180話 魔法少女見習いは吟味する
ノーラSIDE
「夜、一緒にご飯食べよう!」
「うん、いいよ」
そういって笑う男子生徒に、馬鹿だと思った
SGL本部からこの目の前の男が組織に関係あるかもしれないから
探ってくれと言われたが
こうも簡単に付け入れるなんて
私はまだ正式なヒーローじゃない
ただの、魔法少女見習いで
名も知れ渡っていないけれど
でも、力は認められている
「夜、夜には人には言えない秘密、ある・・・?」
「・・・無いよ」
少し目が揺らいだ
「そうなんだ!私ね、沢山あるからそういうの、凄いな!」
「沢山、あるの?」
「うん。
・・・・・・ーーー実はね、私、
悪の組織の一員になりたいの」
彼の目が大きく見開いた
さて、作戦はもう実行されている
もう引き返せない
「・・・なんで?」
その言葉に、細く笑う
彼は黒ーーー、
ーーーもしくは言葉を本気で受け止めようとしている純粋な白だ
「えへへ、ほら、この年頃だから・・・
少し、グレて見たくなっちゃって」
「・・・そうなんだ。
でも、止めておいたほうがいいよ。
僕的に、何かを壊すことしか出来ないような悪役より、
誰かを救うことの出来るヒーローのほうが、格好良いと思う」
・・・上への報告は、決まった




