130話 暗証番号とひょっとこと
先にノックをして「失礼します」と声を掛けてから
中に入ると
ガスマスクを付けてシューシューしている男と
ゴツイ身体の男、
それとーーー
ひょっとこのお面をつけている男が居て
思わず二度見した
「18番。暗証番号を言え」
「10631901」
「・・・よし」
確かテロ最強だった、と思い出しながらそう言うと
ゴツイ男は興味の無いように外を見た
・・・ホントどういう暗証番号なの??
まあ、うんいいけど・・・
だったら僕達の場合は21603151かな
今度から使おうかな
皐月に言ってみよう
多分、「馬鹿じゃないの?」と真っ先に言われそうだけれど
心臓に悪かったけれど
あの男と会っていて良かった
本気で
適当にドアの近くに立って彼らを観察する
多分時間が遅いと感じているのかゴツイ男はイライラと貧乏揺すりをしており
ガスマスクの男は手榴弾をお手玉のようにして遊んでいた
絶対に落とさないでよ、それ
で、ひょっとこお面はーーー
「ーーーっ、」
真っ直ぐコチラを見ていて
思わず体中の毛が立った
ひょっとこは理事長の机から尻をどかし
立ち上がった
数歩こちらに近づく
何をするんだ、と思えば
ブゥゥー
「・・・・・・」
「「・・・」」
「あー、わりわり。屁、こいたわ。あっはっはっはっは」
一人で盛大に笑うひょっとこに
僕は
今直ぐにこの場から立ち去りたい気持ちで
いっぱいだった




