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俺と幼馴染

作者: 黒石

慣れていないため読みにくい表現や、意味の分からないところがあるかもしれません。

寛大な気持ちでお読みください。


テストの点数についての少し変えました。某ラノベ主人公が2位と平均点で10点差を付けていたことがあったので大丈夫かな?と思ってましたがさすがに無理があるので変更しました。

 俺には小学一年生からの幼馴染がいる。そいつの家は所謂旧家というやつでIT関連の総本だ。いいとこのお坊ちゃんであるあいつと俺との出会いは語るほどのことでもない。ただあいつのことが気に食わなくて俺が喧嘩を売ったことから俺たちの関係は始まったんだ。今では自他(あいつの信者除く)ともに認める親友同士だ。


 そんな俺の親友は今まるで小説の中の出来事のようなことを体験している。


 俺たちがが学校の校門をくぐると目の前に女子四人を侍らせたハーレム野郎が立っていた。そのハーレムメンバーの一人である茶色の髪を肩まで伸ばしたきつそうな顔をした女が俺たちの方に一歩近づいてきた。


 「西城輝夜さいじょう・かぐやさん。わたくし市田和葉いちだかずはあなたとの婚約を破棄いたします!」

 「はぁ?」


 俺の横にいる輝夜は急な出来事に珍しく普段の凛とした態度を崩して間抜けな声を出した。


 「え~と和葉さんでしたか今日が何の日かご存知ですか?」

 「ええもちろん存じ上げておりますよ。今日は由緒正しき才華学園さいかがくえんの卒業式ですわ」

 「はいその通りです。つまりあなた方はわかっていてこんなことをやっているのですか」


 うん輝夜が怒ってるよ。まあこの日のために生徒会として寝る間も惜しんで頑張ってきたわけだからそれを無駄にされたら怒るか。もちろん俺も仕事を手伝ったよ。割り振りでいうと俺が五割、輝夜が三割、会計と書記と庶務の三人で残った二割。こう考えると俺が一番忙しかったのか。


 「で?婚約破棄とはどういうことですか?」

 「どうもこうもありません。あなたが特待生である鈴木亮太すずきりょうたさまをいじめていたことはわかっているのです!」

 「私が特待生をいじめた?」


 周りで野次馬をしていた生徒が生徒会長がいじめをしていたという発言に騒ぎ始め、負の感情を含んだ視線をこちらに向けてくる人もいた。


 「ええ。あなたは庶民である亮太さまに対して悪い噂を流したり、生徒たちに無視するように言ったそうではありませんか。それに土曜日の準備の時に階段から突き落としたとか」


 和葉の発言に便乗したハーレムメンバーが騒いでいてうるさい。輝夜はそんなことするわけないのに誰にそんな嘘を吹き込まれたのやら。


 「身に覚えがないのですかどのような噂が流れていたのですか」


 輝夜は無表情で淡々と聞き返す。

 これはあれか正論をぶつけて心を折るつもりか輝夜。なかなか酷いことをするなぁ。あ、やっべ輝夜に睨まれた心を読まれたか?


 「それは俺が言うよ」


 そういうと亮太本人が一歩前に出た。

 おお本人の登場ですか!早い退場を期待しますよ。


 「噂は俺に常識がないだとか、俺にかかわると不幸になるだとか俺が女子を誑かしているとかそんなものだ」


 ハーレムメンバー共はお可哀想にと、亮太を慰めているが、実際こんな人前でこんなバカなことをやっている時点で常識はないと思うぞ。それに高校生にもなって悪口言われた程度で女子に慰められるとかマジで笑えるんだが。マスクしててよかったわ。これないと絶対笑ってるのばれたわ。


 「私はそんな噂を流した覚えはありませんが、常識はないと思っていましたよ」

 「常識がないはずないじゃないですか。亮太さま特待生としてこの学園に通っておられるのですよ」


 おおメンバーBさん初めての発言だな。でも空気を読んでくれ。亮太が噂について語った時点で周りの生徒は冷めた目でお前らを見てるから。


 「常識があったらこんな騒ぎを起こさないはずですが?それにあなた方は上級生が優先して使えるテラスを自分たちで占領したり、勉強するための第二図書館で騒いでいたと生徒会に報告されていたのですが?それでもまだ常識があるとおっしゃると」


 なんだろう言葉にしてはないけど最後に「バカかお前ら」とついた気がしたんだが気のせいか?


