私、「ふぇざー」っていいます!
初投稿です。
「...あれ?」
私...何してるんだろう?というかここはどこだっけ...
雲ひとつない青い空...周りに広がる草原...遠くのほうにはうっすらと街が見える。
そして草原にはたくさんの人がいる。みんな辺りを見渡しているけど...
...あ、思い出した...私、「冒険者ぎるど」から薬草採取の依頼を受けてるんだった...
今は...だいぶ日が傾いてきてる...
「日が暮れる前に終わらせないと...!」
意気込んだ私は目的の薬草を探し始める。
薬草は普通の草に紛れて生えているから、よーく見ないと分かりづらい。ふつうの草がまっすぐな葉っぱをしているのに対し、薬草の葉は少しだけぎざぎざしているから、そこで見分けることができる。まぁ「すきる」がある人なら簡単に見分けられるから、持ってる人は苦労せずに済むんだけどねー。
私?とーぜん持ってません。だから地道に探す。
せっせと探し回って、薬草10本を集めきったのはもう日が暮れるころ。
「ふぃー、今日のお仕事おわりっ!」
額を流れる汗を袖で拭う。ひと仕事した後はすっと爽快な気持ちになる。身体に当たる風が心地よい...
あとは薬草をぎるどに持っていき、受付の人に渡して報告。そして依頼達成の報酬を受けとる。
「はい、おつかれさまでした〜。今日の報酬です〜」
受付の人からもらった報酬額は...500c。
ころんは、お金の単位。300cあれば安宿に1泊できるくらい。だから割とぎりぎりだったりする。それでも暮らせるだけありがたい。
ぎるどを出ると真っ先に宿屋へ。宿屋の扉を勢いよくあけ...
「おばちゃーん!ただいまー!」
「誰がおばちゃんだっ」
ごつん。
「いたぁっ!」
宿屋の女将さんに殴られた。割と痛い。
「うぅ〜...なにも殴らなくてもー...」
「まったく、そんな口きいてる暇あるならちゃんと宿代払いな!」
「ふぁ〜い」
私は今日の報酬から銅貨3枚を渡す。
「あいよ、確かに」
女将さんはお金を受け取ると、鍵を渡してくれる。それを受け取り、迷わず部屋へ。
鍵を開けて、かばんを投げ捨てて、おふとんだいぶ。
「...あー...疲れたぁ」
おふとんに横になると、すぐにまぶたが重くなる。
「...zzZ」
がばっ。
「あー...また寝ちゃってた...」
目をこすりながらのそのそと起き出す。外はすっかり朝だ。
朝起きると、食堂で女将さん手作りの朝食。うまい。
それが済むと、いつものかばん持ってぎるどへ。
「いってきまーす!」
これが私、新米冒険者「ふぇざー」の1日である。