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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第一章 増えゆく家族
7/69

第7話 行商人

〜27日目〜


昨日はみんなに皐月の誕生祭を開いてもらった。女性陣と子供が寝静まってからは、ヘルガーさんが隠してあったお酒を出してきて男2人で酒盛り。


「お酒なんかあったんだ」


「2ヶ月に一度だけ街から行商人がくるんですよ。そのときに毎回妻に頼み込んで一本だけ交換してもらうんです」


「物々交換? 金貨で買うんじゃ?」


「私たちは森で狩りをして暮らしていますから金貨を得る機会がないんです。余った獣を街に持っていければいいんですけど」


「街まで遠いわけ?」


「遠くないですよ。ただ街に通じる道にゴブリンの住処があるんです。私1人ではあの数は相手できませんよ」


嫌な単語を聞いた。

ゴブリンなんか見たくも思い出したくもない。


「他に街は?」


「森に面している街はそこだけです。その街を越えると王都も含め色々とあるんですが・・・」


なるほど。何か買うにはゴブリンの住処を通るか行商人頼りか。

うん、俺も後者を選ぶな。


「ヘルガーさん、行商人が次に来るのはいつ?」


「何もなければ3日後です」


ラッキー。


「これで」


ポケットから十数枚の金貨を置いた。


「衣食住に必要なものを揃えてほしいんだ。睦月と相談したんだけど俺たちもここに住もうかと思って。ラミーも親がいたほうが安心できるし」


「本当ですか! 隼人様がここにいてくだされば百人力ですよ。いつでもひ孫に会えるのも喜ばしいことですし。あ、少しお待ちを」


奥からお酒をもう一本持ってきた。


一本だけじゃなかったのかい!

しかもさっきより高級っぽい。


「秘蔵のお酒です。隼人様の引越し祝いですよ。まあまあどうぞどうぞ」


「これは!」


美味い。

辛口の中にも甘みが感じられる。

いくらでも飲めそうだ。


「美味しいでしょ。行商人が壱の国で仕入れたワインという飲み物らしいですよ。ワニ3体と交換した高級品で ⋯⋯ すのでもっとゆっくりと! おかわり? いいですけど私の分も残しておいてくださいよ!」


結局朝方まで飲んでしまった。

ワインのあとに違うお酒が2本も出てきたときは驚いたけど、それもなかなかの味だった。

ヘルガーさんは酒の味がわかる男だ。


「ふぁあ〜」


さすがに眠い。

寝るか。って皐月のステータス確認しようと思ってたんだっけ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

豊月隼人

子孫繁栄の女神の信者

Lv:4

HP1209/1209

MP772/772

攻撃1218

防御895

魔力763

魔防680

速度1050

幸運74


加護スキル

子孫繁栄・異世界言語

ーー子はかすがい


一般スキル

炎魔法Lv1・拳法Lv1


次ページ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


もはや驚くまい。

強くなったんだな、なにもしてないけど。


気になるのはスキルか。

炎魔法と拳法は付与スキルじゃなくて一般スキル扱いか。


次ページを見る


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

子供・子孫


弥生

如月

皐月

次ページ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちゃんと皐月の名前が増えてた。

とりあえず順番に確認していこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

弥生

豊月隼人と睦月の第一子

Lv:26

HP245/245

MP507/507

攻撃232

防御289

魔力531

魔防446

速度359

幸運21


一般スキル

格闘Lv4・火魔法Lv22


付与スキル

回復魔法Lv27

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レベルが5つも上がってる!

あとでいい子いい子してあげなくちゃ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

如月

豊月隼人と睦月の第二子

Lv:27

HP582/582

MP150/150

攻撃623

防御400

魔力102

魔防118

速度524

幸運25


一般スキル

格闘Lv29・火魔法Lv5


付与スキル

棍棒Lv1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


レベルは1つしか上がってないけど、スキルの格闘が7つも上がっていた。

こっちもいい子いい子確定。いや、高い高いもしてあげよっと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皐月

豊月隼人と睦月の第三子

Lv:1

HP42/42

MP37/37

攻撃45

防御47

魔力43

魔防40

速度51

幸運19


一般スキル

炎魔法Lv1・拳法Lv1


付与スキル

指揮Lv1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


生まれたばかりだから数値が低いのは仕方ないけど、お姉ちゃんたちより初期数値高くない?

俺の記憶違いかな。


そうだ。

この指揮Lv1って結局なんなんだ?


長押しする。


『部隊を率いると部下の能力が1%向上する。レベルが上がるとパーセンテージが上がっていく。最大10%』


予想範囲内だった。


ステータス確認も終わったし、寝るか。


おやすみなさい。


⋯⋯


⋯⋯ ⋯⋯ ん。


誰だ俺を呼ぶのは?


⋯⋯ 如月と弥生か。

おはよう。

朝だね?

わかってるよ。


起きたら遊んであげるから今は寝かせて。パパは眠いんだ。

おやすみ。


だめ?

今から遊ぶの?

本当に?


わかった!

わかりましたからお腹に乗って暴れないで。吐いてしまう・・・。


午前中は子供たちに付き合って、午後から爆睡することになった。


〜28日目〜


何事もなく平和な一日。

皐月が歩き出し抱っこをせがむようになった。


かわいい。


皐月を抱っこしてあげると如月弥生も「あたしも!」「あたちも!」と寄ってくる。


幸せだな〜。


〜29日目〜


皐月が蝶々に夢中。


どこまでもどこまでも追いかけていく。


危ないんで抱き上げたら泣かれた。


睦月にパス。


〜30日目〜


「パパ、じっ!」


皐月が喋り出した。

お気に入りは俺を登ること。

動くと怒られる。


お、如月もきたかー。

弥生もやるのか?


