに普段雨さんと雲君は一緒に寝てるみたい

 仲のいい姉弟で微笑ましいかも


 次の日太陽が昇ってすぐだった

 怪獣が現れたとの防衛軍からの報告があって、私達はすぐに現場へと転移した

「転移、便利ですね。私は普段変身してかrあ空を飛んで行ってるんですが、こういう力があればすぐに向かえますね」

「だったらお姉ちゃんに力を分けてもらえばいいわ。そのくらいならあなたにも使えるだろうし」

「そうですね。雨さんどうでしょう?」

「い、いいのですか?」

 サニアさんに新しく転移の力を授けてもらった雨さん

 これで雨さんも迅速に怪獣の元へ駆け付けれると喜んでた

「で、あの怪獣だけどなんだかおかしいと思わない?」

「え? いつもの怪獣と、同じだと思いますけど・・・」

「あそっか、あなたじゃ力までは感じれないか。アスティラはどう?」

「えっと、なんだか複数の力の寄せ集めのような奇妙な気配がしてます」

「やっぱりそうか。この怪獣!人間素体の怪獣が引っ付いた個体なんだ! なんて酷いことしてるんだ白は! 人間を魂ごと合成させてアスティラでも元に戻せないようにしてる!」

 憤慨するアルタイル。それを聞いて雨さんの顔色が変わった

「そ、そんな、あの怪獣の特徴って」

 雨さんが驚愕して涙をポロポロと流し始める

「ど、どうしたの!?」

「あの怪獣、防衛軍の人達だ・・・」

 田辺さんと真壁さんとはさっき連絡を取ったばかりだから恐らく違う。じゃああの怪獣は?

「防衛軍は全世界に支部があります。この国にもいくつかあるんですが、田辺さんや真壁さんが所属しているここの支部以外にも全国にあります。その中でも私と親しい人達ばかりが、この怪獣にされて・・・。ああなんてこと! あの手にある腕輪の特徴は、北山さんの!」

 どうやらその北山さんというのは雨さんがお姉さんみたいに慕っていた人らしくて、雨さんはショックで動けなくなってしまった

「くっ、白はなんてものを残していったんだ!」

 アルタイルは怒り、怪獣を自分の力で閉じ込めた

「取りあえず動けなくはしたけど、女神様、これは一体どうすれば・・・。彼らは元には」

「戻れないでしょう。ここまで魂が複雑に絡まってしまっては戻せたとしても魂が器に合わずに肉体が崩壊します」

「そんな! 北山さんが・・・」

「泣いている暇はありません。今現在も彼らは苦しんでいます。早く楽にしてあげることで救われるはずです」

 雨さんの顔は真っ青になっていてとてもじゃないけど戦えるような状態じゃない

「私が、やります。もしかしたら救えるかもしれません」

「無理よ。貴方の力でもそれは無理。ここまで複雑に魂がグチャグチャに絡まされてちゃもう・・・」

「いえ、私には一つ救えるかもしれない力がこの善の力の中にあるのです」

 そう、それこそ秘神の力である時間の力。時を自在に操るこの秘神の力ならあるいは

 私はアルタイルが捕まえている怪獣に触れて善の力を使った

 その中にある時の秘神の力を善と混ぜ合わせるように発揮し、怪獣の時間を糸を解くように戻していく

 いける! これなら!

 時間を巻き戻し続け、怪獣が段々と本来の姿を戻していく

 全の力が混ざったことで白の力を無効化してるみたい

 結果私は気を失ったけど怪獣は見事に時間が回帰した

 数人の防衛軍隊員は魂の変調もなく元に戻ったの

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