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経験→→いせかいりょこう

―…え~どういう状況でしょうか、今。

少し、整理をしようか。

まずあの、不思議なポスターを見つける。

そして、あの謎の耳を持つ女の子が俺を迎に来る。

そして、今…

俺はタイ○マシーン的なものに乗っていた。


「あのぉ~…お嬢さん?」


向かえに来てくれた謎の耳女の子は何度名前を聞いても答えてくれなかったので、

俺は『お嬢さん』と呼んでいた。


「はい。どうなされましたか?真渚聖様。」

「これは…どこに向かっているのでしょうか…?」

「人間界で言う『イセカイ』へ…」

「いや、それは分かってるんだけど…はぁ…」


さっきから、埒があかない…。

質問をしても俺の満足のいく答えが返ってこない。

と言うか、あやふやにされている様な…気がする…

…う~ん…


「01(ゼロイチ)!!!!!!」


ビクッ!?

な、何だ?急に…

すると、俺の前にいたお嬢さんが返事をし、

奥に走って行った。

…01?

もしかして、それがお嬢さんの名前…なのか?

急に俺は不安に駆られた。

数字を名前にするって……………………


―数十分後…


「あ、お嬢さん…」

「真渚聖様、準備が整いました。これから次元の空間を通ります。少し気持ち悪くなるかも知れませんが、ご了承下さい。」


…気持ち悪く…?


「あ、あぁ分かった。」


聞きそびれたな…まぁ、俺の付き人になるみたいだし、後でも聞けるか…。

―この後俺は、一回死んだ。


―おぇぇぇ…(キラキラキラ~)


「だ、大丈夫ですか!?真渚聖様!!」


す、少しって言ったのにぃぃ…

見事に俺は、史上最強の気持ち悪さに襲われていた。あぁ…死にたい。

…まぁでも、一応『イセカイ』にはたどり着けたみたいだ。


━はぁ…


「だ、大丈夫でございますか…?」

「ぅん…だ、大丈夫……」


まだ気持ち悪かったが、お嬢さんに聞きたいことが山ほどあった。


「…質問をいくつかしてもいいか。」

「………はい。」


………………どうすっかな…


「あ、あの、喋ったら吐きそうだから…紙に書いてもいい…」

「も、もちろんでございます!!!!」


紙とペンをもらい、(これは人間界とさほど変わらなかった)質問を書き出した。


「━え~まずは1問目を答えますね。」

「ああ。順番によろしく頼む。」

「はい。」


そして、お嬢さんは先ほどとは打って変わり、すらすら答えていった。


「―正確には名前はありません。」

「でも、さっき01って…」

「それはここでの呼び名です。

…01でも結構ですし、どう呼んでくださっても構いません。」

「いや…でも…」

「?…では、お嬢さんのままでも結構ですよ。」

「い、いやっ!考える!!ちょっと待ってくれ…」


な、何がいいのだろうか…

名前を考えるって…簡単に言っちゃったけど…

責任重大なんじゃないのかっ!?

ヤバイヤバイヤバ…うぇっ…べ、別の意味で…ヤバイ…


「━あ~…えっと~」

「えっと?」

「うっ…そ、そうだな…」


そして、俺は一つの案を出した。


「━『みい』ってのは…どうだ…?」

「…み…い」

「いやっ…その…だな……耳、みみ…みい的な……やっぱ嫌だよな!!か、考え直すから…ちょっと待って…」

「なぜ、考え直すのですか?」

「え?」


そして、お嬢さんは…いや、みいは俺にこう言ってくれた。


「真渚聖様、私の名前はみいです。

呼んでください。みい、と。」

「…いい…のか?」

「はい。」

「…………そっか…ありがとな、みい。」


すると、みいは惚れ惚れするほどの、可愛く…そして優しく笑って答えてくれた。


「はい、真渚聖様。」


それから、みいは後の質問に答えていってくれた。


「―ここの正式名称は『クランバル王国』と言います。そして、今ここの国王を募集中なのです。」


…クランバル

募集しちゃうか

国王を。

あ…一句できちゃった。―じゃなくてっ!!


「その…国王が、俺…なのか?」

「いえ。違います。」


……うん?


「ち、違うのか?」

「はい。実はですね…」


そして、みいは説明してくれた。


―俺の他にもおよそ100人程度の国王候補が来ているらしい。

いくつかの種目で対決し、最後まで残った者が勝者になり、国王になる…みたいなことをする。

もう一つ付け足すとしたら…人間は俺だけらしい…

他にどんな人種(?)がいるのだろうか…

少し思ってたのと違うが、脱・ヒキニートは不安だができそうだ。


「なぁ…それって、負けたら元の世界に帰されるのか?」

「いえ。勝負に負ければ…」


軽い気持ちで聞いたのだが、その答えは今までで一番現実味があり、そして一番残酷な答えだった。


「この国の奴隷になってもらいます。私のように」

「え…」

「びっくりしますよね。」

「あ、あぁ。びっくりした。みいが奴隷だなんて」


みいはクエスチョンマークを頭の上に浮かべた。


「そっちですか?」

「え?…あ、あぁ~そりゃそうだろ。こんな可愛い奴…そんな所にいるとか…もったいなすぎるだろ。フツー。」


カァァァァァ。


「え…ちょ…何言ってるんですか…」

「へ?…!!」


カァァァァァ。

つられて俺まで赤くなってしまった。


「―コホン…と、とにかくです。奴隷にならないよう頑張ってくださいっ!!」


走って行くみいの背中を見つめる。


「はぁ…みいの奴、逃げたな…てか別に俺は、奴隷でもいいんだけどな…経験になるし。」


うーんしかし、これから何をしようか…ヒマだ。

みいと話している間に気持ち悪さが無くなったらしい。(やったぜっ!)

そういやぁ…みいが外に出ていいっつってたよな。

少し…行ってみるか。

俺は寝かされていた寝室から(スウィートルームぐらいの広さの)外に出てみることにした。


「―ありゃま…こりゃぁ凄いねぇ…」


びっくりしすぎて、口調が変になってしまった…

俺の寝ていた所から外に出ると、装飾された壁、床や、シャンゼリアが施されていたのだ。


「…城みてぇ…」


これが、開いた口が塞がらないと言うやつか。


「でも、落ち着かねぇな。こんなに広かったら。」


と言うことで、城の探索はさっさと終わらし、城下町っぽい所に行ってみることにした。


―城下町┃(っぽい)に着くとそこは、人間界とあまり変わらなかった。(東京みたいな)

それも一つを除いてはだが…


「…人間…本当に俺だけだ…」


そこには、みいみたいな奴もいて、全身が動物の奴もいて…角が生えてる奴もいる…


「本当に『イセカイ』…来ちまったんだな…」


ここに来て、驚くことは沢山あったけども…

改めて考えると、こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。

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