 「他の噂は「だから知らないと言っているでしょうが」・・・無視するように言ったというのは!」


 まさかかぶせるように返すとは輝夜も成長したな。おじさんは嬉しいぞ。

 そんなことを考えていると輝夜はまた俺のことを睨んできた。

 いやだから睨むなよ、なぜわかる?そんな場面じゃないだろ。話を聞いてやれよ。


 「私はそんなこと言っていませんよ。まあ特待生がどういうものかすら忘れている人たちとかかわりを持って生活できるほどこの学園は楽ではありませんから、それが原因でしょう」

 「忘れている?私たちが何かを忘れているとでも!」


 お!次はメンバーCか。あいつら一応いいとこのお嬢様のはずなんだが?あれか、テストはできても頭は悪いとかそんな感じか?恋に恋して頭が残念になったか?


 「ほとんどの方は知っていると思いますが、この学園で特待生が過ごすために必要な費用は一般の生徒の保護者が払ってくれています。それは寮の光熱費や食事代に始まり、教材や制服、それ以外にも娯楽用品までもです。これは言わば才能ある子への投資なのです。実際ほとんどの特待生の方々はそのことを理解して数多くの実績を挙げて卒業していきました」

 「それがどうしたいうのですか?」


 あれこいつら知らないのか?あの亮太ってやつハーレムメンバーと遊びまくってて功績はおろかよく進級できたなってレベルだったんだぞ。しかもそれを改善しようとすらしてないし。ほかのメンバーの奴らもだんだんと成績が下がってきてるからな。


 ま、とりあえずそろそろ俺も会話に参加するかな。


 「輝夜そろそろ俺も交じっていいか?」

 「お前なぁ、もっと早く会話に入って来いよ」


 嫌だって俺が会話に入るとなんでお前がそこにいるんだっていう妬みや嫉妬の視線がめんどくさいんだもん。今だって結構睨まれてるんだぜ。


 「まあいいじゃん。で、亮太って言ったけおまえ」

 「そうだが。お前は一体何なんだ?」

 「俺のことはどうでもいいんだよ。まあ強いて言うなら輝夜の腰ぎんちゃく、もしくは金魚の糞だ」


 実際は部下なんだけどここでは言わない方がいいよな。てかなんで輝夜は睨んでくるんだよ。文句あるなら言えよ。


 「・・・その腰ぎんちゃくが何の用だ」

 「お前いろいろとやりすぎたんだよ。お前がもう少しでも真面目ならどうにかなったんだけどな」

 「なんだ説教か?お前みたいな根暗そうな奴はどうせ親のコネかなんかでここに居るんだろ!努力してここに居る俺に説教できると思ってるのか!」


 いや余裕でできますけど。てかなんで輝夜がキレてるんだよ。実際髪の毛伸ばしてメガネとマスクつけてるせいで根暗と思われてもしょうがないが、コネなんかで生徒会長と常に一緒にいられるはずないだろ。それ以前にお前の発言が盛大なブーメランなんだけどな。


 「するよ。お前みたいなコネで特待生になった訳じゃない、正真正銘の実力で勝ち取った一特待生としてな」

 「亮太様も実力でこの学校に入ったのよ。嘘つくんじゃないわよ!」

 「嘘じゃねえよ。知らないみたいだから教えてやるよ。そいつの父親はこの学園の理事の一人なんだよ。まあ所謂愛人との子だ。父親として責任を感じたのか知らんが他の理事たちに頭を下げてこの学園にそいつを入れてもらったんだよ」


 俺の発言に周りにいた野次馬とハーレムメンバーたちと輝夜が固まった。あっ、これ輝夜も知らなかったんだ。


 「嘘だ!そんなことあるわけない!俺は実力でこの学園に入ったんだ!」

 「いや、ちげーよ。お前の成績自体この学園では赤点レベルだし、もしもここが一般的な普通科高校だったとしてもよくて中の上ぐらいだぞ。高レベルな高校にすら入れないぐらいだぞ。まあ口で言ってもわかんねぇと思ったから特別にこんなものを用意してもらった。これからの新制度の例としてな。んっじゃ頼むわ」