ははは、パパは遊具じゃないぞー。


「おくつろぎの最中失礼します」


ヘルガーさんの長男でトトラさんがやってきた。この人はラミーの父親だからーーー


「あ、お義父さん」


「や、やめてください! 隼人様にお義父さんと呼ばれるだなんて畏れ多いです!!」


拒否られた。


「父が、ヘルガーが呼んでいます。行商人のことでお話があるらしく」


「欲しいものは言っておいたけど ⋯⋯ なんだろ」


子供たちを下ろす。

ブーイング。

仕方ないじゃん。


後ろめたさを感じながらも横穴から出て行く。


なぜか如月もついてきた。


「パパ、手!」


手を繋いで歩いた。


「お待たせ」


ヘルガーさんのところに行くとそこには行商人っぽい人と護衛の獣人がいた。


「お呼び立てしてしまってすみません隼人様。どうしてもこちらの方がお会いしたいと申しまして」


「お前さんがピンクオークを倒した隼人かい?」


護衛の獣人が俺の前に踏み出た。


ヘルガーさんよりでかい。

黒い鎧に身を包み、自分の身の丈ほどの大剣を背負っている。顔は人間寄りなので雌なんだろうが、正直好みではない。


「貧相な体だな。そんなんで本当に倒したのかい? どうせまぐれかなんかだろ。おっと申し遅れたな。あたいは泣く子も黙る超有名実力派A級冒険者グループ『獣の爪』のリーダー。デュランがふる!」


あ、こら如月!

喋ってる最中に顎めがけて膝蹴りしたら危ないだろ!!


パパをけなされたから?

なんていい子だ。でもやっちゃいけないことも覚えようね?


「うん! あ、パパ、この人震えてるよ」


え・・・げげ!

このディランなんとかさん舌噛んじゃってるよ!


誰か至急弥生呼んできて。ってヘルガーさん、なにこの人踏みつけて勝ち誇ってるわけ!?


前から獣の虎を眷属にしてるのが気に食わなかった?

知らないよそんなの!! というか虎って獣人だけじゃなかったの?


獣もいるしモンスターもいるって?


喋れるのが獣人で、喋れなくて食べられるのが獣、喋れなくて食べれないのがモンスター。ってややこしいなおい!


ちょ、弥生はまだー!?


〜31日目〜


昨日は大慌てだった。


デュランなんとかさんは弥生の回復魔法で傷は完治したものの意識は戻らず、ヘルガーさんの家で一泊することになった。

今はもう目を覚まし元気になっている。


「ご迷惑をおかけしてすみません」


「いえいえ、あの方も悪いんですよ」


対面しているのは行商人のサスケさん。

こっちの世界で初めて会う人間だった。

笑顔が優しそうなおじさんって感じ。


「実力はあるんですが最近はそれ以上に天狗になっていまして、いい薬だと思いますよ。それよりもあの子──如月ちゃんでしたっけ? 恐ろしく強いですね。あの子の父親であるあなたがピンクオークを倒したというのも納得です」


「まぐれですよ」


「謙遜なさらずに。ヘルガーさんから話を聞く限りでは一撃だったらしいですね」


「みんなが先に戦ってたから弱ってたんですよきっと」


「ひけらかさないのも実力者ゆえにですか」


だめだ、話題を変えよう。


「そういや俺が欲しい物って手に入りそうですか?」


「ええ、ええ! 色々とありますから時間はかかると思いますが必ず仕入れますよ。ただワインに関しては希望本数を揃えるのは厳しいかもしれませんね」


「なぜですか?」


あの味はできる限り確保しておきたいのに!


「製造者が急に作るのをやめてしまって、残ってるワインに希少価値がつき金額が跳ね上がってるんです。正直手持ちの金貨全てを叩いても本数を揃えられるどうか微妙でして ⋯⋯ 」


「どれぐらいになってるんですか?」


「少し前で金貨8枚。今でしたら15枚ぐらいでしょう」


「わかりました。じゃ、これで6本買ってきてください。残りはサスケさんの取り分ということで」


ポケットから金貨を100枚取り出した。


サスケさんが目を丸くする。


「これだけの金貨をどこで手に入れ


『スキルを選択してください』


急にステータス画面が開いた。

これは子供が生まれる前兆だ。


「どうしました、隼人さん?」


「いえ、なんだか急に妻が産気づいたような気がしたんです。少し席を外してもよろしいですか?」


「虫の知らせというものですね。では私もそろそろお暇させていただきますよ。今日中に鳥人の村に行かなければなりませんので」


「お見送りできないのが残念ですが、旅の無事を祈っています!」


サスケさんと別れると早速ステータス画面をいじった。


スキルは炎魔法を選択。


『適性がありませんので選択できません。違うスキルを選んでください』


適性?

今までそんなことなかったのに。


仕方ないので拳法を選ぶ。


『選択し直すことはできません。

よろしいですか? YES/NO』


YESを選び終了。

ラミーがいる横穴に飛び込む。


すでに陣痛が始まっているらしく虎種獣人の女性陣がラミーを囲んでいた。

睦月の姿もある。


「ご主人様、こっち来るニャ」


促されラミーの横に。

手を繋ぐ。


「頑張れラミー」


返事の代わりに強く手を握られた。

とても辛そうだ。


「頑張れ!」


このときばかりは男は本当に無力だと思う。

応援したり祈ったりすることしかできないのだから。


2人ともどうか無事で!



女神ピスティは


まだ微笑まない。

読んでくれてありがとうございます!


面白いと思ったらブックマーク、評価をぜひお願いします。


毎日これぐらいの時間にアップします!

現在のストック:9話分


次のチートは第9話で目覚めます。

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