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44話 何もないのは逆に怪しい
海音side
最後に真黒の椅子の後ろにあるドアを開ける
黒で統一されたシンプルな部屋
・・・だけど、なんだろうか
この、変に感じる違和感は
一応クローゼットの中を見ると彼の着る服とお面があった
ただ、それだけ机の上にも見本と言える勉強机があって
ベットも綺麗に整えられていて
「・・・潔癖症?」
いや、違う
そうじゃない違和感がある
ふと思い出すのは
彼らの部屋
彼らの部屋は個性的で自分の得意なもの好きなもので埋め尽くされていてーーー
「ーーーっ」
そうだ、ないのだ
この部屋には個性というものが
最低限の物しか置いてない
でもそれが分かっても何故か心に残るスッキリとしない感じ
それは真っ直ぐ壁にあった