 俺の合図とともに後方から大きな紙を持った三人が俺たちが作っている円の中心に入ってきた。

 その三人が中心に来るとメンバーB・C・Dが嫌そうに顔を歪めた。


 「ここでいいですか副会長」

 「悪いなこんな場所に来てもらって。見たくない顔もあるだろ」

 「気にしないでください。俺たちは貴方の御蔭で大切な人と出会えましたから」

 「そうですよ。僕たちとしてはこの学園生活で貴方との縁ができたことが一番の成功と言っても過言ではありませんから。貴方のお願いならできる限りやって見せますよ」


 今俺のことをかなり過大評価してくれている三人は残りの生徒会のメンバーだ。元々こいつらはハーレムメンバーB・C・Dの婚約者だったんだが、その三人が亮太のことを溺愛し始めたせいでその関係が崩れて代わりの人を探していた時に俺が西城家の本家に近い分家から三人の好みの女性を紹介したんだ。俺の調査は正確だったらしく今では見た人が砂糖を吐きそうなほどのバカップルぷりを見せてくれている。リア充万歳。


 「大切な人とはどういうことですか!あなたは私の婚約者のはずでしょう!お父様たちにご報告させていただきますから」


 ハーレムメンバーたちは大切な人発言にそれぞれの元婚約者たちを責め始めた。うん。なんでこいつら知らないんだ?


 「なんでお前らが騒ぐんだ?婚約破棄はすでに両家で承認してるはずだぞ。それにお前らも破棄についての書類に印鑑押しただろ。お前らの親御さんは青い顔して頭下げてたぞ」

 「「「え!」」」

 「どうせお前らろくに書類を確認せずに印鑑押したんだろ。自業自得だ。それと話を戻すけど今運んでもらったのは学年末試験の結果だ。これからはテストの度に成績を発表することになったから誰が頭悪いか丸わかりだぞ」


 今までは個人の結果すら知らされなかったんだが、これからは勉強を真面目にさせるために頭悪いと恥を掻くように一位からベリまでのテストの結果を公開するようにしたんだ。


 「で、見てわかるように亮太は最下位だそれも合計点で他の人と比べて200点さも叩き出すほどのバカだ」

 「そんな」


 いやメンバーたちも驚いた顔してるけどお前ら全員下位争いしてるからな。


 「嘘だこんなことあるわけない!」

 「まだ信じられないのかよ。めんどくせえな、ほれこれがお前のテストだよ」


 俺は最初から用意しておいた亮太の赤ばかりのテストを周りに見せびらかしてから返した。


 「くそ!お前はどうなんだよどうせお前も低いんだろ!」

 「んなわけないだろバカが。一番上を見てみろ」


 順位表の一番上には俺の名前がある。12教科ほぼ満点で間違いもケアレスミスが数個だけだ。


 「さすがだな誠。お前が生徒会長でもよかったんじゃないか?」

 「んなわけないだろ輝夜。俺にはお前のようなカリスマはないんだよ。誰かを支えてる方が気楽で良い」

 「こんなバカなことがあってたまるか!」


 バカなことって言われても特待生として少しでも成績を落としたら即座にこの学園から追放される身としてはやるしかないんだよ。


 「カリスマねぇ。とりあえずそれを外せよ」

 「あ!」


 輝夜は流れ作業で俺からメガネとマスクを奪い、前髪をポケットから出したハサミで切ってきた。

 するとさっきまでの妬みとかの視線が消え、なぜか恍惚とした溜息がそこらじゅうから聞こえてきた。


 「何すんだよ!急に髪の毛切るとか怪我したらどうする気だったんだよ」

 「どうせすぐ治るだろう」


 まぁそうだけどさ急に切られると驚くだよ。それも信頼してるせいでこいつが何かしてきてもそこまで体が反応しないようになってるしさぁ。


 「な、どういうことだよ!」

 「どういうことってなにがだ?」

 「なんで顔を隠してたんだよ」


 亮太の発言に野次馬たちが無言で頷いてる。そんなに気になることか?


 「俺孤児院出身なんだけどそこの院長をしてる先生たちが顔を隠せって言ってきたんだよ。最初は嫌だったんだけどなんか途中からどうでもよくなったんだよな」


 周りは俺が孤児院出身ということに驚いたのか固まった。


 「ほら俺、孤児院出身だから特待生じゃなくなるとお金払えなくてこの学園に通えなくなるんだよ。だから勉強やらなんやらをスゲー頑張ったわけだ」


 まぁ輝夜の無茶振りとかで手に入れた大会の賞金とか特許であんま金には困ってないけどな。輝夜の親の会社の手伝いとか護衛代とかももらってるしな。


 「それで話戻すけどさ、亮太お前先週の土曜日に階段から落とされたんだよな。それ本当か?」

 「・・・そうよ・・・」


 うんメンバーBさんなぜ顔を赤らめながら間をあけていうんだ。嘘だから恥ずかしいのか?


