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私、「ふぇざー」っていいます!2

1日1話投稿...(できたらいいなぁ)



「ふぇざーさん〜」



「?」



せっせと毎日薬草集めに精を出していたある日。受付のお姉さんに呼び止められた。なんだろう?




「ふぇざーさんはぁ〜、討伐系のお仕事受けないんですかぁ〜?」




受付さんは煽るつもりではなく、純粋に疑問なようだ。確かに、ふつうの冒険者ならば、ある程度簡単な仕事をこなしたら、次は魔物の討伐依頼を受ける。だが私がそうしないのは...




「あー...私、お金なくて武器が...」




そう、魔物を討伐するのにも、先立つものが必要なのだ。私には武器を買うお金すらなかったのだ...とほほ。




「それでしたら〜、ぎるどの方でお貸ししますよ〜」



「え゛」




受付さんから飛んできたその言葉に一瞬固まってしまった。なんだ、「ぎるど」で貸してくれるなら早く言って欲しかった...意地悪だなぁ。




「ぎるどに登録する際に〜、必ずお話しているはずなのですけれどね〜?」




受付さんがいつものほんわか口調でじぃっと見てくる...なんかこわい...

聞いてないって、顔に出ちゃってたかなぁ...?



「じゃ、じゃあ...お借りしよっかなぁー...なんて...あはは...」




適当に笑ってごまかす。とりあえず武器問題が解決できそうなので、討伐系を受けない理由がなくなった。



受付さんから貸し出し用武器の短剣を受け取る。武器なんて触ったことないが、あまり違和感がない。受付さん曰く、初心者でも扱いやすいようにしているんだとか。ほえー。



武器を借りたところで、依頼掲示板を見る。ここには、様々な依頼がのっている...盗賊退治だったり、商人の護衛だったり...無くしものを見つけてほしいなんてものもある。



その中で私は、とりあえず討伐系依頼で一番簡単な「すらいむ討伐」を受けることに。「すらいむ」といえば、有名な最弱の魔物。基本的に体当たりしかしてこないため、初心者に倒されまくってる悲しき存在。




「じゃあ〜、すらいむの核を5コ持ってきてくださいね〜」




受付さんに依頼を受理してもらい、いざ、しゅっぱーつ。







すらいむが出現するのは、薬草を取っていた草原より少し外側の場所だ。草原をどんどん進んでいくと、少しずつ草が減ってきて、地面が見えるようになってくる。




「この辺りかなぁ...あ、いた」




私の視線の先に、石くらいの大きさの緑色でぽよんとした魔物が見える。私はゆっくり短剣を構え、すらいむに向ける。ふぇざーさん、初戦闘です。




「せいやっ!」




短剣を振りかぶり、すらいむを斬る。ぶに、とした感覚が手に伝わってくる。



すらいむは攻撃を受けたことに怒ったようで、飛びかかってきた。




「わっ...結構早いもんだねぇ...」




すらいむは思っていたよりもすばしっこく、もう少し避けるのが遅かったら体当たりを食らっていただろう。私は気を引き締め直して、すらいむに斬りかかる。ざしゅっ。



すると、すらいむは水のように液体となり、小さな赤い球体を残して消えた。私はそれを拾い上げる。




「これが核かな?よーし、あと4体!」




私は同じように残り4体のすらいむを倒し、5つの核をぎるどへ持っていった。




「はい〜、確かに〜。おつかれさまでした〜」




受付さんから貰った報酬は...1000c。今までの倍だ。やはり討伐系の方が報酬はいい。このくらいなら私にもできることが分かったので、今度からこっちにしようかな。




「あ、それと〜。お貸ししている短剣、500cでお譲りしますよ〜?」




そういえば、これ借りものだった。500cなら正直ありなので、500cを渡して短剣を譲ってもらう。これでもまだ500cは残るのか...いいな。



私はギルドを後にしていつもの宿屋へ。女将さんに宿代を渡すと、腰にさしている短剣を指差して...




「お、短剣じゃないか。ということは、魔物と戦ってきたのかい?」



「うん、すらいむ倒してきたよっ!」



「そうかい!ついに草むしりから脱出したんだねぇ...」



「草むしりって...」




なんだか感慨深そうに話す女将さん。確かにここの宿屋に住むようになってからずっと薬草採取しかしてなかったからなぁ...



そんな話をしながら、部屋の鍵を受け取る。

部屋に入ると、いつものようにおふとんへだいぶし、そのまま眠りに落ちてしまった。

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