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174話 目指すもの
「夜は居ないんですか?」
此処に居るよ?
なんて思いつつ
皐月と美桜の目線を無視する
「翔さんは、まだ、捕まっているのかしら?
・・・憎たらしいわね。今すぐ、乗り込んで・・・」
「梓、落ち着いて下さい。私が居るじゃないですか!!」
「貴方が落ち着きなさい」
乾いた笑みを浮かべつつ彼らを見る
何処でも、どんな姿でも彼らは変わらないようだった
男女のふたり組、っていうのは悠と梓で
今は別組織の幹部の格好をして
目の前に座っているけれど
「さて、ボスが居ない中話をするのは身が引けるけれど・・・
本題に入りましょうか。
私たち組織は、貴方達組織と協力関係を結びたい」
「却下」
即答したのは皐月だった
・・・まあ、気持ちも分かるけど、
もっと考えようとか思わないのかな
「何故、」
「僕らと君らじゃ目指すものが違う」
大雑把に言うと
彼女らは、正義の味方を減らすため
僕らは、正義の味方を増やすためで
正反対なんだ
似通っていたら、どうにかなったかもしれないけれど