 「とりあえずそれはありえないからな。輝夜は実家の都合で土曜日学校来てないからできるはずないし」

 「・・・え・・・?」


 知らんかったのか?職員室前の廊下の黒板に誰が休みか書いてあるはずなんだが?まぁ普通は誰が休みかなんて確認しないか。


 「嘘じゃないぞ。輝夜は実家の仕事の会議とそのあとのごたごたで忙しかったからな」

 「じゃあ誰が落としたの?」

 「それは知らんけど、本当にそいつは階段から落ちたのか?誰かそれを見てたのか?」


 周りにいた奴らは全員口を閉じて喋ろうとしない。小説とかだとこういう時は誰だれがそう言ってたからっていう理由が多いんだけど今までの会話で信じられなくなったのか?それに落とされたにしては怪我をしてるように見えないんだが。


 「誰も見てないなら輝夜がやったって証明できないだろ。反論がないならこの話はもう終わりな。お前ら騒ぎを起こした四人は親から連絡があると思うから家に帰れ、で残りの奴らはもう時間もあんまりないし教室に行って荷物おいてこい、卒業式に遅れたらやばいぞ」


 俺の発言を聞いて周りにいた野次馬たちはゆっくりとだが動き出しが、生徒会メンバーとハ-レムメンバーだけは動かずその場に留まった。


 「どうしたんだ?俺たち生徒会はこの後もいろいろあるから早く教室に行かないとまずいだろ。早く行こうぜ」

 「ちょっと待ってくれ。教室に行く前に言わないといけないことがあるんだ」


 俺が教室に行こうとすると、輝夜が俺を呼び止めてきた。早く行かなくていいのか?一応生徒会は式の準主役だろ。


 「市田さんあなたは勘違いしています」

 「私が何を勘違いしているというんですか!」

 「私には婚約者はいません。私と親戚一同から認められている人がいるのですが、その人が乗り気ではないので外堀を埋めている最中なのです」

 「え?」


 和葉は目を丸くして固まった。

 輝夜さんや今なんかこっち向きませんでしたか?なんか悪寒がを感じたんですが気のせいですよね!なんで生徒会のほかの奴ら俺のことを生暖かい目で見てくるんですか!


 「ですからこのようなことをしなくてもあなたのお相手が信頼できる方なら結婚できたのですよ。ただこのような問題を起こしてしまったあとではどうなるかわかりませんがね」


 こうしてこの物語のような茶番は相手方に多大な被害を与えただけで終わり、そのあとの卒業式は問題なく進んだ。そして卒業式の後の生徒会主催のお別れ会ーこの学校は中、高、大一貫校でその上、外部進学はいないので実質また会うことになるーでは生徒会でバンドをしたり、アンコールに答え自作の歌を歌うことになり黒歴史ができたりー俺が作った歌を輝夜が遊び半分でCDとして発売したらなぜか大量に売れたー、俺一人対卒業生という特別ルールでスポーツしたりーほとんどの運動部には臨時コーチとして参加していたので顔見知りーもちろん全力を出して全勝しましたよ。まあ全力を出したら傷が開いてそのあと病院に行くことになったけどな。

 何やかんやあったけど卒業生は満足して卒業していった。










 その数年後、輝夜が男ではなく女ということが発覚しー俺以外のほとんどの人が知ってたー外堀が埋まっていたため輝夜と付き合うことになるのは別の話。




生徒会のメンバーは副会長以外全員がトップの財閥です。

この国の財閥は方角付きの四家をトップにその下に数字付きがきます。

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[気になる点] 下の方も記載してますが2位と100点差は普通ありえないですよね。 主人公のスペックがかなり高いことを強調したいなら12科目満点でケアレスミスすらないことを表現した方が良かったかも。 […
[一言] 2位と100点差…頭の悪い生徒ばっかなのかな…
[一言] 通常の婚約破棄物と男女が逆で楽しめました(・∀・)
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