表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の後輩  作者: 御馳走
6/8

今回の結果と心境変化

初出場の結果、短いです。

 全ての競技が終わり、部内での反省会も終わり、他の部員は全員帰ったのに、僕と彼は競技場に残っていた。

「終わりましたね。」

「ああ、終わったな。」

 閑散とした競技場の周りをクールダウンがてら散歩している。ちらほら他の選手も見る。

「完敗でしたね!」

「誰がどう言おうと完敗だったな。」

 彼は10位、僕は8位で入賞ギリギリだった。

「お、先輩が入賞で満足していないとは!意外です!」

「レースそのものには大満足だけどな。」

 レース後二時間程でタイムと順位が張り出される。それを見たときは何とも思わなかったが、三位までが表彰式に呼ばれ、賞状を受け取っているのを見たとき、人生で初めて悔しいと思った。今まで思っていた悔しさとは、比べ物にならない程の悔しさだった。

「それが闘争心ってやつです!ようやく先輩にも付いてきたようですね!」

 だから、彼には感謝している。

「お前が前にいてくれたから、負けたくないって思えた。ありがとう。」

「先輩のためじゃありませんよ!自分のためです!自分は先行逃げ切り型なんです!」

「まんまと捕まっておいて、よく言うわ!」

「先輩だってもっと早くペースアップしてれば、記録も伸びたんじゃないですか?!」

「そこまで頭が回らなかったんだよ!自分のペースでもなかったし!」

 下らない言い合いが楽しい。部活中に楽しいと感じたのは、いつぶりだろう。

「お互い、課題が見えたな。」

「そうですね。」

 沈黙が訪れる。そろそろ彼は帰り支度を始めなければならない。

「それでは先輩お疲れ様でした。」

「お疲れ様だ。次は秋の新人戦だな。」

「次も県大会からですか?」

「当然だろ?楽しみか?」

「当然ですね!」

 僕も楽しみだ。次こそ上の大会にいってやる。明日からの練習も、秋の本番も負けない。闘争心と殺意を持って、全力で楽しんでみせる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