114話 微妙に招待がバレている気がするのは気のせいだろうか
「ここが機械制御室。
そしてここがーーー」
「待って待って待って。
なんでそんなとこ普通に案内しているの」
つられるままに着いて来たと思ったら“立入禁止”と書かれたドアに入って
何かが可怪しいと思ったのが10分前
そのまま案内されて現在此処
機械制御室とか!
普通教えるようなところじゃないよね?
「あれ?こういうのを知りたいんじゃなかったの?」
「何その僕がここを襲うとでも
思っていたみたいな考え」
「違ったの?」
「違うから!てかそう思っていたなら普通案内しないよね?」
あれれー、オカシイなーと独り事を呟く幸くんに
僕はトップがこの人で大丈夫なのかと
仮にも憧れな人に対して思ってしまった
「ーーーまあ、いいんじゃないかな。
一応、僕は兄ちゃんのこと気に入っているし。
無闇に何かするわけじゃないだろうし」
「えっ・・・あ、うん。それは・・・ありがとう?」
会ったばかりの人に何言っているんだろうか、なんて思いながら
何となく無図痒い思いが駆け巡る
「幸くん、戻ろう?」
「ええー。もっと兄ちゃんと遊びたかったんだけれどなー。」
「また今度」
「ぶー」
ブツブツと文句を言いながら今まで進んできた方向と反対方向に歩き始める幸くん
って、結局全然違う方向だったの?




