私、「ふぇざー」っていいます!4
新たな出会い。
「な...なにこれ...」
羽根がついている...なんで...?
いや、一回落ち着いて考えよう...私は、この森の広場に足を踏み入れたときに頭が痛くなって...その場に崩れ落ちて意識を失って...目が覚めたら羽根が生えてて...
「うん、わからん」
とりあえず思考停止。わからんものはわからんからね。うん。
「ちょっと考えるのやめないでよ」
「あーごめんって」
そう言われて私はまた考え出す。でもそう言われても...
...え?今の誰?ここには私以外誰もいないはず...辺りを見渡しても私以外の人はいないし...。
「どこ見てるの!ここだってばー!」
また聞こえる...きっと幻聴だ...疲れてるんだな私。
「すや」
「こら寝るなー!」
「いひゃいいひゃい!」
何者かに頬を引っ張られる。引っ張られたほうに目をやると...。
「...ちょうちょ?」
「蝶じゃない!あたしは妖精!」
何やら私の頬の上で小さい妖精?さんがぷんぷん怒っている。金色の髪の毛は短く切りそろえられていて、私と同じ空色の目をしている。服はふりふりの白い服。背中には...白い羽根が。
「それで妖精?さんが私に何の用かな?」
「疑問形じゃなくてちゃんとした妖精!あなた、私の羽根を見て気づかないの!?」
羽根...私についているのと似ている気がする。つまり...
「妖精さんのせいってことか」
「ご名答っ!」
そういえば、意識を失う前に蝶というか妖精さんっぽいのを見たっけ。でもなんで私なんかに...
「んと、妖精さんはなんで私に羽根をつけたの?」
「人間のぎるどのところに依頼、貼ってあったでしょ?あれを持ってきた人間つけようって決めてたの!」
あー、あの依頼は妖精さんの仕業だったのか。どうりでなんかおかしいと思った。
「あのへんてこ依頼は妖精さんかぁ」
「へんてこゆーなっ!」
「いひゃい」
定期的に頬引っ張るのやめてもらえませんかねぇ...頬が伸びちゃうよー。
「んで、あの依頼を出した理由ってなんなの?」
「え?あたしがやってみたかったから!」
「あっはい」
速報、私、なんとなく羽根が生える。どうしてこんなことに...。
でも、羽根が生えてるってことは...もしかして...飛べるかも?
「妖精さん妖精さん」
「あたしは妖精さんじゃなくて『すかい』っていうの!」
「じゃあすかいちゃん、私って飛べるようになったのかな!?」
「え?知らない」
知らないって...飛べるかも分からないの...?がっくし。
「練習したら飛べるかもよ?羽根の生えた人間なんか見たことないから知らないけど...」
...よし。決めた。
「私、夢ができました!せっかくもらった羽根だもん、飛べるようになるぞー!」
私はこの日、目標ができた。羽根を動かして、空を飛べるようになるぞー!
「おー、頑張れ?」
「何言ってんの!すかいちゃんにも付き合ってもらうからね!」
「え゛」
当然だ、なんせ私に羽根を生やした元凶だから、私が飛べるようになるまで付き合ってもらうからね!
「さぁ、いくよー」
「ぎゃー!?ひっぱるなこらー!?」
私は妖精さんことすかいちゃんを引っ張って宿屋へ連れ帰った。
「あれ、ふぇざーちゃん、誰だいその子」
「ぺっとです」
「ぺっと!?」