118話 ルールは破られるためにあるとしても
「ーーーリイ、リン。組織のルール、知らない訳がありませんよね?」
すう、と息を吐いて落ち着かせてそう言うと
彼女らはまさか責められるとは思っていなかったんだろう
グイ、と一歩コチラに近づいた
「ーーー、ですが!」
「リイ達は銀さんを思ってです!」
「・・・ルールその一、『幹部の指令なしに騒ぎを起こさないこと』」
「リン達は既に幹部になれるくらいの力を既に・・・!」
「仮にそうだとして・・・勝手に行動した結果がこれですか?」
辺りを見回すと既にもう何十人と倒れた仲間たちが居た
多分、幸くん一人によってやられた人達だろう
「ーーーっ、」
「リン達は・・・!リン達は・・・!
銀さんがソイツに・・・!
だから復讐に・・・!!」
・・・これは、僕らがヒーローたちに憧れを向ける気持ちと同じなのだろうか
必死に訴える彼女らに、
そう考えると言葉が詰まった
「・・・銀」
不意に後から冷狂の声が聞こえたので見ると
三人の姿が居た
「・・・モノ使い、赤人形は仲間の救助をお願いします」
「言われなくても分かっているよ」
「りょーかいー」
赤人形の出す蜘蛛の糸で仲間を掴んでいき翔が作ったワープホールに放り込んでいく
この際雑だとしても関係ない
「・・・刃ツインズ、君達には罰則がある。
勿論わかっていてやったんだよね?」
冷たく皐月が二人を見やると彼女らは震え上がった
きっと、勝手にヒーローに
しかも『純白の獅子神』に対して攻撃をしたことを怒っているのだろう
僕らは作戦を考える
仲間も、ヒーローも失わないように
だが、これは多くの仲間を失い
ヒーローを、幸くんを傷つけたんだ
不意にサイレンの音が聞こえて
多くの正義の味方達が僕らを囲んだ




