経験→→いせかいたいけつ 【いっせんめ〜いち〜】
お、お、お、お、お、おぉぉぉぉぉ…
―今、俺の体から凄い勢いで冷や汗が出ていた。
「お、俺の番まで…あと、二組…」
最初はまだまだ時間はある、と考えていた。
それが間違っていたのだ。
まさかまさかの一時間程度で九十二組が終った。
「ヤバイ…」
その一言さえも、
今の俺には出すのが精一杯だった。
―トントン。
「ヒッッッ!!?」
「ご、ごめんなさい。驚いちゃいましたか…?」
そこに立っていたのは、みいだった。
「あ、た…みいか…」
ニコっ♪
みいは俺を元気づけに来てくれたらしい。
もう、その存在だけで今、俺は花畑にいるようだぞ…
「??真渚聖様…?」
「ん!?あっ…いや、何でもない。」
おぉ…危うし、だったな…
俺はみいをガン見していたらしい。
次から気を付けないと…
「頑張ってくださいね。真渚聖様!
応援してますから…」
「ありがとな。」
…俄然やる気が出てきた俺。
うっし!!!いっちょやってやりますか!!
「で、でも!!無理だけは…絶対にしないでくださいね?」
…?
一瞬、みいが凄く悲しそうな顔をしたような気がした。
しかし、次の瞬間には戻っている。
見間違え…か?
なら、いいが…
「…おう!!分かってる。」
そう言うと、みいは満面の笑みを返してくれた。
あ…綺麗だ…
一瞬でもそう思ってしまった自分自身に、赤くなってしまった。
「―次の対戦者前へ」
俺の番だ…
俺は緊張しすぎて、右手と右足が一緒に出ていた。
「よ、よろしく…」
「……………」
うぅ…な、何か言えよ…
俺のそんな気持ちは、虚しくスルーされ―
「決闘、始め!!」
地獄(俺には)のような決闘が始まった。