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私、「ふぇざー」っていいます!3

話は早めかも?


魔物系の依頼を受けるようになって1ヶ月くらい。私は相変わらずぎるどで討伐系の依頼を探していた。




「なにかいいのないかなー...っと...?」




私の目に留まったのは、ちょっと不思議な依頼。




『森の広場に来てほしい』




とだけしか書かれていない。森はすらいむなどの弱めの魔物が出る場所のさらに外側に広がっている。魔物は少し強くなるが、途中の広場までならばさほど強さは変わらない。




「う〜ん...どうしよっかなぁ...でもちょっと気になるし...」




私は悩みながらもその依頼を手に取り、いつもの受付さんのところへ。受付さんに依頼の紙を渡すと、不思議そうな顔をした。




「あれ〜?そんな依頼、今日は来ていないはずですよ〜?報酬も設定されていないですし〜...」



「えっ」




んー...?どういうことだろう?誰かがいたずらで貼ったのかな......でもきになる...




「確認しましたけど〜やっぱり来てないですね〜...ぎるどとしては〜何も関与しませんけど〜受けるのは自由ですよ〜」




ということらしいので、受けてみることに。誰かが本当に困ってぎるどを通さずに貼ったのかもしれないし!



受付さんにお礼を言って、ぎるどの外に出る。とりあえず森の広場に向かおう。おー。







街の外に出て、森を目指して移動し始める。その途中途中で、すらいむ狩り。「ごぶりん」っていう、すらいむより少し強い魔物も出るけれど、今日はとりあえず無視。早く森の広場に行きたいからねー。



進んでいくと、青々とした木々が見え始める。いよいよ初めての森潜入。れっつごー。




「ほえー...ここが森かぁ...」




大きく葉を広げた木の隙間から、太陽の光が差し込んでくる。この森に住んでいるであろう鳥たちも気持ちよさそうにさえずっている。



鳥の歓迎を受けながら、私は一歩一歩広場へと足を進める。それにしても...




「...魔物がいないんだけど...」




そう。不思議なことに、森に入ってから一度も魔物に会っていないのだ。せめて一体くらいは会うと思ったんだけどなー...



...あれ?これってあまりよろしくないのでは...?魔物の様子が普通じゃないときって、だいたい変なこと起こってる印象だし...




「かといって、引き返すわけにはいかないよねー...」




私は周りを警戒しながら進んでいく。



しばらく歩くと、森の中で開けた場所に出る。どうやらここが広場のようだ。




「森の中でここだけ開けてるから、光が差し込んできてて綺麗...」




美しい景色に見惚れながら足を踏み入れる。







がつん。




「あぐっ...!」



なにこれっ、頭が痛いっ...!



思わずその場に倒れ込んでしまう。痛みで身体が動かせない...!



頭の中がずっと殴られているような感覚を覚える。痛い...痛い...




「...あ...だめ...いし...き...」




私は目を閉じて意識を失う。最期に見たもの。それは、きらきらと光る蝶のようなものだった。









「...ぅあ」




目がさめる。あれからどれくらい経ったんだろう...。



ここはどこと辺りを見渡すと、どうやら意識を失う前の広場にまだいるようだった。とりあえず頭の痛みは引いている...。




「ぅー...私、一体どうなって...」




身体を起こしたときに、違和感に気づく。なんだか背中が重い。




「あれ、なんか背負ってたっけ...」




背中に手を伸ばすと...なんかふわふわしてる。どうやらそれは、左右に1つずつ付いているようだ。




「んー?なんだろうこれ...ふとん...なんて持ってきてないし...」




取れないものかと引っ張ってみると、ぴくりともしない。がっつりくっついているようだ。



私はこの謎の正体を見るために、広場の近くの泉を覗き込む。



そこで見えたものは。




「...え...うそ...?」




背中につく、2つの白い翼。



そして、肩にかかる空色の髪の毛に布の服を着た、ぽかん、と口を開けて、空色の目でこちらを覗き込んでいる少女の姿だった。

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