143話 自ら逆走しても気付かないやつだから
「っしゃあ!休み休みー!!!」
今日は、テロ騒動があったお陰で休校となった
「・・・外出禁止じゃなかったっけ」
「別にいいじゃねーかよ!」
「夜、このお菓子貰う」
「あっ狡い皐月!俺にも渡せ!!」
少し遠い目をしながらお菓子を取り合う彼らを見る
・・・何で僕の家に来たんだろ、この人達
不意にバンッと何かが破裂したような音が響き、バラバラバラッと何かが散らばった
「・・・・・・はあ」
「あー!!俺のお菓子!!!!」
「翔のじゃないでしょ。翔が無理矢理取ろうとするから」
「俺のせいかよ?!」
「・・・あのさ、騒ぐなら、出て?」
「「ごめん/すんません」」
床に散らばったお菓子を箒でかき集めてゴミ箱に捨てる
ホント何で二人共来たの
昨日テンション上げすぎたから
僕、もう疲れているんだけれど
寝たい
「夜、ゲーム持ってきたけどする?」
「・・・寝る」
「分かった。するんだね」
強制的に持たされ、テレビの前に座らされる
・・・え、これ、しないといけない感じ?
「っしゃあ!勝負な!負けたやつコンビニ行ってアイス買ってくる!」
あっという間にゲームは開始された
「うわっ?!誰、こんな所にバナナ投げ捨てたの!!」
「へへーん、ざまあみろぉおおお?!!!」
「あ、翔落ちた」
「どんまい」
「ぜ、絶対に抜かすからな?!!」
結局、翔が負けて
何度もしたが
結果は変わらず
翔はトボトボと此処から15分掛かるコンビニへと
向かって行った
うん、言い出しっぺが負けるって本当だったんだ
まあそうじゃなくても
翔は毎回負けるけれどね




